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第69回別府大分毎日マラソン大会:PART2(広報インターン記事)

今大会では、男子に負けないぐらい、女子の活躍も光った。T12クラスでは道下美里選手(三井住友海上)、T11クラスでは井内菜津美選手(みずほFG)が、世界記録を上回る速さでゴールした。
暖かい気候が好きだという道下選手。そんな道下選手に天が味方したかのように、当日の空は青空で、暖かな日差しがさしていた。
大会4日前にはポイント練習をし、前日も軽く走った。12月に行われた防府読売マラソンに出場した際、30㎞以降で失速してしまったことを反省し、この1ヶ月の間に40㎞走を2回行った。通常、陸上選手は大会前になると練習量を落とす。道下選手も今まではそうしてきていたが、今回はぎりぎりまで強度の高い練習を行ったそうだ。「今回初めての試みなので、上手くいくかはわからない。」と大会前に話していたものの、自身が持つ世界記録である2時間56分14秒を2分近く上回る、2時間54分22秒でゴールするという結果になった。
スタート後は、集団の中で、一生懸命伴走者が誘導しながら走る様子が見られた。注目選手ということもあり、中継車が近くにつくこともあったそうだ。一見走りにくそうだったため、世界記録といえども、もう少し走りやすかったらもっとよい記録が出たのではないかと思った。しかし、大会後に道下選手に話を伺うと、思いがけない言葉が返ってきた。
「市民ランナーの方々が視覚障害を持つ選手のことを認知してくれていて、道をつくってくれたんです。しかも、給水の時に伴走者が「71番(道下選手のゼッケン番号)給水取ります!」と言うと、周りの方が「71番給水取ります!」「71番給水取ります!」と言ってどんどん伝言してくれました。沿道で声を出して応援してくれる人もいました。やっぱり、世界記録はみんなで協力しないと取れないんだなって思いました。」
本大会は、市民ランナーでも制限時間が3時間30分以内という、非常にレベルの高い大会だ。もちろん、自分の記録を狙っている人もいるだろう。そんな中でも、道下選手に配慮し、思いやりのある走りをした人が多くいたということは、とても素晴らしいと思った。
前回の防府読売マラソンで思うような結果を出すことができず、大会後に本大会への出場を決めた道下選手。そんな向上心と、素敵な笑顔、そして周りの人への感謝を忘れない様子が、みんなを惹きつけるのではないかと思った。
 
写真1:スタート前、応援に笑顔を見せる道下選手と、奥から見守る青山ガイド。
 
井内選手は、自己ベストを10分以上上回る、3時間12分55秒でゴールテープをきった。
昨年8月からみずほFGに所属して練習を積んでいる井内選手。練習環境が整ったことも、さらに記録更新に拍車をかけた。また、高低差の激しいコースを走る、かすみがうらマラソンで自己ベストを出した経験があることも、自分の中の自信になっていた。
 前日には、消化のよいものを食べることを意識し、うどんを食べたそうだ。大会が開催された大分県には、とり天や団子汁といった美味しいものがたくさんある。大会終了後に話を聞くと、「今日は祝杯をあげる。伴走者と相談し、美味しいものを食べたい。」と語ってくれた。
 
写真2:力強く走り去っていく、井内選手。
 
さらに女子はパラリンピックへの推薦3枠目も決定した。道下選手に次いで2位に入賞した青木洋子選手(T12、NTTクラルティ)が内定した。青木選手は、昨年8月に行われた北海道マラソンでは、西島美保子選手(T12、福井市陸協)に次いで惜しくも3位となり、推薦内定を逃した。そこから約5ヶ月、努力を重ねた。
推薦内定の1番の決め手となったことを聞いてみると、「伴走者みんなのおかげ。ありがとうと伝えたい。」と少し興奮気味に答えた。今回共に走った2人の伴走者以外にも、青木選手を支えるガイドがいる。その方々に対しても、感謝の言葉を繰り返し述べていた。「ありがとう」という青木選手の気持ちは、きっと支えてきた伴走者にも届いているだろう。パラリンピックでのさらなる活躍に注目だ。
 
写真3:交代した奥村ガイドに、手を挙げて答える青木選手。後方左から、青木選手、奥村ガイド、高田ガイド。

 

 

