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神宮外苑チャレンジフェスティバル:大会結果【単独走】

10km視覚障がい者男子39歳以下【単独走】
順位、記録、No、選手氏名、選手フリガナの順番
1 36分52秒 203 勝丸 真至 カツマル マサシ
2 48分03秒 201 常松 泰弘 ツネマツ ヤスヒロ
3 54分11秒 204 川井 亮太朗 カワイ リョウタロウ
4 54分11秒 205 西島 歩 ニシジマ アユム

10km視覚障がい者男子40歳代【単独走】
1 38分04秒 213 南 宙史 ミナミ ヒロシ
2 43分39秒 212 小川 広記 オガワ ヒロキ
3 48分00秒 214 吉田 英世 ヨシダ ヒデヨ
4 51分19秒 211 小林 邦一 コバヤシ クニカズ
5 56分31秒 141 伊藤 博正 イトウ ヒロマサ

10km視覚障がい者男子50歳以上【単独走】
1 45分49秒 224 大日方 真二 オビナタ シンジ
2 52分36秒 228 飯沼 和踟 イイヌマ カズジ
3 54分01秒 223 兼目 忍 ケンモク シノブ
4 57分23秒 227 斉藤 哲雄 サイトウ テツオ
5 1時間05分15秒 225 谷口 久光 タニグチ ヒサミツ

女子の単独走選手の参加はありませんでした。

神宮外苑チャレンジフェスティバル:大会結果【男子伴走あり】

10km視覚障がい者男子39歳以下【伴走あり】
順位、記録、No、選手氏名、選手フリガナ、伴走者氏名の順番
1 44分52秒 301 三上 直人 ミカミ ナオト/長澤 豊
2 49分34秒 107 青沼 城太郎 アオヌマ ジョウタロウ/立花 裕之
3 55分58秒 102 渡辺 一興 ワタナベ カズオキ/笠原 邦夫
4 57分19秒 106 鈴木 龍弥 スズキ タツミ/吉岡 隆朗
5 1時間00分52秒 104 村上 拓也 ムラカミ タクヤ/長田 晃
6 1時間02分26秒 202 大高 翼 オオタカ ツバサ
7 1時間09分33秒 103 坂入 健治 サカイリ ケンジ/しのざき としこ
8 1時間10分51秒 101 平山 貴朗 ヒラヤマ タカオ/山本 友美
9 1時間16分57秒 105 佐藤 駿介 サトウ シュンスケ/真継 一寿

10km視覚障がい者男子40歳代【伴走あり】
1 36分40秒 132 池永 敦 イケナガ アツシ/大谷 秀樹
2 37分01秒 131 加治佐 博昭 カジサ ヒロアキ/石川 裕久
3 39分19秒 138 駒崎 広幸 コマザキ ヒロユキ/鈴木 健
4 44分45秒 135 田中 慎児 タナカ シンジ/土屋 祐太
5 56分09秒 137 反町 幸史 ソリマチ コウジ/渡貫 責史
6 58分08秒 133 岩本 謙司 イワモト ケンジ/国分 二朗
7 1時間06分43秒 136 杉崎 真弘 スギザキ マサヒロ/水本 圭一
8 1時間11分10秒 134 江端 正紀 エバタ マサキ/川口 潔

写真:左から40歳代の部で優勝の池永さんと伴走の大谷さん

10km視覚障がい者男子50歳以上【伴走あり】
1 37分57秒 153 高橋 勇市 タカハシ ユウイチ/宇部 達
2 43分01秒 160 菊島 昌保 キクシマ マサヤス/久保 光法
3 45分37秒 165 小野寺 正 オノデラ タダシ/瀬田 曜一
4 46分03秒 154 八木 陽平 ヤギ ヨウヘイ/山崎 倫明
5 46分45秒 152 保科 清 ホシナ キヨシ/篠原 芳紀
6 47分13秒 155 小堀 清房 コボリ キヨフサ/吉澤 達也
7 47分34秒 159 会沢 勝 アイザワ マサル/水場 勲
8 51分59秒 169 浜田 幸一 ハマダ コウイチ/中司 文典
9 53分29秒 158 茅場 達 カヤバ トオル/岩下 悦子
10 54分35秒 166 菊池 正光 キクチ マサミツ/安田 亘
11 56分51秒 161 鈴木 義美 スズキ ヨシミ/平野 友善
12 58分34秒 156 江連 叶栄 エヅレ カノエイ/村上 英一郎
13 59分18秒 157 大堀 亨 オオホリ トオル/山川 智美
14 59分20秒 151 藤崎 義彦 フジサキ ヨシヒコ/沖本 武
15 1時間05分49秒 226 新津 功 ニイツ イサオ/佐藤 俊夫
16 1時間10分38秒 170 山口 和彦 ヤマグチ カズヒコ/斎藤 輝美
17 1時間17分38秒 163 狩野 昇 カノウ ノボル/吉田 安輝
18 1時間19分27秒 167 岩井 正孝 イワイ マサタカ/山下 紀久子
19 1時間31分14秒 164 衞藤 秀男 エトウ ヒデオ/萱橋 ふみ子

第71回福岡国際マラソン:大会結果

大迫 傑選手が日本歴代5位となる2時間7分19秒の好タイムをマークして盛り上がりを見せた福岡国際マラソンに3名のブラインドランナーがエントリーしていましたが、明暗分かれる結果となりました。
 
リザルトは以下となります。
熊谷 豊 2時間27分35秒 66位 自己新
岡村 正広 DNF(35キロ関門にて途中棄権)
和田 伸也 DNS(体調不良により欠場)
 
結果の詳細は大会HPをご覧ください。こちら
 
ご声援、ありがとうございました。
 

第71回福岡国際マラソン:エントリー選手

2020年東京オリンピックのマラソン日本代表候補を決める「マラソングランドチャンピオンレース」の対象レースでもある福岡国際マラソンが12月3日(日曜)福岡市にて開催されます。
今大会には3名のブラインドランナーが東京パラリンピックへ続く過程の一つとして参加します。
 
ナンバー、氏名、クラス、JBMAの強化選手紹介ページへのリンク先の順です。
205 岡村 正広 T12 岡村選手
303 熊谷 豊  T12 熊谷選手
323 和田 伸也 T11 和田選手
 
