JBMA のすべての投稿

第30回東京学芸大学競技会PART3(広報インターン記事)

東京学芸大学競技会に男子4選手出場
11月10日、第30回東京学芸大学競技会が、東京学芸大学総合グラウンドで行われた。
男子は4選手が5000m2組目に健常者の選手とともに出場した。T12の熊谷豊(32=三井住友海上)が2組2位でゴールし、T11の谷口真大(29=ダイアログインザダーク)と米岡聡(34=三井住友海上)はそれぞれ自己ベストを更新する走りを披露した。
一方、今年8月に行われた北海道マラソン男子視覚障がい者の部で優勝した高井俊治(33=D2C)は途中棄権となった。
 

熊谷 2位も悔しさあらわに
北海道マラソン男子視覚障がい者の部で2位となり、東京パラリンピックの推薦内定選手となった熊谷はフルマラソンと種目が異なる5000mでも安定したレースを披露した。
強い日差しが降り注ぐ中行われたレースだが、熊谷は序盤から常に先頭集団に立ち、レースを引っ張った。
北海道マラソンでは首位を譲った高井も走っていたが、「誰が走るではなく、設定タイム通りに運ぶことだけに集中していた」と熊谷は自分に集中していた。
終盤、原勇人(都日野台高)と熾烈な首位争いを繰り広げるが、最後に原の意地が勝り、15分34秒16の2位でゴールした。試合後、「強いて言えば、最後全体で1位になっていれば、社会人ベスト(15分30秒)も切れてたと思う。
気持ちで負けてたかな」と悔しさを見せた。
次に挑む大会は12月1日に行われる福岡国際マラソンだ。東京パラリンピックに向けて弾みをつけるべく、熊谷は得意なマラソンで今大会の悔しさを晴らす。

画像1:2位でゴールした熊谷
 
谷口 嬉しい自己ベスト更新!!
「自己ベストを更新できてよかった」。谷口はホッとしていた。谷口の理想のレースは一定のペースで走ること。今大会も「内容的には理想に近い走りができたのでは」と振り返った。
他選手のペースが落ちるなか、谷口のペースは落ちなかった。常に1周(400m)を1分20秒前後で走り、16分12秒85でゴールした。
大会前の谷口の自己ベストは2015年11月の第6回京産大記録会で記録した16分15秒80。自己ベストを3秒近く更新となった要因はけがなく夏から練習をこなせたことだ。
夏の暑さが和らいでから、より長い距離を走る練習を多く取り組み、自らを追い込むことができた。伴走者の楠本正輝(31)の伴走も谷口を大いに助けた。
「今日は健常者の方と一緒に走ったので、いつも以上に情報を伝えるような形で、できるだけトラブルが起こらないように、前に引っかからないように、ぶつからないようにというところに気を遣って走った」とレース中、谷口に1周ごとに記録を伝えながら鼓舞した。
自己ベストを更新する好走をみせた谷口はさらなる高みを目指している。「16分04秒を切りたかったんですよね。今回(16分)12秒かかっているので、次のレースで(4秒を)切っていきたい」と今大会の目標を超えられなかったことには悔しさをみせた。
楠本も谷口の走りについて「目標としていたタイムより走れなかったので…。練習のしている内容とレースの内容が結びついていないかなと感じる」と首をかしげた。
ただ、自己ベストを更新できたこのレースは今後に向けて弾みがつく。谷口の目標は5000mで世界ランキング6位以内に入ること、マラソンは来年の東京パラリンピックの代表になることだ。「(来年2月の別府大分毎日マラソンで東京パラリンピックの枠を)つかみにいきたい」と谷口が意気込めば、
楠本は「これまでと変わらずできる限り協力していきたい」と応えた。息の合った走りを今後もみせていく。
 
画像2:好走した谷口(右)と伴走者の楠本(左)


苦しさに負けず風邪にも負けず!!米岡も自己ベスト更新!!
「最後まであきらめずに走り切れました」。満足した表情を浮かべていた米岡の声はかすれていた。2日前に風邪をひき、レース中も咳き込みながら走っていた。
「3000m以降はかなり苦しかったが、そこであきらめずに最後まで走れた」と3000mから4000mでは、1周(400m)1分30秒前後で走っていることもあった。出場した組では最下位でゴールした。
米岡の自己ベストは17分48秒32だから15秒近くも更新した。「苦しくなってからちゃんとチャレンジするという気持ちを強く持って走ることを意識して走った」とレース後は笑顔だった。
伴走者の柳澤威臣(33)も「100点!!頑張ってました!!」と手放しで褒めた。米岡の強みを柳澤は「地道に一歩一歩着実に成長していくところ」と語る。
今後の課題は「2000mから4000mでへばってしまったこと」と振り返った米岡。課題を克服し、次のレースではさらに成長した姿をみせる。

