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JBMAニュース

JBMAに関するニュースや世界のブラインドマラソンのニュースを掲載していきます。

第68回別府大分毎日マラソン大会第19回日本視覚障がい男子マラソン選手権大会(広報インターン記事)

両手にぐっと力を込めたガッツポーズ。その姿に初優勝に懸けていた強い思いが表れていた。2月3日、大分の地で行われた第68回別府大分毎日マラソン兼第19回日本視覚障がい男子マラソン選手権(別大マラソン)は、堀越信司選手(T12、NTT西日本)がアジア新となる記録で悲願の初優勝。「別大の悔しさは別大で晴らす」。まさに有言実行の走りで2019年を始動させた。今大会には堀越選手を含む男子6名、女子8名の計14名が参加しており、うち名が自己ベストを更新。好記録が多く生まれた実り多き大会となった。

画像1:男子で2時間26分28秒のT12クラスアジア新で優勝した堀越選手。

 

空に選手たちの願いが届いたかのように、予想されていた高温多湿の厳しいコンディションが一変。日がさしたり小雨がぱらついたりと不安定な天候ではあったものの、風も弱く気温12℃前後の好条件に恵まれた。男子視覚障がいの部は堀越選手と大会三連覇を狙う熊谷豊選手(T13、三井住友海上)の2人が実力を発揮し、5㎞を17分13秒のハイペースで通過。各所でスタッフから手渡しされるスペシャルドリンクでの水分補給もしっかり行い、順調にレースを進めていく。堀越選手は1時間12分37秒で中間点を通過し、意識していた2時間25分台も射程にとらえる好走を維持。後方では今回が回目のフルマラソンとなる唐澤剣也選手(T11、群馬社福事業団)が自己記録を大きく上回るペースでラップタイムを刻んでいた。堀越選手はフルマラソンで最も苦しいとも言われる30~35㎞で一度ペースを落としたが、「一回一回の練習で長めの距離走をやっていた効果」と本人も練習の成果を実感する粘りを発揮し、ラスト7㎞に再度奮起。実に4年ぶりの自己記録更新、そしてアジア新記録となる2時間26分28秒で優勝のゴールテープを切った。熊谷選手が2時間34分47秒で2位、35㎞を過ぎてから唐澤選手を逆転した山下慎治選手(T12、シーズアスリート)が自己新で3位に入り、表彰台へ。全選手がしっかり力を出し切った好レースだった。

 

女子の部で注目を集めていたのはT12クラス現世界記録保持者の道下美里選手(三井住友海上)。練習の一環として参加した今回は記録を狙うレースではなく、これまでとは違う水分・エネルギー補給方法や、来年の東京パラリンピック最終選考ともなり得る別大マラソンのコースを確認することが目的だった。直前に体調を崩すなど万全の状態ではなかったというが、「タイムや給水についても予定通りのレースを行えた。自分のカベを一つ越えられたので自信を持って前に一歩進みたい」と、明るい笑顔を見せた道下選手。今後は3月の東京マラソンに参加した後、4月のWPAマラソン世界選手権(ロンドン)での優勝を狙っている。「世界選手権にはリオデジャネイロパラリンピック金メダリストの選手が出場する。直接対決で勝ちたいです」。力強い言葉通り、ぜひともリオでの雪辱をロンドンで果たしてほしい。女子2位には従来のベストよりも2分半以上速いタイムで走り切った近藤寛子選手(T12、滋賀銀行)、3位には西島美保子選手(T12、JBMA)が入りリオ大会出場の3名が実力を発揮した。

 

画像1:練習の一環としての参加ながら、強さを見せた道下選手と河口ガイド。

 

「準備段階でしっかり準備できていたから怖がることなくスタートできた」(堀越)。しっかりと練習を積めていたことに加え、天候への対策や食事面への気配りも万全に行っていたこと。堀越選手の悲願の初優勝は、大会に向けてのこういった丁寧な調整と練習の賜物だ。酷暑や多湿の悪条件が予想される東京パラリンピックで活躍するためには、走力や経験に加え、このようなピーキング能力も不可欠だろう。また、世界多くのトップアスリートが取り入れている科学的データの蓄積や分析もパラスポーツ界に広がりを見せており、それらに基づいた準備を行っていくことも求められてくる。東京のスタートに自信に満ち溢れた姿で立ち、笑顔でゴールに帰ってくるのは誰だ――。勝負の1年が始まった。
 

記事・写真 早稲田大学 太田萌枝

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