多くのエリートランナーが集う、国内有数の大会の中でどのような走りを見せてくれるのか、非常に楽しみです。
それぞれの挑戦に熱いご声援をお願いします。
 
大会HPはこちら
レースの模様は12月3日正午よりテレビ朝日系列にて生中継されます。
川内 優輝選手や大迫 傑選手など、日本を代表する選手の走りにも注目です。

 

小学館 ビッグコミック連載中『ましろ日』:第2集発売「唯一無二!伴走マラソン漫画!!」

現代の広島を舞台に苦難を抱える人々の絶望と奮闘、
希望を描く骨太ヒューマンドラマ!!
 「いま突然失明したら生きていけるのかと考えさせられた」
「人間も捨てたもんじゃないと感じさせてくれる」
――「“幸せとは何か”について、人を刺す物語」と大反響!
静かな共感を呼ぶ人間ドラマが、いよいよ加速し始める。


人と人――綺麗事ではない真実の物語。

「助ける / 助けられる」ではなく、
テニスや卓球のダブルスのような感覚のスポーツ。
だから、伴走マラソンには、
視覚障害者と晴眼者の星の数ほどの
人間ドラマがある。

以上、内容紹介からの抜粋。

まだ「ましろ日」をご存じでない方はこちらのビックコミックBROS.netから第1話をご覧いただけます。

ぜひご一読ください。

東京2020パラリンピック:開催1000日前

11月29日(水)は、東京2020パラリンピックの開催1000日前の節目となります。

1000日後、いよいよ東京でパラリンピックが開幕します。

どのような大会になるのか、想像するとワクワクします。
参加する選手、支える伴走者、応援する方々、全員にとって心に残る大会になることを期待しています。

関わる方々が笑顔で迎えることができますように。

絆と共に東京パラで活躍することを目指してがんばっていきます。

写真は、先日行われた強化合宿に参加の女子選手とガイドの皆さんです。

第27回福知山マラソン:フォトギャラリー

11月23日に開催された福知山マラソンの様子を写真にて紹介します。

まもなくスタート。ブランドランナーは進行方向右側に整列してのスタート。

男子T13クラス優勝の塩川選手。

T11クラス優勝の大久保選手。

T11クラスで第2位の安藤選手。

T11クラス第4位の山本選手。

T11クラスで第3位の長井選手。

男子T11クラスの表彰式。左から伴走の庄司さん、大久保選手、伴走の近藤さん。

女子T11クラス優勝の青竹さん。

女子T11クラス第2位の藤原さん。

女子T11クラスの表彰。左から伴走の小原さん、青竹選手、伴走の尾幡さん。

T12男子クラスの表彰式。左から平山選手と伴走の曽我部さん。

男子T12クラス第2位の福永さん

T12女子クラス優勝の和木さん。

 

 T12男子クラス優勝の平山さん。

T12女子の表彰式。左から伴走の石原さん、和木選手、伴走の庄司さん。

 

男子T13クラスの表彰式。塩川選手と鈴木邦雄理事。

参加された皆さん、お疲れ様でした!来年もお会いできることを楽しみにしています!

第7回大阪マラソン:堀越信司(ホリコシ タダシ) 選手 大会結果

11月26日、第7回大阪マラソンが行われ、堀越信司選手が招待選手として参加しました。
結果は2時間28分25秒で13位と目標の2時間30分切りを達成しました。
2018年シーズンの活躍が期待されます。ご声援ありがとうございました。
 
堀越選手の詳細結果は大阪マラソンHPをご確認ください。こちら
フィニッシュや定点の動画も閲覧することができます。

なお、今大会はIPC公認大会ではありませんので、IPC世界ランキングへの反映はありません。

第7回大阪マラソン:招待選手 堀越信司(ホリコシ タダシ) 選手

11月26日に開催される第7回大阪マラソンにリオパラリンピック男子T12/11マラソンで4位に入賞した、強化指定選手の堀越信司選手(NTT西日本)が招待選手と参加いたします。
4月に行われたWPA Marathon World Cupにて銅メダルを獲得しましたが、痛めていた部位がさらに悪化し苦しいシーズンとなりましたが順調に回復してきました。
大阪マラソンでの走りにご期待ください。

大阪マラソン概要
大会名:第7回大阪マラソン ~OSAKA MARATHON 2017~
開催日時:11月26日(日曜)
スタート時間:9時
コース:大阪城公園前をスタートし、インテックス大阪前をフィニッシュとする大阪マラソンコース

大阪マラソンの大会HPはこちら

所属するNTT西日本陸上競技部の堀越選手特集ページはこちら

第27回福知山マラソン:結果速報

 

男子T11クラス

順位 記録 ゼッケン 氏名 カナ 県名 伴走者1 伴走者2
1 3:16:36 3006 大久保孝之 オオクボ タカユキ 大阪府 庄司 彰義 近藤 良行
2 3:38:18 3009 安藤 隆晴 アンドウ タカハル 兵庫県 臼井 利明  
3 3:41:46 3011 長井 敬二 ナガイ ケイジ 大阪府 南 典孝  
4 4:11:00 3003 山本 宗平 ヤマモト ソウヘイ 大阪府 小峰 誠  
5 4:29:04 3008 福岡 弘幸 フクオカ ヒロユキ 福井県 中川 浩 薮上 清和
6 4:47:17 3014 中島 徹 ナカジマ トオル 京都府 渡辺 孝司  
7 4:47:58 3019 三好 力 ミヨシ チカラ 大阪府 二俣 仁  
8 5:04:13 3022 戸井 雄一 トイ ユウイチ 大阪府 佐藤 高国  
9 5:34:49 3015 北井 清次 キタイ キヨツグ 大阪府 高橋 誠  
10 5:44:39 3021 小橋 昭夫 コバシ アキオ 福井県 東度 春美 中川 浩
11 5:57:26 3018 柳川 春己 ヤナガワ ハルミ 佐賀県 大槻 正輝  