 画像3:自己ベストを更新した米岡(右)とサポートとして米岡を支えた伴走者の柳澤(左)


高井は悔しい途中棄権…
結果によって、5000mの世界ランキングが上がる可能性があったこの大会。北海道マラソンを優勝した高井はまさかの結果に肩を落とした。
「1周目周ったときから体が動いていなかった。気持ちが切れた」と思うように順位を上げられず、序盤で途中棄権となった。
北海道マラソン男子視覚障がい者の部優勝後、この大会に向けてスピードを重視した練習をこなしてきた高井。「15分前半を狙える練習やってきたと思っている。やってきた練習は間違っていないと思う」と言いきったが、結果が伴わなかった。
「世界ランキングを上げていくための大事な大会だった。絶対タイムが出るということだけを信じてやってきた。こんな結果になって、切り替えるというか、こういう結果になるとは思っていなかったので、残念ではあるんですけど、切り替えてやっていきます」と次の大会でリベンジを誓った。
 
画像4:悔しい途中棄権となった高井

 

記事・写真 法政大学 藤原陸人

第30回東京学芸大学競技会PART2(広報インターン記事)

今月10日、11月にしては強い日差しが照りつけるなか、東京学芸大学で記録会が行われた。今回の記録会はIPC(国際パラリンピック委員会)の公認記録となる大会。
出場選手にとっては、タイムが世界ランクにも反映される重要な記録会ということもあり、レース前に入念なアップをする姿が印象的だった。

T13種目に出場した松本光代もその1人だ。「この記録会に照準を合わせ、疲労が残らないよう普段より走る量を減らして調整してきた。」と今回の記録会に懸ける意気込みを話していた松本。
競技を始めたのは3~4年前。中高生の時は短距離が専門、長距離はむしろ嫌いな方で、「長距離選手になるとは夢にも思っていなかった。多分、人生で一番走ってる。」と意外な一面も見せた。

自己ベストタイムの5分16秒の更新を目標に挑んだ今大会。
序盤は快調なペースで走りだしたが、中盤にかけて前を追っていた選手の失速につられてペースダウン。
ラスト400mあたりからは懸命な腕振りと大きなストライドを生かした力強い走りで再びペースを持ち直し、タイムは5分20秒を記録。
自己ベスト更新まであともう一歩のところで惜しくも目標達成とはならなかったが、最後まで決して諦めない、粘り強い走りを見せた。
試合後、松本は「ちょっとモヤモヤした気持ち。次は途中でスピードを落とさないようにしたい。」と悔しさをにじませつつも、次回への展望も語った。
夏のトレーニング成果が発揮され、最もタイムが出やすいとされるこの季節。12月の半ばに次のレースが控えている。
本人も語っていた「最後までペースが落ちない走り」を残り時間でいかに完成させるかが鍵となりそうだ。

画像1:ラスト150m付近でラストスパートをかける松本

PART3 男子編につづく

記事・写真 上智大学 太田原 みか

第30回東京学芸大学競技会PART1(広報インターン記事)

雲一つない空の下、11月10日に第30回東京学芸大学陸上競技会が開催された。
この大会は、小学生から社会人まで幅広い年代の選手が参加する大会であった。また、一般選手とブラインドの選手が同組で走るということも、この競技会の特徴だ。来年の2020年東京パラリンピックまで1年をきった今、新たな記録更新にも期待がかかる。
女子は、T11の井内 菜津美 選手、T12の和木 茉奈海 選手、T13の松本 光代 選手の3名が1500mに出場した。

まず、第1組目に出場したのは和木選手であった。2週間前にマラソンに出場したばかりだったが、この日はトラックのレースに挑んだ。「マラソンの方が得意。」と答えていた和木選手。6分10秒を目標に掲げた。1000mを過ぎたところから、ややペースが落ちてきた様子だったが、次回につなげていきたいと前向きにとらえていた。今回の反省を生かし、次の大会でさらによい走りをすることに期待したい。

画像1:和木選手(左)と後邊ガイド(右)

