連日真夏日が続く東京から遥か1000キロ。打って変わって12℃程度のひんやりとした空気に覆われた北海道・網走の地で、ホクレンディスタンスチャレンジ第一戦となる網走大会が開催された。昨年から設けられたブラインドのレースにはT11~13クラスの男子5名、女子3名が出場。時折雨がぱらつくものの、悪くないコンディションで迎えた今大会では好記録の期待も膨らんでいた。
14時55分にスタートしたブラインド男子5000m。T11クラス、T12クラスでそれぞれ日本のトップを走り続けている和田伸也選手(長居WIND)、堀越信司選手(NTT西日本)をはじめ5名がスタートラインに立った。ペースメーカーについて飛び出し、1000mを3分4秒で通過した堀越選手を先頭にレースは進む。後ろには8秒差で和田選手と、若手の成長株である唐澤剣也選手(T11、JBMA)、高井俊治選手(T13、瓦町ぎおん温泉)が、そこからさらに8秒差で谷口真大選手(T11、JBMA)が続いた。
その後伴走者に声をかけながら徐々にペースアップしていった和田選手は集団から抜け出し、単独2位に浮上。スタート直後から腰に張りを感じ、思うような走りができていなかったという堀越選手との差を詰めていく。3400m付近で追いつくと、並走することなく一気に前へ。自身が持つ日本記録の更新にも期待がかかった。
ゴール直前に伴走者との連携ミスで立ち止まるアクシデントもあり、15分57秒43でフィニッシュ。自己新とはならなかったが目標に掲げていた16分切りを達成し、トップで大会を終えた。力を出し切ることができなかった堀越選手が16分15秒93で2着。「この後の距離走で修正し、北見大会に備えたい」と次戦への意気込みを語った。
15時20分スタートの女子5000mには、昨年末にマラソンで世界記録を更新した道下美里選手(三井住友海上)らT12クラスの3名が出場。各々の目標タイム達成へスタートを切った。19分20秒を目標に据えた道下選手は1000mあたり3分55秒前後のラップを刻み続け、安定した走りを見せる。目標には及ばなかったが、終始ペースを崩さず19分27秒38でフィニッシュ。3日後に控える北見大会ではさらに調子を上げてくるか。注目が集まる。
ともに21分前後の記録を狙った青木洋子選手(NTTクラリティ)と西島美保子選手(JBMA)はそれぞれ4分9秒、4分11秒で1000mを通過した。動きがあったのは3600mを過ぎたころ。
れまで青木選手の後方についていた西島選手が前へ出た。そこからの1周で2人の距離は20mほどに開いていく。そのまま西島選手がリードを保ち、21分4秒91でゴール。10秒後に青木選手がフィニッシュし、レースを終えた。
れまで青木選手の後方についていた西島選手が前へ出た。そこからの1周で2人の距離は20mほどに開いていく。そのまま西島選手がリードを保ち、21分4秒91でゴール。10秒後に青木選手がフィニッシュし、レースを終えた。
7月3日~10日の間行われている強化合宿の中に組み込まれた今大会。好記録が期待されていたものの、予想よりも下がった気温や強まった風の影響もあり、思うような結果を残すことはできなかった。しかし各選手、また伴走者ともにレースでの課題は分析済み。翌日に行われた距離走の疲労の影響も考えられるが、7日の北見大会ではきっと課題を修正した姿を見せてくれるだろう。雨にも負けず、風にも負けず。選手たちは強くなり続ける。
文章・写真 太田萌枝(早稲田大学)