男子T12クラス

順位 記録 ゼッケン 氏名 カナ 県名 伴走者1 伴走者2
1 3:14:32 3002 平山健太郎 ヒラヤマ ケンタロウ 京都府 曽我部拓磨  
2 3:30:51 3007 福永 智洋 フクナガ トモヒロ 大阪府 脇家 崇夫 喜多 法星
3 3:47:00 3016 小林 浩二 コバヤシ コウジ 兵庫県 大崎 智弘 江口 譲典
4 3:53:16 3013 福場 秀和 フクバヒデカズ 大阪府    
5 5:51:36 3017 藤浦 福巳 フジウラ フクミ 兵庫県 来住 政典  
6 DNF 3012 三木 省三 ミキ ショウゾウ 京都府 細谷 典功  

男子T13クラス

順位 記録 ゼッケン 氏名 カナ 県名    
1 3:04:27 3004 塩川 昭彦 シオカワ アキヒコ 長野県    

女子T11クラス

順位 記録 ゼッケン 氏名 カナ 県名 伴走者1 伴走者2
1 4:04:34 4002 青竹レイ子 アオタケ レイコ 福井県 尾幡 正子 小原 康之
2 4:10:40 4003 藤原 由子 フジワラ ユウコ 大阪府 保東奈穂美  

女子T12クラス

順位 記録 ゼッケン 氏名 カナ 県名 伴走者1 伴走者2
1 4:11:30 4001 和木茉奈海 ワキ マナミ 大阪府 石原 栄子 庄司 彰義
2 4:28:10 4004 西村 千香 ニシムラ チカ 大阪府 寺本 桂子 島田有美子
3 5:30:27 4005 中田 鈴子 ナカタ スズコ 京都府 西瀧さとみ  

この記録は速報記録です。正式記録は大会HPの発表をご確認ください。

第27回福知山マラソン:結果速報サイト

11月23日(木曜)第27回福知山マラソンが開催されます。

大会の結果速報はランナーズのアップデートから確認できます。こちら

スタート時間は10時30分です。

検索には選手のナンバーが必要となります。ナンバーと氏名は以下となります。

男子
3001 望月 健太郎
3002 平山 健太郎
3003 山本 宗平
3004 塩川 昭彦
3006 大久保 孝之
3007 福永 智洋
3008 福岡 弘幸
3009 安藤 隆晴
3010 三村 晃慶
3011 長井 敬二
3012 三木 省三
3013 福場 秀和
3014 中島 徹
3015 北井 清次
3016 小林 浩二
3017 藤浦 福巳
3018 柳川 春己
3019 三好 力
3020 小玉 正信
3021 小橋 昭夫
3022 戸井 雄一
女子    
4001 和木 茉奈海
4002 青竹 レイ子
4003 藤原 由子
4004 西村 千香
4005 中田 鈴子

大会前日の22日には10名の方に参加いただき、伴走サポーター講習会が行われました。

1996年アトランタパラリンピックの金メダリストの柳川 春己さんと伴走者の安田 享平さんによるデモンストレーションも行われました。

見事な走りに、参加者の皆さんから感嘆の声が上がっていました!

福知山マラソン参加者への応援、よろしくお願いします。

伴走ボランティア対談:早稲田大学(広報インターン記事)

毎週日曜日(第1週目:日本ブラインドマラソン協会、第2、 4週目:アキレスインターナショナル、 第3週目:東京視覚障害者ランニングクラブ)、早大体育各部に所属する学生が代々木公園で汗を流していることを知っているだろうか。早稲田大学競技スポーツセンターが、文武両道を体現する学生アスリートの育成のために行っているWAP(早稲田アスリートプログラム)。その一環として視覚障がい者ランナーの伴走ボランティアに取り組んでいるのだ。2014年度から始まったこの活動は年々広がりをみせており、2016年度には全44部活のうち、27部からのべ420名の部員が参加するまでになった。スポーツを通して視覚障がいのある方と交流する。その中で何を感じ、何を学んだのか。精力的に活動に参加している、柴崎祐希さん(剣道部女子主務)、鈴木皐平さん(競走部主務)、麓安都美さん(女子ラクロス部副務)、土田大輔さん(ボクシング部)の4名にお話をうかがった。
写真:対談に参加いただいた4名の学生の皆さん
 
―皆さんは何回ほど伴走ボランティアに参加されていますか
柴崎 私は複数回参加していますね。回数はあまり数えていないので自分でもあんまり把握できていないんですけど、二桁です。初めて参加したのは2年生か3年生で、一つ上の先輩に声をかけていただいたのがきっかけで、それからはちょこちょこ参加させていただいています。
  私は伴走ボランティア自体はまだ2回しか参加してことがなくて。きっかけは授業でボランティア論というのを取っていて、ボランティアをしてレポートを書かないといけなかったんですよ。今までこういう活動があるのは知っていたんですけど、部活もあるし、なかなか踏み出す機会とか勇気もなくて。でもそういう機会があったので参加してみたら感動しました。今まで全然自分が関わってきた人とは違う方々に出会えて、これからも行きたいなと思ったのでそこから点字ボランティアとか他のボランティアにも参加するようになりました。
鈴木 僕も回数は2回です。最初に行ったのは1年生の12月くらいです。今はマネージャーなのですが、その時は選手をやっていました。コーチの方が大学職員だったので橋谷田さんから話を受けたのがきっかけで参加しました。2回目は(ことしの)7月くらいです。その時に初めて行ったときにお会いした方が覚えてくれていて、それがすごく嬉しかったなというのがありますね。僕らの場合、競技が一緒なのでこういうかたちで社会貢献というか思いやりの気持ちを持つというか、こういうやり方もあるのかと新しい視点を持つことができました。
土田 僕はいっぱい行っていますね。会員にもなって楽しく参加しています。
 