次の第2組目に出場したのは、井内選手と松本選手であった。
2018年のジャパンパラ陸上で5分36秒07という自己新記録を出した井内選手。今回の目標を聞くと、「5分35秒を出し、自身の記録を超えたい。」と意気込みを語ってくれた。また、今までは夜に練習をすることが多かったそうだが、今年の8月に、みずほフィナンシャルグループに入社したことをきっかけに、日中に練習することが増えた。レース当日はやや日差しがある天候だったが、「日中の練習を重ねているため、暑さはそこまで気にならない。」とも言っていた。さらに、上司も応援してくれている事が励みになっており、会社全体として、チームで頑張っていきたいという思いを述べていた。この日も、上司が応援に来ていたそうだ。多くの方からの応援がエネルギーになっているということを実感した。
タイムテーブルよりも少し遅れてのスタートとなったが、順調にペースを刻んで走っているようだった。しかし、ベストには届かず、悔しい結果となった。レース終了後に話を聞いたところ、「2週間前の記録会で良い記録が出たため、さらに上手く走ろうとした結果、出だしが硬くなってしまった。守りの姿勢になってしまった。」と自分の走りを振り返っていた。
井内選手が次回の目標としているのは、12月に山口県で開催される防府読売マラソンである。トラックとはまた違った難しさがあると思うが、自分にとってベストな走りができるよう、チーム一丸となってこれからも練習を積んでいく。私も引き続き、応援していきたい。

画像2:井内選手(左)と日野ガイド(右)

PART2 松本選手編に続く。

記事・写真 東京農業大学 田中 志穂

OSAKA EKIDEN in長居兼第22回全国視覚障がい者駅伝大会 パート2(広報インターン記事)

11月4日、気持ちのいい快晴が広がる大阪長居で「第22回 全国視覚障がい者駅伝大会」は開催された。

スタート前の準備時間に会ったのはナンバーカード24、アリマーズの2区山本さんと、伴走者の岸さんだ。2人は練習会で出会い、一緒に練習を重ね今大会に出場していた。
マラソンは個人競技だが、ブラインドマラソンは伴走者と2人で走るチームスポーツである。
「1人だと諦めてしまうときも、2人で走ることによって力が2倍になり、しんどい時に踏ん張れます。楽しく走りきることが目標です。」と山本さんは笑顔で語ってくれた。

写真1:アリマーズ2区の山本選手(左)と伴走者の渡辺さん。

いよいよ大会がスタート。ゲストランナーに中山竹通さん、増田明美さん、栁川春己さん、竹澤健介さんを迎え、共に走る場面も見られた。
この大会にはスタッフも欠かせない。周回コースの中間付近には給水所が設けられた。ブラインドランナーと伴走者、2人に水を渡し、「頑張ってください」と声をかける姿は一緒に大会を作っているのだという印象を受けた。

写真2:給水対応。スタッフも参加者の一人!

視覚障がいの部の優勝チームは、ナンバーカード22コーベパールだった。アンカーの今井さんは「去年は最後に自分が抜かれてしまい2位だったためとても悔しかった。今年は1位で渡ったタスキを優勝という形でゴールへ持っていけたことが嬉しい。」と語った。コーベパールの1区、谷口選手はJBMA強化選手にも選ばれている。いつもは個人で戦っている選手がタスキを繋ぎ、チームで喜び合う。駅伝大会ならではの笑顔が見られた瞬間だった。

写真3:優勝したコーベパールの皆さん

スタート前に取材したアリマーズは、27位という結果だった。しかしアンカーまでタスキをつなぎ、増田さんと共に笑顔でゴール。目標を達成した。

写真4 アリマーズのフィニッシュ

今大会、印象に残ったものは『笑顔』である。走っている途中もカメラを向けると笑顔で手を振る選手、走りきったあとの笑顔も眩しかった。大会の目標に、1位を目指すことだけではなく、笑顔で走ることや完走をあげたチームも多く、終始明るい雰囲気の大会であった。

写真5、6、7:多くの笑顔と共に

記事・写真 長崎 花奈子  Kanako Nagasaki

OSAKA EKIDEN in長居兼第22回全国視覚障がい者駅伝大会 パート1(広報インターン記事)

天候は晴れ。気温18℃湿度38%。
空が高く澄み渡る爽やかな秋晴れの日に、OSAKA EKIDEN in長居兼第22回全国視覚障がい者駅伝大会が大阪市のヤンマースタジアム長居にて開催された。
 
