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JBMAニュース

JBMAに関するニュースや世界のブラインドマラソンのニュースを掲載していきます。

神宮外苑チャレンジフェスティバルPART2(広報インターン記事)

JBMAユニファイドラン開催 参加者笑顔で走りきる!!
鮮やかな黄色に染まった銀杏並木の下、走者たちが汗を流した。12月8日、第37回神宮外苑チャレンジフェスティバルJBMAユニファイドランが明治神宮野球場及び神宮外苑周回道路で行われた。日本ブラインドマラソン協会(JBMA)が主催するため、視覚障がい者が参加しやすい大会であるのが特徴だ。視覚障がい者の部、知的障がい者の部、一般の部でそれぞれ5kmウォーク、5kmマラソン、10kmマラソンが行われた。ゲスト走者としてはアテネ五輪女子マラソン日本代表の坂本直子さん、2019年のドーハ世界陸上50km競歩金メダリストの鈴木雄介、アトランタパラリンピック金メダリストの柳川春己さん、20年の東京パラリンピック出場内定選手の堀越信司、ヘルシンキ世界陸上マラソン代表の原由美子さんが参加した。
 

写真1 ゲストランナーの坂本直子さんに励まされ、笑顔をみせる走者
 
最高気温13℃と走りやすい気候と大勢の沿道の方々の応援がランナーの背中を押した。大会後は伴走教室が行われ、参加者らが実際に伴走者の実習を行い、ブラインドマラソンを体験した。
 
写真2:鮮やかな銀杏並木の下大会は行われた

村上 10kmマラソン優勝!! “拓也”コンビで難コースを乗り切る!!
 「優勝できたことは嬉しかった」と村上拓也(36)は笑顔をみせた。「10km視覚障がいの部男子39歳以下伴走あり」の部門で村上は1位でゴールテープを切った。伴走者の阿部拓也(48)のサポートもあり、見事栄冠を勝ち取った。伴走者の阿部は「声をかけてサポートできた」と振り返った。
村上が競技を始めたのは2年前。イベントでブラインドマラソン協会の職員に声をかけられたことがきっかけだった。練習で磨きをかけたスピードある走りで大会を制した。
ただ、決して村上に満足の表情はなかった。「本当は42分を切りたかった」。43分49秒に悔しさをみせた。今大会のコースは周回であるため、カーブやターンが多い。記録を出すのが難しいコースだ。「前回大会はターンの時に転んでしまった。今大会は転ばなくてよかった」と阿部もこのコースの難しさを語った。
目標は24年のパリパラリンピック出場だ。課題は「スタミナ強化」と村上は分析した。「フルマラソンでは後半ペースが落ちてしまう。まだまだ不十分」と今後さらなる強化を目指す。次に出場する大会は2020年2月の延岡西日本マラソンの予定だ。村上は「パリパラリンピックに出られるように日本代表にまずは入れるように」と意気込んだ。阿部は「僕一人じゃ日常的に練習することは難しい。いろんな人に声をかけて、村上さんをサポートして、一体感を持ってチーム作りをやっていきたい」と力を込めた。“拓也”コンビが進化した走りでさらなる高みを目指す。
 
写真3 「10km視覚障がいの部男子39歳以下伴走あり」で優勝した村上(右)と伴走者の阿部
 
ブラインドマラソンが人生を変えた 北牧 苦難乗り越え優勝!!
「10km視覚障がいの部女子40・50歳代伴走あり」で北牧希羊子(46)が53分02秒で優勝した。前回大会は故障のため出場できなかったが、見事今大会で栄光を勝ち取った。「優勝できたことは素直にうれしいし、光栄です」と語った。
ただ、記録には「納得していない」と話す。「本当は50分を切りたかった。このレースは走りやすいと思っていたが、想像とは少し違った」と振り返った。スタートの神宮球場には多くのランナーがコースを埋め、なかなかスタートから前に出ることができなかった。その遅れが記録に影響した。伴走者の杉山隆(59)は「ちょっとスタートが狭くて、前に出られなかった」と悔しさをみせた一方、「中盤の粘り強い走りは素晴らしかった」と褒めたたえた。
競技を始めたきっかけは大切な存在との突然の別れだった。北牧の祖母、姉、さらに「息子のような存在」と語るペットが1年のうちに相次いで他界した。つらい出来事が続き「正直、死のうと思った時期もあった」と涙を流した。だが、「それじゃいけない」と奮起し、走り始めた。運動が苦手な北牧は健康を手に入れるだけでなく、ブラインドマラソンが人生の支えになっている。
杉山とペアを組んで8年。お互いに言いたいことを言い合える関係になるまでの絆が生まれた。「尊敬も期待も信頼もしている」と北牧が語れば、杉山も「本当に粘り強い選手です。性別の違いはあるがレースの運びは本当にお手本にしている」と北牧をリスペクトする。
北牧は今後の目標に具体的な大会を述べることはなかった。「普段走ることを許してくれている家族、練習や試合に付き合ってくれる伴走者の人たちなど、支えてもらっている人たちに報いる走りをしたい。がっかりさせないように喜んでもらいたい。そのためにいつもベストをつくしていきたい」と北牧は力強く語った。
 