―この活動に参加するまで、競技について何か知っていることはありましたか
柴崎 私は全く知らなかったです。テレビでちょっと見たことあるかなという程度で。初めて参加したときにそういった方と触れ合って、そこで色々なことを学んだなと思います。
―初めて伴走を体験したときには、率直にどのような感想を持ちましたか
  伴走をする前に、自分が目を閉じて1周走ってみたんですけど、もう怖すぎて。へっぴり腰になってしまいました。目が見えない中生活するというのがいかにすごいことかを知りました。本当にふざけているとかではなくてへっぴり腰になって「無理だよー」ってずっと言ってしまって(笑)。率直にすごいなと思いました。それに加えてわざわざこういう活動に参加される社交性とか活動力もあるという。伴走する側で言うと、私は2回とも走るというよりは一緒にウォーキングすることが多かったんですけど、皆さんは目が見えない分、周りの音とか風とかで情報を感じ取っていることがわかりました。私は普段目からの情報に頼り切っているので、目が見えなくても色々なことが感じ取れるんだなと思ってびっくりしましたね。
柴崎 私が一番難しいなと感じたのは、手や足の振りを合わせなきゃいけないことですね。そこがすごく難しいところで、最初の1周目はなかなか合わないなという部分があって、相手の方も気を遣ってあまり言ってくださらなかったりするんですよね。でも何周かしていくうちに、「息あってきたね」「走りやすいよ」「今のペースいいよ」などと声をかけてもらえるようになって。それで初めて最初は走りにくかったんだろうなというのも感じましたし、こうやって合わせていったらいいんだなというのも体で学びました。
鈴木 僕は競走部ということで、上級者というか競技でやっている方と一緒にやらせてもらうことがあったんですけど、自分が走っていたときのペースより遅いペースなのでそんなにきつくないだろうと思っていました。でも、走りも合わせないといけなくて思っていたよりきつくて。あとは目が見えない中でこのペースで走るというのは難しいことだろうなということを感じました。もう競技が違うというか。でもどの参加者の方々も笑顔でやっているのが印象的でしたね、自分たちは毎日きついきつい言いながら走っているので(笑)。今、自分たちが当たり前のように走れているのは当たり前じゃないんだなという風に思いました。
土田 もうめちゃくちゃ楽しかったです。自分は走るのはあんまり得意じゃないんですけど、皆さんと走ると楽しいなと思うことができました。やっぱり手足を合わせるのは難しかったです。
 
―鈴木さんは競走部ですが、同じランナーとして視覚障がいがある中で走るということについてはどう思われますか
鈴木 恐怖はあると思うんですけど、本当に走ることを楽しみながらやっているなというのが印象的でした。でもその中の根本の部分というか、速くなりたいという部分は特に競技として取り組んでいる方は一緒なのかなという風にも感じましたね。全盲の方の場合目からの情報がない中で本当にきれいなフォームで走られていて、陸上も他のスポーツと一緒で真似から入るというのはあるので、どうやって学んできたのかなというのは率直に思いましたね。
 
―自分なりにつかんだ伴走のコツや、ポイントだと思った点は何かありましたか
柴崎 やっぱり信頼関係がすごく大切というかメインになると思うんですね。走るということよりも、相手との信頼関係が伴走者としては一番ポイントなると思ったので、積極的に挨拶はしますし、声もかけます。何回か行くうちに会話も自然にできるようになってきました。向こうの方は本当に素晴らしい方がたくさんいらっしゃって。例えば世界盲人連合アジア代表を務めている女性でしたり、本当に優秀な方がたくさんいらっしゃるのでそういった方々のお話を聞きつつ、私はこういう人なんですよというのを伝えていくと、最終的に信頼関係を築いていけるのかなと思いました。
  私はマネージャーなのでスポーツマンとかではなくて、走るのが得意なわけじゃないんですけど一緒に歩いたり、ジョグをしたりするときは、なるべく空の色とか周りの情報を言葉にして伝えたいなと思っています。それが正しいことかわからないんですけど、相手の方が目で見えてないことをなるべく伝えてあげたいなと思って意識しています。あとは何メートル先に何があるとか伝えるのも難しいですね。
土田 僕は人としゃべるのがそんなに得意なわけではないんですけど、目が見えていない分言葉でやりとりするしかないので、自分から話しかけられるようになりました。自分も大きく成長できたのでうれしいですね。
鈴木 僕もやっぱり言葉ですかね。初めてやったとき、わからずにぶつかりそうになってしまったことがあって。やっぱり自分がやっていることにすごく責任があるというか、それで事故とかを起こしてしまったらやばいなと思ったので、情報はしっかり伝えよう、しっかりしゃべろうという気持ちになりました。僕もあんまり話すのが得意ではなかったのですが、そこは変わった部分かなと思います。
写真:左から鈴木 皐平(すずき こうへい)さん柴崎 祐希(しばざき ゆき)さん
 
―普段障がいがある方と深くかかわる機会は多くはないと思うのですが、この活動で関わってみて自分の中で変わったことなどはありましたか
柴崎 視覚障がいに特化してお話すると、駅のホームとかでよく白杖を使って一人で歩いている方が結構いますけど、最初は動けるんだとか大丈夫なのかなと思っていました。でもこの活動に参加して、思っている以上に助けを必要としてくださっているというか、こちらからの声かけをありがたく受け取ってくださる、必要なことなんだなと思いました。今までだったら「目が見えないんだな、でも大丈夫そうだな」と思ってしまっていたことも、この活動をしてから「何かお手伝いすることはありますか」と自然と声をかけられるようになりました。声をかけてみて「大丈夫」と言われたら、それはそれで成功といいますか、よかったと思えるので。
  今まで私が出会った視覚障がいの方は堂々としているというか、楽しんでいるなというのが印象的でした。あとは(柴崎さんと)同じなのですが、今まではニュースとかで転落事故が多いというのは耳にしていても、実際に声をかける勇気までは全くなくて。でも、この活動を通して声をかけられるようになりました。でも以前高田馬場の駅で白杖をついている方がいて、すごく混んでいたので今こそ声をかけるべきだと思ったんですけど、少し迷って数分見守っていたんです。でも交差点の横断歩道のところで止まってらしたので困っているのかなと思って声をかけたら、ちょっとそっけなく「大丈夫」と言われてしまいました。逆に他のボランティアでは声をかけずに黙って作業をしていたら、「私は見えないんだから声に出して伝えてくれないとわからない」と少し怒られてしまったこともあります。声をかけるだけじゃなくて、周りの状況とか必要な情報をくみ取って判断しないといけないんだな、難しいなと思いましたね。
鈴木 僕は2人ほど立派ではないんですけど…。伴走ボランティアに参加すると、帰り道一緒に帰らせてもらったりするじゃないですか。そこで普段の生活を聞いたりして、色々な思いをされているんだなということがわかったりだとか、駅とかの点字ブロックとかも普通の人ってあまり気にせずに堂々とふさいでしまったりしていますよね。そういうのを見ると、視覚障がい者の方にとっては本当に大事で必要としている情報なので、思うところはありますね。僕は行動に起こせていないので恥ずかしい限りなんですけど、視点は変わったかなと思いますね。
土田 自分はそんなに色々と考えてはいないんですけど、一緒に走っている人に会いたくて、会いたいなと思って行っているだけなので…。皆さんすごいなと思いました(笑)。伴走に行ってみて、みんなすごくいい人で明るい人だったのですぐに楽しくなりましたね。あと、アキレスという団体の合宿にも行きました。沼津まで行って、一緒に走ったのですが同じ部屋に泊まって、一緒にお風呂に入ったりご飯食べたり、わいわい騒いだり(笑)。楽しかったですね。
 
