11月4日、気持ちのいい快晴が広がる大阪長居で「第22回 全国視覚障がい者駅伝大会」は開催された。
スタート前の準備時間に会ったのはナンバーカード24、アリマーズの2区山本さんと、伴走者の岸さんだ。2人は練習会で出会い、一緒に練習を重ね今大会に出場していた。
マラソンは個人競技だが、ブラインドマラソンは伴走者と2人で走るチームスポーツである。
「1人だと諦めてしまうときも、2人で走ることによって力が2倍になり、しんどい時に踏ん張れます。楽しく走りきることが目標です。」と山本さんは笑顔で語ってくれた。
写真1:アリマーズ2区の山本選手(左)と伴走者の渡辺さん。
いよいよ大会がスタート。ゲストランナーに中山竹通さん、増田明美さん、栁川春己さん、竹澤健介さんを迎え、共に走る場面も見られた。
この大会にはスタッフも欠かせない。周回コースの中間付近には給水所が設けられた。ブラインドランナーと伴走者、2人に水を渡し、「頑張ってください」と声をかける姿は一緒に大会を作っているのだという印象を受けた。
写真2:給水対応。スタッフも参加者の一人!
視覚障がいの部の優勝チームは、ナンバーカード22コーベパールだった。アンカーの今井さんは「去年は最後に自分が抜かれてしまい2位だったためとても悔しかった。今年は1位で渡ったタスキを優勝という形でゴールへ持っていけたことが嬉しい。」と語った。コーベパールの1区、谷口選手はJBMA強化選手にも選ばれている。いつもは個人で戦っている選手がタスキを繋ぎ、チームで喜び合う。駅伝大会ならではの笑顔が見られた瞬間だった。
写真3:優勝したコーベパールの皆さん
スタート前に取材したアリマーズは、27位という結果だった。しかしアンカーまでタスキをつなぎ、増田さんと共に笑顔でゴール。目標を達成した。
写真4 アリマーズのフィニッシュ
今大会、印象に残ったものは『笑顔』である。走っている途中もカメラを向けると笑顔で手を振る選手、走りきったあとの笑顔も眩しかった。大会の目標に、1位を目指すことだけではなく、笑顔で走ることや完走をあげたチームも多く、終始明るい雰囲気の大会であった。
写真5、6、7:多くの笑顔と共に
記事・写真 長崎 花奈子 Kanako Nagasaki