本大会によって、昨年4月のロンドンマラソンから行われてきた、パラリンピック出場枠の争いは幕を閉じる。6月頃に正式な出場人数とメンバーが決定し、9月に本番を迎える。
私は、昨年8月の北海道マラソンから、広報インターン生として、ブラインドマラソンの取材に関わらせてもらってきた。また、同時期から、自分自身も市民ランナーの伴走を始めた。全体を通して、伴走者が選手を一方的に支えているのではなく、選手と伴走者が共に支え合うことで「ブラインドマラソン」という競技は成り立っているということを感じた。
本大会で、女子の近藤寛子選手の伴走を務めた川嶋さんは、伴走を始めて約15年になる。現在は週に5~6回練習を行う。伴走を続けるモチベーションとなっているのは、「誰かのために走る」ということだ。1人だったら頑張れないことも、2人だったら頑張れる。ブラインドランナーの走りによって、伴走者も励まされているのだ。
 
写真4:3位に入賞した近藤選手
 
パラリンピックまで約半年。男子の堀越選手は、「ぜひ、ブラインドマラソンをやってみてほしい。百聞は一見にしかずというように、やってみてわかることもある。」とブラインドマラソン普及への思いを口にした。この素晴らしい競技を多くの人に知ってもらえるよう、私は一連の取材を通して感じた思いを多くの人に広めていきたいと考えている。そして、パラリンピックの際、沿道が多くの応援の声で埋め尽くされることを願ってやまない。
 

写真5:本大会に出場した選手と伴走者たち。それぞれの思いをつなぎ、ゴールへと向かう。
 
記事・写真 東京農業大学 田中 志穂
 

第69回別府大分毎日マラソン大会:PART1(広報インターン記事)

パラリンピック前の最後の一戦。
2月2日(日)に大分県にて、第69回別府大分毎日マラソンが開催された。
昨年4月に行われたマラソン世界選手権(ロンドンマラソン)、8月に行われた北海道マラソンに続く、パラリンピック出場権の内定をかけた選考レースだ。本大会をもって推薦内定者が最終決定する。
昨年12月に行われた防府読売マラソンで好記録を出した選手も多くおり、周囲の期待は一層高まっていた。多くのメディアもブラインドランナーの様子について報じた。
 
前日に行われた記者会見では、男子は堀越信司選手、岡村正広選手、山下慎治選手、女子は道下美里選手、青木洋子選手、近藤寛子選手の計6名が出席した。大会前日ではあるが、終始和やかな雰囲気だった。また、テレビ放送についても多くの選手が触れていた。特に、関西地域で、視覚障がいを持つランナーのゴールの様子が放送されないことを残念がっていた点が印象的だった。テレビ局の都合もあるが、関西地域でもブラインドマラソンを応援する輪が広がってほしいと感じた。
 
当日、1番にゴールテープをきったのは、男子の堀越信司選手(T12、NTT西日本)。
「距離走をベースにした練習を行っているが、今回は少なかった。応援の声を力にして、今できることをしっかりやりたい。」と前日に語っていた。6㎞の給水地点でテーブルに激突するといったアクシデントもあったが、言葉通、今できる力をしっかり発揮した。ここ最近は故障で苦しんでおり、昨年8月に行われた北海道マラソンでは途中棄権する場面もあった。パラリンピックまで残り約7ヶ月。最高の結果を出せるよう、さらにコンディションを整えていく。
 
写真1:表彰式で表彰を受ける堀越選手
 
次に競技場へ入ってきたのは、高井俊治選手(T13、D2C)。トラックとマラソンならどちらが好きかという問いには、「マラソンの方が好き。」と答えていた。残念ながらT13クラスはパラリンピックでマラソンが実施されないため、トラック競技での出場を目指す。
ちなみに、一番好きなマラソン大会は北海道マラソンだそうだ。昨年は、視覚障がい者男子の部で優勝した。しかし、今年はオリンピックのマラソンが札幌で開催される影響で、中止が決定している。この別府大分毎日マラソンは、一昨年出場したが、2位という結果だった。今回再び2位だったことに、悔しさをにじませていた。
大好きなマラソンでパラリンピックを目指すことは叶わず、北海道マラソンも今年は中止。なかなか良い条件には恵まれないが、それでも「マラソンを走ることで他の選手に刺激を与えたい。」と競技に前向きに取り組んでいる。そして、高井選手の一番魅力的なところは、誰よりも礼儀正しいところだ。取材で声をかけると、必ず「いつもお世話になっています。」と高井選手の方からも声をかけてくる。パラリンピックで花開くよう、これからも応援していきたい。
 