―他の部員の方とも一緒に練習会に参加されていると思いますが、何か伴走について話をすることはありますか
  そんなにがっつり話し込んだことはないんですけど、「楽しかった、また行きたい!」とみんな言っていますね。
鈴木 そんな感じですね。楽しかったというのはみんな言っています。
 
―皆さんは、選手もしくはマネージャーとしてスポーツに関わっていますが、同じようにスポーツに取り組んでいる障がい者の方についてはどう思われますか
  すごいなと思います。日常生活でも目が見えないで生活するというのは自分にも想像できないですし。50メートル走るだけでもできないのに、自分から日曜日にこういう機会に参加して、同じ障がいの方とか私たち学生に関わろうとする意欲というか。自分が同じ状況に立ったらできないと思うので、すごいなと尊敬しますね。
柴崎 尊敬します、本当に。
鈴木 そうですね、本当に強いなというかすごいなと思います。伴走に行くまでは障がいがあると後ろを向きがちになってしまうと思っていたのですが、皆さん前を向いていてすごいなと思います。
 
―土田さんは実際にレースにも出られたそうですね
土田 そうですね、10キロのレースに出ました。ふれあいマラソンという5月に行われる大会で。楽しく走れました。
―スタート地点は人も多いと思うのですが、怖くなかったですか
土田 そうですね、スタート地点は人がいっぱいいてみんなぶつかりそうになるので、そこは怖かったですね。大会には出たことがなかったので緊張したんですけど、めちゃめちゃ楽しくて、レースって楽しいなと思うきっかけになりました。給水とかも失敗することなくできました。
鈴木 給水って普通の選手でも難しいんですよ。結構ミスすることも多いので、すごいですね。
土田 一回立ち止まってできたので、その点は大丈夫でしたね。レースはやっぱり記録がかかっているので、いつもとは違ったドキドキ感がありました。
 
―この活動をしたことで、競技に生かされていることや内面的な成長を感じられた部分はありますか
柴崎 気遣いや心遣いというのが伴走をする上ではすごく必要なんです。一緒に走る方からも、「これってどうなってる?」とか「お水飲みたいから取ってきて」とか言われることもあるんですけど、私は伴走する前にその人の水筒などを覚えておくようにしています。なので言われる前に持って来られるようにしたり、エイドっていうボランティアの方が食べ物とかを用意してくれている場所に何があるかを伝えたり、「どれ召し上がりたいですか?」と声に出して伝えて一緒に食べたりします。そういう中での相手への気遣いだとか心遣いというのは私生活でも生きるようになってきているのかなと思っています。
鈴木 少しかぶってしまうんですけど、相手の立場に立って考えるというか、そういう部分が僕はマネージャーをやっていく上で本当に大切だと思っているので、より一層そこを考えるようにはなったかなと思います。
  部活生ってどうしても部活一本になってしまうというか。同じような生活をしていて、同じ目標を持っている同じような人たちとしか過ごすことがなくて、土日も練習や大会で障がい者の方と関わらせていただく機会って本当にないと思うんですね。私は大学に入る前も関わらせていただく機会は全くなかったので。もっと他の部員にも広めたいなというのはすごく感じています。みんな部活、バイト、勉強に追われていてしまっているので。もちろんそれも大事だとは思うんですけどね。ラクロス部は120人くらいいるんですけど、みんなで団結して相手を思いやって相手の立場を思いやってやっていかないと、チームとして勝つことは絶対できないと思っています。直接競技に関係するかはわからないですが、そういうボランティアなどを通して、自分と違う立場や違う感じ方の人と関わることによって、ちょっとでも思いやりだったり新しい考え方に触れられれば、チームとしても成長できると思うので、発信していきたいなと思っています。
土田 ボランティアで出会った障がい者の方がみんな試合を見に来てくれるので、やっぱりいいところを見せたくて頑張れているところはあると思います。 一番大きな声で応援してくれるんです。それがすごく嬉しいので、いいところをみせたくて頑張れています。12月の早慶戦も楽しみにしてくれているので、頑張らないとなと思っています。
写真:左から土田 大輔(つちだ だいすけ)さん麓 安都美(ふもと あづみ)さん
 
―ここからはパラスポーツ全体についてうかがいます。これまで見たことがあるパラスポーツは知っていた競技などはありますか
  直接競技を見たことはないんですけど、授業で『マーダーボール』っていうアメリカとカナダの車椅子ラグビーの作品を見ました。入れ墨とかも入れていたり、屈強な上半身だったり、自分の中のパラスポーツのイメージが変わりましたね。日本のパラスポーツはそんなに知らないんですけど、きっと自分が想像しているのとは違うんだろうなと感じました。
鈴木 僕はそこに靴が置いてあるんですけど、(※取材場所には様々なアスリートの靴やサインが飾られていました)芦田さん(創、平28政経卒=現トヨタ自動車)っていう選手が4年生のときに1年生で一緒にやらせていただいていました。いまも拠点が早大なので、つい一昨日も一緒に練習をやってきたんですけど、芦田さんと関わるようになって視点が本当に変わりましたね。本当にアスリートという感じで、みんなと同じような練習もしますし、何ならくすぶっている選手より記録も良かったりしちゃうので(笑)。本当にいちアスリートとして身近に感じることができていました。
柴崎 剣道部は17号館で練習しているんですけど、一つ上のフロアで卓球部が練習していて、そこに去年まで岩渕さん(幸洋、平29教卒=現協和発酵キリン)がいらっしゃって。実は岩渕さんは高校の先輩でもあるので、今回のパラリンピックも注目していて応援させてもらいました。その中でオリンピックとパラリンピックは知名度も違うし、色々と大変なんだなというのも知りました。
土田 昔、サウンドテーブルテニスっていうボールから音がなる卓球はやったことがあります。小学生くらいのときなのであんまり覚えてはいないんですけど、ネットの下をボールを通す感じでしたね。
 
