伴走ガイド(走行中)
走行中の走る位置、ランナーの誘導方法、手の振りなど伴走するときのコツを掲載。
伴走者の走る位置
走る位置(左右)
障がい者ランナーの左右どちらに伴走者が走るかはランナー自身の希望によります。一般には伴走者が左側を走る時が多いようです。
走る位置(前後)
前後の位置は平行か半歩下った位置に付きます。競技会などでは極端に前に出ると助力と見られることもあります。ただし一般道などで危険な箇所は伴走者が前に出た方が良いでしょう。
注意点
- 混雑した場所などでも障がい者ランナーを後ろから押すことは大変危険ですので控えましょう。
- 走る時の道幅ですが一人で走る時と違い約3倍の幅を使います。障がい者ランナーの前(足元)、外側、頭上に常に注意をしてください。
コース誘導の具体例
実際に走り出すと道は平坦ではありません。曲り角や段差の登りや下り、坂道もあれば自動車の通る危険な道もあります。障がい車ランナーは状況が把握できないため周りの状況をしっかり伝えてください。
相手が目上の方でも走っているときは敬語は不要です。簡単明瞭に声かけを行ってください。
進行方向
- 「10メートル先45度右カーブ!」や「左90度!」など具体的に指示してください。「左に1メートル寄って!」など、指示は具体的に行ってください。
- 時計の文字盤に例えて「2時の方向」でも良いでしょう。ただ慣れていないととっさの時にあわてます。この方法は一般的なエスコートに有効です、例えば食事の時などに6時の位置にお箸があります、12時にサラダがありますなど。
- 伴走者が内側になるカーブは伴走ロープの張り具合で大体判ります。逆の場合は腕で押すような事が必要になります。
- 「あっち!向うの方!」など曖昧な掛け声では視覚障がい者ランナーには伝わらないのでご注意ください。
段差
段差がある場合、「5センチの下り段差があります!」、「歩道に上ります!」のようにタイミングよく上り下りの区別を伝えてください。
坂道
坂道の場合も同様に、「ここから急な上り坂です!」など坂道の始まりと終わり、上り下りを知らせてください。
危険箇所
足元だけではなく、頭上の木の枝、子供の声、自動車の音など障がい者が不安になることはあらかじめ予告してください。
車の音が聞こえたら「車が来ますがこのままで大丈夫です!」など伴走者が危険を認知していることをランナーに伝えて下さい。ランナーはそれだけで安心感が倍増します。
距離感
「ゴールまで後何メートル」というのは意外と距離感が難しいです。カーブなどもある程度正確に距離を教えてください。距離間隔に自信が無いときは中間点で「後半分!」などと教えてあげることも良い方法でしょう。
手の振りの重要性
ロープを持った手を振らずに走っている伴走者が見られますが、走る基本は手の振りです。障がい者ランナーも一般のランナーと同じように手を振りたいと思っている人も多くいます。
手を振らずに走ることを想像してみて下さい。
手を振る際には以下のステップに従って少し注意をしてみて下さい。
まず足を合わせる
運動会の「二人三脚」を真似てください。手だけ合わせるとすぐにずれます。足から合わせるようにしてください。
手の振りは胸の前に向かって同じタイミングで振る。
障がい者ランナーと伴走者で手を振る方向が変わります。
例えば障がい者ランナーと伴走者がどちらも自分の胸の真ん中に手を振りたい時、ロープを弛ませる必要があります。
伴走者の手の振りの例をみてみましょう。
下の写真右のように両者が同じように手を振ると、手の間隔が開きますのでロープの弛みが必要になります。この場合ロープが緩んで方向感が掴めなくなるので、ロープを手繰りよせ短く持ちます。
一方、写真左のように両者が同じ方向に手を振る場合は、ロープは短いままで走ることができます。ただし、伴走者が外側に手を振ることになるため、伴走者の走力が必要となるため注意が必要です。