写真1:ゲストランナー
今大会のゲストランナーは、1984年ロサンゼルス五輪出場の増田明美さん(写真左上)。1988年ソウル五輪、1992年バルセロナ五輪で入賞経験もある中山竹通さん(写真右上)。アトランタパラ五輪で金メダルを獲得し、現在も日本のブラインドマラソン界のレジェンドとして各大会で走り続けている柳川春己さん(写真右下)。名門早稲田大学で箱根ランナーとして活躍した後、2007年大阪世界陸上、2008年北京五輪日本代表を経験した竹澤健介さん(写真左下)。
 
開会式は、ゲストランナーによる激励と「Achilles IU(神奈川県)」の田畑美智子さんによる選手宣誓が会場を湧かせた。様々な地域から集まった選手同士、伴走者同士の交流が盛んに行われ、和やかな雰囲気だった。また、駅伝ということもあり、チーム毎の熱気に満ちた空気が会場を包んだ。
正午。各チーム第1走の選手が一斉に走り出した。1区は⒍8km、2区と3区は3.4km、4区は6.4km。総距離20kmの距離を全55チームが競い合う。
 
写真2:選⼿宣誓 田畑美智子さん
 
写真3:競技場から⻑居公園内周回コースへ
上記写真のように、視覚障がい者における陸上競技は、ブラインドランナーと伴走者が数十cmの紐またはロープを互いに持って走る。伴走者はただ隣を走るというだけでなく、ブラインドランナーに他の選手の状況や周りの状況、走路の状態、タイム等を知らせたり、ブラインドランナーのペース配分や体調に変化がないか観察したりする役割を担う。    
競技場のトラックから長居公園内周回コースに出ると、アスファルトの地面が続く。段差や障害物等の出現は一般の道路とほとんど変わらない状況であるため、伴走者の存在はブラインドランナーにとって必要不可欠である。
 
写真4:襷を受け取って…いざ出陣!!⼭本弥⽣さん(左)と伴⾛の渡辺美幸さん(右)
 
ランニング練習会での出会いがきっかけでペアとして駅伝に出場している山本弥生さんと渡辺美幸さん。6年前からランニングを始めたそうだ。練習は正直しんどいこともあったと語る。しかし、「個々で走るよりも二人で走る方が力は2倍になる!」とキラキラ輝く笑顔でお話ししてくださった。
“タイムや順位よりも、とにかく楽しく走ること!!”
アップ中のお二人からは、和気藹々とした雰囲気が感じられた。ゴール後は、ホッとした表情を浮かべていた。
 
画像5:今大会最高齢ランナー 大吉啓次さん(左)と伴走の山本喜代美さん(右)

今大会、最高齢ランナーとして出場する大吉啓次さんにお話しを伺った。
「走り始めたきっかけは、健康のため。毎日走っています。伴走者がいる時は比較的早く走ることができるけど、一人で練習をする時は、歩くときより少し速いペースで走っています。楽しく走ることが走り続けるために必要なことです。」と、“走ることに対する熱い想い”を語ってくださった。12月に開催される大阪マラソンにも出場する予定だそうだ。
 これからも怪我に気をつけて末長く走り続けて欲しいと心から願う。

 

写真6:「ロッコ−ズ(兵庫県)」

「とにかく頑張って走ります。」とシンプルなコメントのお二人。
 陸上競技の練習会で出会い、共にロープを握って走る仲となったそうだ。伴走者が中継点でブラインドランナーに対し、行なっていたサポートは特に印象的だった。駅伝では、審判からゼッケン番号が読み上げられてからスタート準備に入る。準備に入ってから、襷がわたるまでかなり時間がかかり、不安そうな表情を浮かべるブラインドランナー。伴走者がブラインドランナーの肩に手を乗せて声を掛ける。その後、二人の顔つきがキリッとした表情に変わった。
 
 
優勝「コーベパール(兵庫県)」
 第1回大会から出場している大阪駅伝の常連チーム。昨年度は、4区で首位を奪われ、惜しくも2位。“今回こそは!!”と挑んだ今大会で、両手を高く挙げてゴール地点に駆け込んだ。念願の優勝となった。
 
写真7:ゴ――ル!! 念願の優勝!!
 