―皆さんのボランティア活動や、私たちがやらせていただいているこの広報インターン活動も含め、2020年に向けて大学生世代への期待は大きいと思います。これから2020年までの3年間で大学生ができることはどのようなことだと思われますか
柴崎 WAPの活動っていま体育会の学生限定なのですが、それをもっと一般の学生にも広げていけばいいなと思います。本当にいい活動だと思うので、そうできればいいのかなと前々から思っていました。
鈴木 若いので、体をもっとどんどん使っていけばいいんじゃないかなと思います。あとはSNSを使うのも上手いと思うので、そういう部分でしっかり情報を発信していくことが若い世代の役割かなと思います。
  スポーツを通してだと関わりやすいと思うんですよ。例えば講演会とかで障がいについて学ぼう、とかだとなかなか学生は近づきづらいと思うんですけど、スポーツを通してだったら友達とか誘ってやってみようかなと気軽に思いやすいと思うので、広めるという前にまず自分たちがパラスポーツや障がいについて知る、というのが大事かなと思います。スポーツを通して何かきっかけがあれば…きっかけがないと厳しいと思うので、そうしていければいいなと思います。
土田 やれば楽しいのは間違いないので、きっかけがもっとあればなと思います。
 
―では最後に同世代に向けて、ご自身の伴走経験をもとに何かメッセージがあればお願いします
柴崎 一見すると敷居が高いと思うのですが、行ってみて思ったのは本当に誰でも手軽に参加できる活動だということです。いまこのメッセージを読んでくれているということは「こういうスポーツや活動があるんだ」と目に留まっているということじゃないですか(笑)。だからそういう方はぜひどんどん参加してみてほしいなと思います。
鈴木 本当に楽しいので、まずは行ってみてほしいなというのが率直な気持ちですかね。難しそうだなと思うかもしれないんですけど、視覚障がい者の方も本当に良い方ばかりで、あちらの方が逆に僕たちをサポートしてくれるので、一回行ってほしいなと思います。
  行ってみれば本当に楽しいです。障がい者の方と関わるというのも敷居が高く感じるかもしれないし、ボランティアと言ってしまうとボランティアに興味がない人にしてみると偉いねじゃないですけど、すごいことしているねと思われがちというか。でもそういうことではなくて、やってあげているとかでもなくて、自分がやってみて楽しいからやっているだけ、というのが一度行けばわかると思うので、とりあえず一緒に一度やってみようよ、という風に思います。
土田 行けばわかる、本当にそれに尽きると思います。
取材・編集 太田萌枝(早稲田スポーツ新聞会)
取材協力 橋谷田雅志様(早稲田大学競技スポーツセンター)
 
【参加者紹介】
柴崎 祐希(しばざき ゆき)さん
剣道部女子主務。東京・早稲田実業高出身。法学部4年。
先輩からの誘いをきっかけに何度もこの活動に参加しているという柴崎さん。はきはきと丁寧に、ご自身の経験について語ってくださいました!
鈴木 皐平(すずき こうへい)さん
競走部主務。愛知・時習館高出身。教育学部4年。
3年越しに再会した視覚障がいランナーの方に、声だけで覚えてもらえていたことがすごく嬉しかったと語ってくれた鈴木さん。笑顔で質問に答えていただきました!
麓 安都美(ふもと あづみ)さん
女子ラクロス部副務。千葉・国府台女子学院出身。文化構想学部3年。
この伴走ボランティアを通して、ボランティアへの意識が変わったと語ってくださいました。ご自身が感じたことを、わかりやすく、丁寧な言葉で語っていただきました!
土田 大輔(つちだ だいすけ)さん
ボクシング部。富山・呉羽高出身。教育学部3年。
WAPの活動にとどまらず、自らランニングクラブの会員にもなって伴走を行っているという土田さん。緊張しながらも熱い思いを語ってくださいました!

2017年 伴走者養成研修会(東京会場第1回):参加ありがとうございました

11月19日に開催した東京会場第1回伴走者養成研修会は盛況のうちに終えることができました。
今回、ご参加いただいた皆様、ありがとうございました。

第2回の研修会は今回と同じ場所、内容にて3月18日(日曜)に実施いたします。
受付は12月中に開始する予定です。

場所
戸山サンライズ 全国障害者総合福祉センター
住所:東京都新宿区戸山1-22-1
最寄駅:東京メトロ東西線早稲田駅 徒歩10分、都営大江戸線若松河田駅 徒歩10分

講義
視覚障害や伴走についての講義
視覚障害と視覚障がい者の障害特性
伴走理論

実技
視覚障がい者と伴走者によるランニング
アイマスク体験

参加費
500円(伴走ロープ・アイマスク・傷害保険料込)
当日お支払いいただきます。

日程を調整いただき、参加をご検討ください。
多くの皆さんに参加いただき、視覚障がい者のランニングやウォーキングの機会が増えることを願っています。

写真:鈴木邦雄理事による講義の模様

メディア掲載情報:“きずな”を介して、つながる心:Civil Engineering Consultant Vol.277 スポーツ ~スポーツで「つながる」~

Civil Engineering Consultantという一般社団法人建設コンサルタンツ協会の広報誌に、ライターの星野恭子さんが伴走についての記事を執筆されました。
協会様と星野さんのご好意により、協会HPへの掲載を快諾いただきましたので、掲載いたします。
 
“きずな”を介して、つながる心。視覚障害ランナーと走って、広がった世界
視覚障害ランナーを支える伴走者の役割は、目になることだけではない。伴走活動を通して経験した
二人をつなげる「絆(きずな)」とは何であろうか。そして私たちが障害者スポーツにできるいろいろな支援を知るとともにまだ知られていないパラスポーツの魅力に迫る。
 
