このたび、日本財団パラリンピックサポートセンターの協力を得て、早稲田大学のスポーツ新聞会の学生の皆さんに協会活動の広報に協力いただく、広報インターンがスタートいたしました。
記念すべき第1回目は6月5日(日曜)に行われたJBMA主催の代々木公園練習会を取材していただきました。
6月5日、東京の梅雨入り発表をよそにタイミング良く雨が止んだ代々木公園で、月に一度の日本盲人マラソン協会(JBMA)主催、定期練習会が開かれた。この練習会では毎回、伴走経験がない参加者を対象に「伴走者養成研修会」も行われている。都内の大会開催や不安定な天候の影響もあって普段より人数は少なかったものの、初参加者10名を含めブラインドランナー、伴走者合わせて約70名が参加。その中には大学生も混じる。早稲田大学競技スポーツセンターが架け橋となり、毎回いずれかの体育会部活所属の部員がボランティアとして参加していると言い、今回は早稲田大学フェンシング部、ボクシング部の学生が参加。周囲とのコミュニケーションを楽しみながら汗を流した。
練習会は、JBMAから参加者に向けたイベントや練習会の告知、初参加者の自己紹介などが行われる全体ミーティングからスタート。ミーティングが終わると全参加者が円になり、スタッフの指導の下、音楽に合わせてストレッチを行う。このストレッチは視覚障がいの方にも声だけで動きが伝わるように、ひとつひとつの動作が丁寧に説明されるのが特徴だ。
早稲田スポーツ新聞会提供
ウォーミングアップが済むといよいよランニングへ。ベテランのブラインドランナーや、伴走経験者はペースやランニングの目的が合うパートナーとのマッチングの後、それぞれ走り出す。並行して伴走を初めて体験する参加者への「伴走者養成研修会」も開始。JBMAスタッフから視覚障がいに関する基本的な知識や、ランナーに周囲の情報を伝える際の注意点、走り方などを学んだ。実践練習では初めての経験だけに、「曲がるタイミングや凹凸を声に出して知らせながら走るのは難しかった」と初めは恐る恐る走っていた参加者。それでも「ブラインドランナーの方が気さくで優しく、たくさん声をかけてくれて楽しく走れた」と走りながらのコミュニケーションを通じて徐々に感覚をつかんでいったようで、最後は笑顔で体験を終えた。
早稲田スポーツ新聞会提供
「伴走者がいると日曜日に玄関を開ける勇気を持てる」、「走る機会があればやりたいと思うすべての人が一歩を踏み出せるようになればいい」。視覚障がいランナーのこういった言葉はとても印象的だった。また、何度もこの練習会に足を運んでいる伴走者は「速く走りたい人ばかりではなく、ゆっくり走ったり、歩いたりしたい人もいる。盲人マラソンを競技だけとして考えるのではなく、近くで一緒に楽しめるということを知ってほしい」と普及への思いを述べた。
勇気を出して外に出る一歩と、身近に感じて歩み寄る一歩。たった二歩で世界は何倍にも広がっていく。この練習会はそのスタートラインであり、その先へと続いていく道だ。一人でも多くの人が初めの一歩を踏み出すために、そしてここから走り出せるように。門はいつでも開かれている。
早稲田スポーツ新聞会 太田 萌枝
JBMAでは毎月第一日曜日に代々木練習会を開催しています。お気軽にご参加ください。
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