写真2:表彰式でトロフィーを受け取る高井選手
 
男子の3位となったのは、昨年12月に行われた防府読売マラソンで優勝を飾った山下慎治選手(T12、シーズアスリート)。パラリンピック出場内定に必要な2時間33分49秒にはわずかに及ばず、2時間34分05秒でゴールした。悔しさが残ったものの、自己ベストを約5分更新する素晴らしい走りだった。
前回の防府読売マラソン後からは、強度を上げた練習を重ねてきた。
後半ガイドの野本哲晃さんによると、今までよりも速い設定タイムで走ることができているそうだ。最近の好調について理由を聞いてみると、今まで積み重ねてきた練習の結果がでているのではないか、と山下選手は述べた。「タイムは1秒でも速く。」という言葉をスタート前に口に出すほど、パラリンピックへの思いは誰よりも強い。
5㎞を約18分で走ると、折り返しの10㎞~15㎞ではさらにペースを上げ、15㎞以降はまた5㎞ごとに約18分のペースを刻んだ。ただ、30㎞~35㎞で少しペースが落ちた。練習も上手くいっており、コンディションがよかっただけに、パラリンピック出場内定に必要なタイムに届かなかったことについて、山下選手は悔しい思いを口に出していた。
大会終了後にインタビューをしていると、野本さんと山下選手が楽しそうに掛け合いをしている様子が印象的だった。野本さんは、1月の週末は全て山下選手との練習に費やしていたそうだ。2人とも笑顔で話している様子を見て、なんでも言い合える関係が、記録更新につながっているのではないかと感じた。さらに、山下選手を支えるのは、練習で伴走を務める人達が集まる「チーム山下」の存在だ。まだまだ成長中の山下選手。これからの結果にも期待していきたい。
 
写真3:池澤ガイドから野本ガイドへの伴走の引継ぎ。左から、山下選手、野本ガイド、池澤ガイド。
 
男子では、他にも自己ベストを出した選手がいる。唐澤剣也選手(T11、群馬社福事業団)である。2017年の第48回防府読売マラソンで出した自己ベストを10分以上上回る、2時間36分54秒という記録でゴールした。前回の自己ベストを出した時と同じく、星野和昭さんと茂木洋晃さんがガイドを務めた。
唐澤選手は、5000mでのパラリンピック出場に内定している。後半の伴走者を務めた茂木さんは、昨年の11月に行われた世界パラ陸上に唐澤選手と共に出場し、東京パラ出場の内定を得た。茂木さんが伴走を始めたきっかけは、通っていた治療院の先生に誘われたことだそうだ。大学時代は陸上部で選手として走った後、現在は伴走者として活躍している。
パラリンピックに向けて、さらなる高みを目指していく。
 
写真4:星野ガイドから茂木ガイドへの伴走の引継ぎ。左から、星野ガイド、茂木ガイド、唐澤選手。
 
PART2へ続く。
 
記事・写真 東京農業大学 田中 志穂
 

第4回京都ふれeyeブラインドマラソン:伴走者募集延長

3月20日(金曜・祝日)に京都府亀岡市のサンガスタジアムにて開催される第4回京都ふれeyeブラインドマラソンにて、伴走者の募集を行っています。
詳細は大会HPを確認の上、大会事務局までお問合せください。募集の締め切りは2月16日(日曜)となります。
 
お申し込み・お問い合せ先
一般財団法人 角谷建耀知財団
京都ふれeyeブラインドマラソン事務局
〒600-8008 京都市下京区四条烏丸長刀鉾町22 三光ビル9階
TEL:075-213-6278 (9:00~17:30 土日祝除く)
FAX:075-213-8825
E-Mail::marason@blueberryeye.co.jp

大会HPはこちら
 
ご協力、よろしくお願いします。

 