レース後、4区今井裕二さんにお話を伺うことができた。「今回は正直、喉の調子が良くなかった。しかし、呼吸がきつくなった時に、大きく息を吸って…など、伴走者(岸本昌和さん)が声をかけてくれた。伴走者のおかげで焦らず走ることができた。自分がなんとか1位でゴールしなければ…!後ろにつかれないように、逃げよう逃げよう…と思って走った。みんなの気持ちを、そしてチームの気持ちを背負って走っているような感じで、1位でゴールできた時は本当に嬉しかった。」と、安堵の表情を浮かべた。チームには、期待のルーキー:谷口真大さんが所属している。「チームとしても個人としても、もっともっと結果を残して、羽ばたいていきたい」と笑顔で語った。
 
写真8:優勝チームアンカー 今井裕⼆さん
 
写真8:期待の星:⾕⼝真⼤さん(左) 増⽥明美さん(右)
谷口真大さん。1990年生まれの29歳。
現在、東京2020パラリンピックの切符を手に入れるために日々練習を積んでいる。

 
写真9:襷渡しまで残り300m 谷口真大さん(右)と伴走者の桂さん
小柄な身体からは想像できないくらい、ストライドが広いダイナミックなランニングフォーム。800mからマラソンまでを熟す谷口さんは、スタミナとスピードを兼ね合わせた力強い走り。「優勝できて嬉しいです!東京パラ五輪出場に向けて頑張ります!!」とキラキラ輝く笑顔で、増田明美さんからのインタビューに答えた。
 
写真10:優勝「コーベパール(兵庫県)」

 秋が深まり、紅葉が色づき始め、陸上競技はロードレースが盛んな季節となった。テレビや新聞では、連日駅伝やマラソンに関する特集が組まれている。テレビや新聞を見て、“少しランニングを始めてみようかな…”そんな風に思った人もいるのではないないだろうか。そんな人は、是非、伴走研修会に参加してみてほしい。日増しに寒くなるこの時期に、人と人との温もりや繋がりを伴走研修会で感じてほしい。
そして、東京パラ五輪開催まで1年を切った。長距離選手にとってベストシーズンとなる秋冬。下へ下へと根を伸ばし、たくさんの土地を踏み、夏の大舞台で大きな花を咲かせてほしい。
 
記事・写真 聖心女子大学 西川暖乃 Nonno Nishikawa

ドバイ2019世界パラ陸上競技選手権大会:T11男子5000m決勝 リザルト

T11男子5000m決勝のリザルトとなります。
唐澤選手が終盤も粘りの走りをみせ、見事銅メダルとなり、東京2020パラの参加枠を獲得。
和田選手は3着でフィニッシュしましたが、ラスト200mからの走りが助力とみなされ、残念ながら失格となりました。
今大会の成績を東京パラに結び付けることができるよう、更に競技力の向上に努めていきます。
多くのご声援、ありがとうございました。

以下、リザルトとなります。順位、選手名、国名、記録、備考のみです。PDFはこちらからご確認ください。

1 KIMANI Samwel KEN 15:45.32 SB
2 RUDAKOV Fedor RUS 15:46.74 PB
3 KARASAWA Kenya JPN 15:48.21
4 ROSBIL Guillen PER 15:54.22 PB
5 CASTRO REYES Darwin Gustavo ECU 15:59.99
6 AGRIPINO dos SANTOS Julio Cesar BRA 16:08.92 SB
7 BII Wilson KEN 16:10.21
8 KIPROP Rodgers KEN 18:37.44
DNF GARNICA Manuel ESP
DNF KACAR Hasan
DNF KOSSAKOWSKI Aleksander POL
DQ WADA Shinya JPN

 

画像:銅メダルを獲得した唐澤選手。左から茂木ガイド、唐澤選手、星野ガイド

 

 

ドバイ2019世界パラ陸上競技選手権大会:T11男子5000m決勝 スタートリスト

ドバイ世界選手権、和田選手と唐澤選手の今大会最後の勝負となる5000mのスタートリストとなります。
1500mにも参加した12名がそのまま5000mにも出場します。
スタートは現地時間、14日9時9分、日本時間14時9分となります。
1500m同様、激しい勝負になることが予想されます。ご声援、よろしくお願い致します。
 