伴走活動との出会い
私はフリーランスのライターで、さまざまなテーマについて取材をし、文章にまとめて発信している。
10 年ほど前から、ライフワークともいえる思いで取り組んでいるテーマがパラスポーツ(障害者スポーツ)だ。
ひとくちに「障害」といっても、その内容はさまざま。
でも、「スポーツを楽しみたい」という人は少なくない。そして、スポーツに取り組む人なら誰でも多かれ少なかれ、「もっと速く走りたい」「もっと強くなりたい」と思うだろう。それは障害のある「パラアスリート」も同じだ。
ただし、障害によって難しい動きや苦手なこともある。
だから、努力する、工夫する。そうして、体も心も鍛え、それぞれの目標に立ち向かう。その姿に、私はひかれている。
パラスポーツにはまた、アスリートを支える人も多い。縁の下の力持ちから、チームメイトとして共に戦う人までさまざまだが、選手と支える人との間にある信頼関係に根ざした「つながり」にも、私はひかれている。
多くの人に知ってもらい、できれば一緒につながってほしい、そんな思いで取材をつづけている。
私がパラスポーツに興味をもったのは、視覚に障害があるランナーをガイドしながら走る、「伴走」という活動に出会ったことがきっかけだ。
ある日、体験会に参加して、全盲のランナーとベテラン伴走者から手ほどきを受け、数時間後にはなんとか伴走することができた。
別れ際にランナーから、「ありがとう。伴走者がいないと私は走れない。また一緒に走ってくださいね」と言われ、「好きなスポーツで、誰かの役に立てるなら」とやりがいを感じた私はすぐに、ある伴走クラブに入会した。
それまでの私に、障害のある人との接点はほとんどなかった。今改めて振り返ってみると、伴走はたくさんの貴重なことを私に教えてくれた。
伴走者の役割
視覚障害者の伴走者の一番の役割は、ランナーの「目」となることだ。人間は外界から得る情報の約8割を視覚から得ていると言われる。だから、伴走者の責任は重い。
まずは安全第一で、走るべき方向を言葉で伝えながら、障害物を避け、転倒や衝突しないよう注意を払う。
視覚障害といっても、見え方は各々さまざまで、特に全盲者やかなり重度の弱視者と走るときは、ロープを握り合って走る。このロープは、「絆(きずな)」と呼ばれることもある。ランナーと伴走者をつなぐ、大切なものだからだ。
ロープは拳同士が触れ合うくらい短く握る人から、少したるませる人までお好みしだい。混雑している道や悪路などでは短いほうが安全で、状況に応じて肘などをつかむこともある。
基本の走り方は二人三脚の要領で手と足の動きを合わせる。伴走者はロープを持つ手を少しだけ自分の外側、つまりランナーの胸の前に向けて振ると、引っ張り合いを避けられる。
ランナーにとっての理想のフォームは伴走者には少し不自然になるが、そうして動きを、気持ちを合わせることが伴走には欠かせない。
見えない相手には言葉で情報を伝える「声かけ」が重要だ。
何に注意し、ランナーに何を伝えるべきかを知るために、新人伴走者はアイマスク着用で見えない状態となり、「伴走される体験」から始めるのが一般的だ。
私もそうだったが、アイマスクランはとても怖く、一歩踏み出すのに勇気がいる。「見えない恐怖」を体験し、視覚障害ランナーの気持ちを共有することで、安心して走ってもらえる声かけのヒントになる。
声かけは具体的なほうがいい。「段差があります」でなく「10cmの上り段差」や、「右に曲がります」より「10m先を右に90度」といった具合だ。
上り坂では、いつまで続くのか不安だろうから、「30mほど上ります」などと先に言えば親切だ。ランナーは基本的に緊張して走っている。だから、「道はしばらく平らで、周りに誰もいない」など安全な状況も伝えるとリラックスできる。
「沈黙がいちばん怖い」とランナーは口をそろえる。基本を学んだら、あとは経験だ。まずは、「やってみよう」の気持ちとランナーを思いやる姿勢さえあれば誰でもできる。
相手より走力があったほうが伴走にも余裕がでるが、伴走者を必要とするランナーは多く、走力もさまざま。自分を必要とするランナーはきっといる。
私も最初は緊張でガチガチだったが、毎週末、練習会に通い、さまざまなランナーと走るうちに伴走技術も上がり、おしゃべりも楽しめるようになっていった。
目からウロコの、気づきの数々
とはいえ、私も始めの頃は、「お手伝いしなくちゃ」と気合が入りすぎ失敗もした。
たとえば、練習後に一緒に食事に行って、割り箸をパチンと割って手渡したら、「見えなくても、割り箸くらい自分で割れるよ」と言われてしまった。たしかに、障害者は何もできない人ではない。
ほとんどのことは自分ででき、少しだけある苦手なことを伴走者は手伝えばいいのだ。視覚障害者だからこその、「すごさ」にも驚かされた。
たとえば、全盲ランナーと公園を走っていて、「近くに池でもある?」と聞かれたことがある。噴水のある池はあったものの、まだ少し先で、私には水音など全く聞こえない。
でも、音が頼りの視覚障害者は私と話しながら、周囲にも耳を傾け情報を得ていたのだ。
また、ある時は、前方に自動車を視認したが、完全に駐まっていたので、衝突しないようコースを少し調整しただけで車の存在は伝えずに通り過ぎようとした。
すると、「今、左側に車でもあった?」と言われたので理由を聞くと、走っていて左からの風を感じていたのに急に風が止んだので、「何かある」と思ったという。微妙な空気の流れも感じる皮膚感覚の鋭さに舌を巻いた。
風といえば、視覚障害ランナーの多くが「風を切る感覚」の魅力を語る。特に中途失明のランナーは、「二度と走れると思わなかった。伴走者のおかげで風を切る心地よさをまた感じられた」と喜ばれることも多い。
生まれつき全盲の女性と組んだときは、走ったことも、走る動作を見たこともない彼女に、走るフォームを教えるところから伴走した。
人間は走るときは両手足を交互に振るのが自然だが、彼女には最初、その動きができなかった。