写真4:表彰式で北牧(右から4人目)と伴走者の杉山(右から3人目)は笑顔を見せる
 
JBMA主催ならでは!! 大会を支える人々たち
大いに盛り上がった今大会だが、視覚障がいの参加者に寄り添った姿勢がみられた。ゴール付近には記録証に点字を打つブースがあった。日本点字図書館の職員たちが協力し、手際よくかつ正確に点字を打ち込んでいた。「記録証」、「名前」、「種目」、「順位」、「記録」の5種目に点字を入れる。日本点字図書館の元職員の小野俊己さんによると第3回大会から点字を打つサービスを始めたという。重要なのは間違えがないようにすること。まず、名前の読みを確認し点字を入れ、さらに入れ終わったあとも、参加者に確認してもらうのだ。点字を入れていた日本点字図書館庶務課の片桐麻優さんは「記録証は一個しかないので、限られた時間内で、間違えないよう仕事をしなければならないところが気を遣いますね」と語る。走った証を肌で感じることができる点字。だが、小野さんは「近年点字の利用者が減ってきている」と語る。点字の習得には1から2年かかることや、音声により本を読める機能やパソコンの音声機能などの普及などが点字利用者の減少の理由だという。点字普及のためにも小野さんは「点字を学べる場がより身近にあるように増えてほしい」と願った。日本点字図書館は視覚障がい者が社会で自立できるように様々な情報、サービスを提供している。これからも点字を通してブラインドマラソン、視覚障がい者を支えていく。
 

写真5 記録証に点字を入れていくスタッフの方々
 
さらにJBMA主催ならではの取り組みはレース後にもあった。全てのレースが終了した後、伴走者研修が行われた。実際にアイマスクを着用し、階段を昇り降りする人をサポートする体験や、伴走体験が実施された。一般の部で5kmマラソンに参加後、伴走者研修に参加した高淑釧(こう・しゅくせん、49)さんは「選手を引っ張るのではなく合わせるというのが大事ということを聞けて良かった」と充実した表情を浮かべた。
高さんが印象に残ったのは、実際に視覚障がいの選手と走った際に言われたことだった。走った場所は神宮球場のグラウンドで、特に障害物もカーブもなく、平坦な道だった。高さんは何も選手に伝えずに走らなかった。だが、選手は高さんに「障害物ないですよね?」と声をかけた。高さんは「見えないから心配なんだという理解が足りなかった。『障害物ないですよ』とか『まっすぐ行きましょう』とか言えばよかった。自分が何もないから大丈夫と思っても、本人は心配。そういう気づかいが足りなかったと思った」とハッとさせられた。
ただ選手を走らせる、歩かせるのではなく、安心させることが大事という講師からの話に、参加者らは真剣な表情で耳を傾けていた。
 

伴走体験をする高さん(右)
 
取材後記
記者は今まで北海道マラソン等、記録や順位が重要視される大会を取材してきた。だが、今大会は『ユニファイドラン』とうたわれているように、「走ることを楽しむ」ことに重点が置かれたようだった。また、JBMAが主催する大会とあり、レース後は伴走者研修が行われたことや、記録証に点字を入れるブースがあるなど、視覚障がい者の選手に優しい大会だった。
だが、伴走者研修の参加人数が数十人程度ということだったという寂しい風景も見た。一般の部に参加した選手たちはレースが終わると、そのまま帰路につく人が多かった。「平坦で安全な道でも声をかけてもらわなければ、視覚障がいの方々は不安なんだ」という高さんの学びは記者も大変参考になった。
次大会は今大会よりさらに多くの人が研修に参加する。そんな光景が広がっていることを願ってやまない。
 
講師の指導を聞く伴走研修参加者たち
 
記事・写真 法政大学 藤原陸人
 

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