左からOrder、Bib Number、選手名、NPC、ガイド名、パーソナルベスト、シーズンベストの順です。
1 1060 RUDAKOV Fedor RUS MIASNIKOV Vladimir 16:21.38 16:21.38
2 701 KARASAWA Kenya JPN MOGI Hiroaki、HOSHINO Kazuaki 15:44.28 15:44.28
3 744 BII Wilson KEN KIRUI Erick 15:22.96 15:54.81
4 929 ROSBIL Guillen PER GUEVARA CAYO Carlos Miguel、FERDINAN Cereceda 16:08.75 16:08.75
5 717 WADA Shinya JPN NAKATA Takashi 15:42.88 15:42.88
6 384 GARNICA Manuel ESP IZZEDDINE YELMO Hassan Daniel 16:09.28 17:12.40
7 746 KIPROP Rodgers KEN KISA Malinga 15:30.70 16:04.27
8 1214 KACAR Hasan TUR Huseyin AGAC Yahya 15:49.52 なし
9 120 AGRIPINO dos SANTOS Julio Cesar BRA ABREU PAES Lutimar、dos ANJOS SANTOS Guilherme A 15:32.60 16:10.23
10 351 CASTRO REYES Darwin Gustavo ECU AREVALO VIZHNAY Diego Patricio 15:46.09 15:46.09
11 745 KIMANI Samwel Mushai KEN BOIT James 15:16.11 16:08.49 
12 938 KOSSAKOWSKI Aleksander POL WASILEWSKI Krzysztof 16:21.24 16:21.24
 
PDFデータはこちらからご覧ください。

 

 

第30回東京学芸大学競技会:リザルト

11月10日に開催された第30回東京学芸大学記録会に強化指定選手が参加させていただきました。

男子5000mに4名、女子1500mに3名の合計7名が出場し、自己ベストを目指してチャレンジしています。
今回、パラリンピックサポートセンターの広報インターンの学生が取材を行ってくれていますので、後日、記事を掲載いたしますので、お楽しみに!
 

以下、記録となります。左から選手名、所属先、伴走者名、記録、備考の順となります。
T11 男子5000m
谷口 真大(ダイアログインザダーク)楠本 正輝 16:12.85 PB
米岡 聡(三井住友海上)柳澤 威臣 17:33.79 PB

T12 男子5000m
熊谷 豊(三井住友海上)15:34.16

T13 男子5000m
高井 俊治(三井住友海上)DNF


T11 女子1500m
井内 菜津美(みずほFG)日野 美奈子 5:39.05

T12 女子1500m
和木 茉奈海(読売テレビ)後邉 有希 6:17.14

T13 女子1500m
松本 光代(TISシステムサービス)5:20.77

画像:自己ベストをマークした谷口選手と楠本ガイド

 

ドバイ2019世界パラ陸上競技選手権大会:T11男子1500m決勝 リザルト

T11男子1500m決勝のリザルトとなります。
今年になり、T12クラスからT11クラスに変更となったブラジルのAGRIPINO選手が終始レースを引っ張り、そのまま押し切っての優勝。
2位には予選の走りから一辺したリオパラチャンピオンのケニアのKIMANI選手。3位にヨーロッパチャンピオンでポーランドのKOSSAKOWSKI選手となりました。
和田選手は4位と、メダルにはあと一歩及びませんでしたが、東京2020パラの参加枠を獲得。予選でマークした日本記録を再び更新する、見事な走りを見せてくれました。
唐澤選手は6位でしたが、予選の記録からタイムを縮め、一本だけではない、強さを身に付けつつあります。
 
決勝を走った6名全員、14日に行われる5000mでも再び顔を合わせます。
ドバイでの第2ラウンドを楽しみにお待ちください。
 
以下、リザルトとなります。順位、選手名、国名、記録、備考のみです。PDFはこちらからご確認ください。
1 AGRIPINO dos SANTOS Julio Cesar BRA 4:07.02
2 KIMANI Samwel Mushai KEN 4:08.47 SB
3 KOSSAKOWSKI Aleksander POL 4:08.71 PB
4 WADA Shinya JPN 4:11.42 PB
5 CASTRO REYES Darwin Gustavo ECU JAN 4:11.49 PB
6 KARASAWA Kenya JPN 4:17.72

ドバイ2019世界パラ陸上競技選手権大会:T11男子1500m決勝 スタートリスト

T11男子1500m決勝に進出した6名の選手となります。
健常者の大会の場合、1500mの決勝進出者は12名ですが、ブラインドの伴走者と共に競技を行う種目は伴走者分のレーンが必要になるため、6名で決勝が行われます
通常8位までが入賞ですが、T11クラス1500mの場合、7位・8位は存在しません。
 
世界の6人となった和田選手、唐澤選手の走りに期待です。
スタートは現地時間8日20時18分、日本時間では9日AM1時18分となります。
NHK総合でlive放送がありますのでテレビの前から、ご声援ください。
よろしくお願いいたします!
 
