<レース後の囲み取材より>
Q今回のレースで意識したことは
Aトラックレースだと、何回もコーナリングがありそのたびにロスが生じてそれを戻すということが今まで多かったのでそのロスをなくすことを考えていました。
Qリオパラリンピックが終わってトラックとマラソンの位置づけはどうなりましたか
Aことしはスピード強化に重点を置いています。リオでスタートラインに立った時に、トラックでタイムを持っている選手がたくさんいて、スタートラインに立った時点で私負けていると思ってしまった自分がいたんです。そこを少しでも払しょくしたいと思い、苦手意識を克服したくて、そう決めました。
Qでは今日のレースは弾みになりましたか
A一応日本記録は更新したので、次は18分台で走れるようにしたいです。今シーズンが終わるころにはもっと良いタイムを出せているようにしたいですね。
Q東京大会はマラソンで狙うのでしょうか
Aマラソンで狙いたいです。たぶん種目に選出されると思うので、出場できれば金メダルを目指していきたいです。
Qリオの結果は達成感と悔しさどちらが大きいですか
Aだいぶ圧倒的な差をつけられてしまったので、悔しいのですが自分に足りない部分がまだまだあることを知ったのでしょうがないかなと思ったりもします。その穴を埋めていきたいです。
Qこれから東京まではトラック練習に力を入れていくのですか
Aトラック練習に力を入れますが、最後の1年はほとんどマラソン練習になると思います。それまではトラックを交えながら、冬場はマラソンという感じですかね。
カーブのコーナリングは練習をしないと感覚を忘れてしまうんですよ。
写真 力走する道下選手と伴走者の北村さん
<個別取材>
Q今日の調子はいかがでしたか
A朝良い感じで走れて、今日は普通に行けるな、ただ暑いなと思いました。
Q今日は日本記録を狙ってのレースだったのでしょうか
A日本記録というか本当は18分台を目指して走っていました。でも途中3000メートルを過ぎたころに(18分台は)厳しいかなと思って。でもとりあえず粘ろうと思って走りました。
Q暑さの影響はありましたか
Aちょっとのどが渇いてはいました。でもまだまだ夏場に比べたら全然なので、ここで(日本記録を)出さないと絶対に出ないなと思っていました。
Q日本記録更新について
A実は2年前に目指して走ったときがあったのですが、クリアできなくて。その時からトラックに対して苦手意識があったのでそれを払しょくしたいなと思っていました。そのために序盤わざと少し遅めに入って無難に日本記録を塗り替えたいという思いと、18分台いけたらいいなと。
Q会社の方(所属先の三井住友海上)がたくさん応援にいらしていましたが、力になりましたか
Aそうですね。知らない土地でもこうやって応援に来ていただけるというのは、大きい会社に入った特権でもあると思うので、本当にうれしいですね。毎周励みになっています。あそこで格好悪い走りはできないと思って(笑)。
Q良かった点を具体的に挙げるとしたら何でしょうか
A3000メートルくらいで嫌なイメージが出てきたのですが、「大丈夫、私はまだいける」と思い直しました。その辺りで(ラップタイムが)1秒だけ落ちたんですよね。92秒でずっといこうという話をしていたのが93秒が2回あったんです。でもそこから巻き返して91秒に戻せたので、上手くまとめられたにはまとめられたかなと思います。でも、あそこで93秒に落ちたのが弱さでもあったかなと。最後のラップはわからないのですが、最後少し上げられたと思うので、その93秒に落ちた点がなければイメージ通りの走りはできたかなと思います。
Qでは今後の目標を教えてください
A大きな目標は2020年のパラリンピックで、マラソンで金メダルと獲ることですね。今年は5000メートルで18分45秒はいきたいと思っています。
インタビュー/写真 早稲田大学スポーツ新聞会 太田 萌枝