幼い頃から右手は白杖(はくじょう)と呼ばれる白い杖を握るためにあり、自分の前方で周囲の様子を探るため小刻みに動かすことが彼女にとっての「自然な動き」だったからだ。
まずは杖を手離し、両手を振って歩くことから始めた。ぎこちない動きが少しずつスムーズになると、彼女は笑顔になった。「両手を振って歩くって、気持ちいいね。開放感!」
伴走と出会うまでの私は、両腕を自由に振って歩き走ることは、誰でもできる、当たり前のことだと思っていた。でも、そうでない人たちがいる。
そして、伴走者なら、その当たり前の時間を共有できる。そんなことに気づき、ランナーとのつながりが深まっていくうちに、私はどんどん伴走に夢中になった。
ともに世界を目指す伴走者
ランナーがパラリンピックを目指すような高いレベルになると、伴走者に求められることも当然増える。
余裕をもって安全にガイドをこなすには、ランナーよりも速い持ちタイムが必要だ。ちなみに、2017年7月現在、伴走者と走る視覚障害(T11/全盲)クラスのフルマラソン日本記録は2時間32分11秒で、イタリア選手がもつ世界記録は2時間31分59秒だ。
また、ランナーは障害を負ってからランニングを始めるなど本格的な陸上競技経験がない人も少なくない。だから、伴走者にはコーチとしての役割も期待される。
日々の練習のなかで、正しいフォームや練習方法、選手としての心構えなど最も身近な立場からアドバイスできるからだ。
強化選手ともなれば、週末は合宿や試合が続く。パラリンピックなら、遠征期間は2~3週間と長い。伴走者もともに、家を空け、職場を離れなければならず、周囲の理解が欠かせない。
また、遠征中は選手と同部屋で日常生活のサポートも期待される。伴走者にはさまざまな意味で、「人間力」が必要になる。
こう聞くと、ハードルが高そうだが、伴走者たちはやりがいをもって取り組んでいる。世界を目指す選手の夢を、自分の夢として追いかけられる経験は限られた人にしかできない。
また、伴走者として大会に帯同するのは選手1人につき1~2名だが、日々の練習はもっと大勢の伴走者が支えていることが多い。大会に出場する伴走者たちは、「多くの伴走者の代表と思って戦っている」と話す。
パラリンピックなどでは一定の条件のもと、伴走者にも選手と同じメダルが授与される。
伴走ランはチーム戦であり、伴走者も紛れもなく、「選手」なのだ。
最も気軽で効果的に、パラスポーツを支える
伴走活動をきっかけに、私は広くパラスポーツにも興味をもつようになった。東京2020大会の開催が決定して以降、パラスポーツを取り巻く環境は確実に向上しているが、現場にはまだ課題が多く、支えも必要だ。
支える方法にはいろいろあり、伴走者や競技アシスタントのように選手と直接関わることのほか、スポンサーや寄付といった金銭的な支援もある。
もう一つ、気軽にでき、しかも効果的なのは会場での観戦だ。アスリートにとって日頃の成果を観客に観られ、応援されることは励みとなり、力となる。声援に後押しされてタイムが上がることだってある。
一方で、観られることはプレッシャーにもなる。大観衆の前で実力を発揮するには日頃から緊張感に慣れることも必要だ。
だが残念ながら、日本国内のパラスポーツ大会のほとんどは観客が少なく、その大部分も選手の家族やスタッフなどだ。多くの一般観戦者の前で競技をする経験は、地元の期待を背負って戦う東京2020大会へのよい準備になるはずだ。
会場での観戦はまた、観客にとってもパラスポーツを知り楽しむための特別な時間だ。たとえば、車いすバスケットボールでは選手の高い技術や車いす操作の巧みさに驚くだろう。
想像以上に速く、急激なターンやストップをくり返し、時にはコートとタイヤの摩擦によってゴムの焦げる匂いさえ漂ってくる。
また、車いすでのタックルがルールで認められているウィルチェアーラグビーでは、車いす同士がぶつかりあうたびに大きな衝撃音が響き、時にはお腹に振動さえ感じるほど激しい。その迫力はパラスポーツのイメージを一新させるだろう。
また、パラスポーツでは選手の障害はさまざまなので、できるだけ条件を揃え、公平に競えるよう、障害の種類や程度などで選手を「クラス」に分け、クラス別に競う競技も多い。
クラス分けはオリンピックにはない仕組みなので、慣れないと分かりにくいかもしれない。でも、会場で試合を観ることで選手の多様性を目の当たりにでき、クラス分けがなぜ必要なのか分かるはずだ。
「失ったものを数えるな。残されたものを最大限にいかせ」は、「パラリンピックの父」と言われる、ルートヴィヒ・グットマン氏の言葉だが、まさに選手たちは個々の障害をものともせず、自身の身体機能を存分に使い、進化させている。
競技用義足や車いすといった用具を使いこなして走ったり、自身の障害に応じ、さまざまに工夫したフォームで泳ぐ姿に、きっと心を動かされ、力をもらえるはずだ。
伴走を知って、パラスポーツを知って、私の世界は広がった。東京2020大会を控える今こそ、さらに多くの人に、この豊かな世界とつながってほしいと思う。
 
文章:星野恭子
提供:一般社団法人建設コンサルタンツ協会   協会HP https://www.jcca.or.jp/
「私たちが普段使っている道路や橋、鉄道、公園。移動で立ち寄る空港や港。上下水道、電気、ガスなどライフライン。災害から私たちの命を守るためのダムや堤防、防波堤など。これらは全て”土木技術”が係わる施設です。
建設コンサルタントは、これら施設の調査・計画・設計・施工監理・維持点検を、土木技術を用いて行う専門技術者集団です。」

 

12月の代々木定例練習会の実施について【日程変更】

毎月の第一日曜日に代々木公園にて実施している定例練習会ですが、12月3日は神宮外苑チャレンジフェスティバルと日程が重なるため、実施いたしません。
東京視覚障害者ランニングクラブ様のご厚意により共同開催として第三日曜日の12月17日に実施いたします。
12月3日は実施がありませんので、ご注意ください。

東京視覚障害者ランニングクラブのHPはこちらからご覧ください。