左からOrder、Bib Number、選手名、NPC、ガイド名、パーソナルベスト、シーズンベストの順
1 701 KARASAWA Kenya JPN MOGI Hiroaki 4:16.20 4:16.20
2 120 AGRIPINO dos SANTOS Julio Cesar BRA ABREU PAES Lutimar 4:05.98 4:05.98
3 938 KOSSAKOWSKI Aleksander POL WASILEWSKI Krzysztof 4:12.41 4:12.41
4 351 CASTRO REYES Darwin Gustavo ECU AREVALO VIZHNAY Diego Patricio 4:14.68 4:14.68
5 717 WADA Shinya JPN NAKATA Takashi 4:13.07 4:13.07
6 745 KIMANI Samwel KEN Mushai BOIT James 3:58.37 4:13.14

 

ドバイ2019世界パラ陸上競技選手権大会:T11男子1500m予選 リザルト

和田選手と唐澤選手が見事に予選を通過!
各組上位2名と記録上位2名の6名という狭き門の決勝に日本選手2名が進出しました。
 
和田選手は盤石なレース展開で日本記録を更新する4分13秒07の組2着。
唐澤選手はフィニッシュは4番手でしたが、先着したロシアの失格によりタイムの2番目で拾われ決勝進出となりました。
何が起こるか分からない決勝は現地時間8日20:18、日本時間9日1:18スタートとなります。
ご声援、よろしくお願い致します!!!
 
以下、リザルトです、順位、選手名、国名、記録、備考のみです。PDFはこちらからご確認ください。
HEAT 1
1 AGRIPINO dos SANTOS Julio Cesar BRA 4:11.70 Q
2 WADA Shinya JPN 4:13.07 Q PB
3 KIMANI Samwel Mushai KEN 4:14.06 q
4 KACAR Hasan TUR 4:21.60 SB
5 GARNICA Manuel ESP 4:27.41
6 KIPROP Rodgers KEN 5:00.87
 
HEAT 2
1 CASTRO REYES Darwin Gustavo ECU 4:15.75 Q
2 KOSSAKOWSKI Aleksander POL 4:16.79 
Q
3 KARASAWA Kenya JPN 4:18.13 q
4 BII Wilson KEN KIRUI Erick 4:18.36
5 ROSBIL Guillen PER 4:19.00 PB
DQ RUDAKOV Fedor RUS

ドバイ2019世界パラ陸上競技選手権大会:T11男子1500m予選 スタートリスト

ドバイ世界選手権のT11男子1500m予選のスタートリストとなります。
1組目にエース和田選手、2組目に勢いのある唐澤選手が出場します。
日本時間の11月8日(金曜)AM3時10分スタートです。
決勝進出を目指して、全力で勝負します。
ご声援、よろしくお願い致します!
 

左からOrder、Bib Number、選手名、NPC、ガイド名、パーソナルベスト、シーズンベストの順

HEAT 1 Start Time: 22:10
1 120 AGRIPINO dos SANTOS Julio Cesar BRA ABREU PAES Lutimar 4:05.98 4:05.98
2 717 WADA Shinya JPN NAKATA Takashi 4:13.41 4:13.41
3 746 KIPROP Rodgers KEN CHEPKWEKO James Kimtai 4:23.69 4:23.69
4 1214 KACAR Hasan TUR Huseyin AGAC Yahya 4:14.13 4:22.62
5 745 KIMANI Samwel Mushai KEN BOIT James 3:58.37 4:13.14
6 384 GARNICA Manuel ESP IZZEDDINE YELMO Hassan Daniel 4:16.41 4:29.28


HEAT 2 Start Time: 22:20
1 1060 RUDAKOV Fedor RUS MIASNIKOV Vladimir 4:24.33 4:24.33
2 938 KOSSAKOWSKI Aleksander POL WASILEWSKI Krzysztof 4:12.41 4:12.41
3 701 KARASAWA Kenya JPN MOGI Hiroaki 4:16.20 4:16.20
4 744 BII Wilson KEN KIRUI Erick 4:07.96 4:13.06
5 929 ROSBIL Guillen PER FERDINAN Cereceda 4:23.88 4:23.88
6 351 CASTRO REYES Darwin Gustavo ECU AREVALO VIZHNAY Diego Patricio 4:14.68 4:14.68

決勝進出条件:各組上位2名と記録上位2名

PDFデータはこちらからご覧ください。T11男子1500m予選_スタートリスト

 

Dubai 2019 World Para Athletics Championships 開幕!

