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JBMAニュース

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第49回防府読売マラソン~道下の悔し涙 それぞれの課題を胸に~(広報インターン記事)

12月16日、山口県の防府市陸上競技場発着にて、防府読売マラソンが開催された。フラットな道が続くため走りやすく、好タイムが狙えるコースである。昨年は、T12クラスの道下美里選手(三井住友海上)が世界記録を樹立し、さらなる記録更新に期待がかかる。女子の日本選手権にもなっている今大会には、T11~T13クラスに男女合わせて15名が参加した。

画像1:12時2分号砲。ゲートを駆け抜ける選手たち

スタート前から、冷たい雨が容赦なく降り注いだ。給水所となる9キロ地点を女子トップで通過したのは、道下選手だ。序盤は20分台前後でタイムラップを確実に刻み、積極的にレースを進めた。しかし、20キロ以降はペースが落ちはじめ、「30キロ過ぎくらいから気持ちの中でレースが終わっていた」と振り返るように、徐々にタイムを落とした。後半から雨は弱まったが気温が一段と下がり、選手たちにとっては過酷な気象条件となった。2連覇を果たし優勝を飾ったものの、自己記録からは6分ほど遅れを取る3時間2分11秒でゴール。フィニッシュ直後は、青山由佳ガイドランナーに支えられながら涙を流し、悔しさをにじませた。「体温の変動やコンディションの変化に身体がついていけなかった。もう一度基礎づくりからはじめたい」と、さらなる成長を誓った。同時に、地元での開催となった今大会では、元市長から「自分の世界記録は大事にしなさい」と声をかけてもらったといい、背中を押してくれる人や応援してくださる方に対する感謝の気持ちも溢れた。自国開催となる東京2020パラにも、特別な思いを抱いている。「今日は地元での開催で、たくさんの声援をいただき、うれしかった。同じように、たくさんの応援を受けながら走ることができる自国のパラに出られたら、アスリートとしてとても幸せだと思う」と笑顔で話した。目指すは東京2020パラの金メダル。リオでの雪辱を果たすべく、道下選手の進化は止まらない。

画像2:工夫が施された選手たちのドリンク

 


画像3:スタジアムに入る直前の道下美里選手と志田淳ガイドランナー

2位でフィニッシュしたのは青木洋子選手(NTTクラルティ)だ。「伴走者の声かけが力になった。自己ベストを出せてよかった」と、充実した表情で語った。3位には、「インターバル走でスピードをつける練習を積んできた」と話した藤井由美子選手(タイマーズ)が入った。目標であった3時間16分切りには惜しくも届かなかったが、今後につながるレースとなった。次代を担うと期待される、梶木あや乃選手(JBMA)と和木茉菜美選手(読売テレビ)も出場した。ともに自己ベスト更新を目指して後半は粘りの力走も見せたが、無念の途中棄権に終わった。天候の影響を受けながらも、それぞれが課題を手にした今大会。これからの活躍がとても楽しみだ。
 


画像4:20キロ地点で伴走ランナーの交代を行う青木洋子選手

取材で一番印象的だったのは、試合後に選手たちが語った「多くの人に支えられている」という感謝の気持ちがこもった言葉だ。視覚障がい者マラソンは、ガイドランナーを必要とする選手が多い。ロープ掴んでパートナーとコミュニケーションをとって走るため、ガイドランナー次第で走り方も変わるという。基本的に前半後半で2人のランナーが伴走し、経過時間や道順、地面の状態などを伝えて声かけを行う。だが、大会に出場する伴走者だけでなく、一週間に10人以上のランナーと練習を積んでいる選手もいる。人と人との出会い、つながりを通して選手たちが強くなっていくところや、道下選手が「チーム戦」と話すようにみんなで目標を成し遂げるために一つになる、という点がほかにはないブラインドマラソンの醍醐味だと感じた。だがまだまだ伴走ランナーの数は十分ではなく、安心して練習できる場所も足りていない。毎月第一日曜日には、だれでも参加可能な伴走者講習会が代々木公園で開かれている。一人でも多くの人がブラインドマラソンに触れ、素敵なランニングの輪が広がっていけばいいなと思う。

記事・写真 慶応義塾大学 反保真優

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