いよいよ11月7日からDubai 2019 World Para Athletics Championshipsがアラブ首長国連邦(UAE)のドバイにて開幕します。
日本からブラインドの長距離種目にはT11クラスの和田伸也選手と唐澤剣也選手の2名が1500mと5000mに出場します。
2人とも調整は順調。7日からのレースに期待が持てます。


2人が参加する競技スケジュールと参加種目
11月7日(木曜)T11男子1500m予選1組22:10、2組22:20
11月8日(金曜)11男子1500m決勝20:18

11月14日(木曜)T11男子5000m決勝9:09

 

大会の模様は連日、NHK総合テレビにて生中継されます。
日本とUAEとの時差は5時間。日本時間では深夜の放送となりますが、熱いご声援をお願いします。
番組の内容はNHKのHPをご確認ください。こちらです。

大会HPはこちらからご覧ください。

ドバイに到着した日本選手団。左から中田ガイド、宮里ガイド、和田選手、茂木ガイド、唐澤選手、星野ガイド、安田コーチ。

第22回長野マラソン:エントリー受付開始

春の到来を告げる「第22回長野マラソン」が2020年4月19日(日曜)に開催されます。

エントリー受付が10月19日(土曜)10時から開始となります。
 
大会概要
開催日時:2020年4月19日 午前8時30分スタート
参加定員:10,000人 うち視覚障がい者の部50人
参加料:12,100円 税込
申込方法 インターネット:RUNNET
電話:コールセンター:フリーダイヤル 0120-353-022
 
視覚障がい者の部が設置されている大会となります。表彰台目指して、チャレンジください。
多くの皆さんのご参加をお待ちしております。
 
詳細は大会HPをご覧ください。こちら

掛川伴走研修会(広報インターン記事)

伴走者養成研修・視覚障がい者マラソン研修会が静岡県掛川市「つま恋 彩の郷」にて行われた。今回の研修は、ブラインドマラソンのクラス分けや競技規則、伴走理論、そして伴走実技講習など初心者でも競技について理解関心が深まる内容だった。
来年には、東京パラリンピックの開催が迫っていることもあり、ブラインドマラソンも注目されている種目の一つである。現在、男子は堀越選手と熊谷選手、女子は道下選手と西島選手が東京パラリンピックの推薦内定を獲得している。


そもそもブラインドマラソンとはどのような競技なのだろうか。ブラインドマラソンとは、ブラインドランナーと伴走者が数十cmの紐またはロープを互いに持って走る競技である。伴走者はただ隣を走るというだけでなく、ブラインドランナーに他の選手の状況や周りの状況、走路の状態、タイム等を知らせたり、ブラインドランナーのペース配分や体調に変化がないか観察したりする役割を担っている。伴走者が求められていることは、ブラインドランナーと手足の動きを揃えて走ることである。伴走者はあくまでもアシスタントであるため、ブラインドランナーの手をひっぱったり、先にフィニッシュラインを通過したりする行為は反則になる。

はじめに、障がい者介助方法や伴走理論、競技規則について講義を受けた。実際にブラインドランナーとしてマラソンに参加したことのある方の話や、伴走研修会でのアクシデントなど実体験に基づく生の話を伺った。
伴走実技講習では、講義内容で得た伴走法を試した。最初は、ペアのブラインドランナーの動きに合わせようと意識して走っていた健常者も、次第に相手の走るペースや動きを把握し、意識的に合わせようとしなくても二人の動きがぴったり重なるようになった。また、実技講習の締めくくりとして、クーパーテスト(12分間走)¬¬も行なった。その際、スタートラインにラジオを設置し音楽を流すことで、ブラインドランナーも自分がどれくらいの距離を走ったのか、周回が把握できるように配慮されていた。

今回の研修会には、過去にパラリンピックを経験したことのあるパラリンピアンから全くの初心者まで総勢27名が参加した。研修会での食事は、バイキング形式だったこともあり、ありのままの生活を見聞きすることができた。そして、視覚障がい者がどのようなサポートを一番求めていて、どのように声をかけたら良いのか、考えるより先に行動できるようになった参加者が増えたのではないかと思う。
ブラインドマラソンにおける伴走者養成が今回の研修会の主な目的だったが、この二日間の研修を経て得られたものは伴走知識だけではない。障がいの有無に関わらず、街で見かけた困っている人に迷わず手を差し伸べる勇気と率先力を養うことができたと思う。

記事・写真  Nonno Nishikawa

この事業は日本財団パラリンピックサポートセンター助成事業として実施いたしました。