第69回別府大分毎日マラソン大会:強化指定選手コメント

堀越信司 2:31:53 
多くの方々にご支援・ご声援をいただき、本当にありがとうございます。
今回は、タイム的には大幅に目標に届かず不甲斐ないものになってしまいました。
しかしながら、序盤からアクシデントに見舞われたり、かなり苦しい走りになりつつも、絶対に諦めない・投げ出さない・どんな状態でもその時の力を出し切るという走りはできたと思います。
今までのマラソンの中でもトップレベルに苦しみましたが、ブレずに最後までこの姿勢を貫くことができました。
こういった姿勢が、結果として優勝に繋がったのではないかと考えています。これは、東京パラリンピックを見据えた上で、かなり大きな収穫です。
みなさんの声援にもとても救われました。心から感謝しています。
とはいえ、このような走りになってしまったのは自分の力不足以外ほかなりません。
多くの課題をひとつずつクリアしていき、東京パラリンピックではメダルを獲得したいと思います。
引き続き、ご声援・ご指導をよろしくお願いいたします。ありがとうございました。
 
高井俊治 2:33:37  
今回は東京2020パラの最終代表推薦選手選考会と視覚障がいマラソン日本選手権を兼ねて実施されました。
私のT13クラスは東京大会では実施されないので別大マラソンで何としても優勝を目指して参加させて頂きました。
コンディションも良かったので前半から攻めの走りでレースを展開しましたが想定していたペースより、序盤から数秒ずつ速くなりそれが結果的に後半の走りに響いて優勝と自己新は叶いませんでした。
昨年の北海道マラソンの時より前半の10kで約1分速く通過し、それでも最後まで粘りの走りで33分台と2nd bestで表彰台には上がることができ、最低限のマラソンはやれたかなと思います。
今後の課題は当日のコンディションを的確に判断して臨機応変なレースを出来るようにすることです。沢山のご声援ありがとうございました。
 
山下慎治 2:34:05
12月の防府読売マラソンからさらに自己ベストを5分08秒と大幅に更新することができました。
しかし今大会で目標としていた2時間33分49秒に16秒足りずに、推薦枠を勝ち取れなかった悔しい想いの方が強いです。
ただ、この結果は高い目標を目指して伴走者の皆さんと一緒に練習を取り組んできて、レースでも恐れずに攻めた走りです。
いま自分にできる最高の走りを伴走者の方と一緒にできたので、後悔はありません。
またレース中、苦しいときの沿道からの応援が本当にチカラになりました。
皆さまの応援があるからこそ、最後の最後まで諦めずに攻めの走りができたこと感謝いたします。
引き続き更なる記録更新を目指しますので、今後も応援よろしくお願い致します。
 
唐澤剣也 2:36:54
11月の世界パラ以降、短い期間ではありますが今回の別大に向けて走り込んできました。
昨年の別大では悔しい思いをしたので、そのリベンジををしたいという気持ちでトレーニングを積んできました。
結果は2時間36分54秒と大幅に自己ベストを更新することができました。
今回のレースを春以降のトラックレースにつなげて行きたいと思います。
応援してくださった皆様、サポートしてくださった皆様、ありがとうございました。
 
米岡聡 2:45:45 自己ベスト   
いつもたくさんのご支援ご声援、ありがとうございます。
今回の別大マラソンでは、目標にしていた自己ベストを更新することができました。
結果、内容とも、自分の中では満足いく走りができました。
また、次の舞台に向けて、自分なりにしっかりと一歩ずつレベルアップしていきたく思っておりますので、今後ともご支援ご声援いただけますと幸甚です。
今回も大会運営に携わってくださった皆様、伴走者の二人はじめ、皆様、本当にありがとうございました。
 
勝丸真至 2:47:58
暑くなることを予想し、前半は控えめのペースで入りましたが、結局ペースを上げることが出来ず、ズルズルとそのままゴールを迎えてしまいました。
年始から調子があがらず、またスペシャルドリンクを作るのに失敗したりと(塩を入れすぎ、飲めば飲むほど喉が乾く)いろいろ噛み合っていなかった感じですが、これが今の実力だと思います。
次回のかすみがうらマラソンに向けて、引続き頑張ります。
最後にスタッフ、大会関係者の方々、いろいろお世話になり本当にありがとうございました。
 
谷口真大 2:48:43 
東京2020パラリンピックへの最終選考であったこのレース。
結果として、私自身の今の走力では戦えるレベルに届いていなかった。
それまでの練習はもちろん、調整も踏まえてフルマラソンに対しての準備というところが今の私自身の課題と思っている。
一方で、多くの強化選手と共に同じレースを走れたことは大きな収穫であったし、自己ベストや世界新記録から新たに刺激をもらったのは確かである。
今後は5000mに向けて最後の勝負になる。最後の最後まで全力を尽くして東京を取りにいく。

岡村正広 3:10:32
今回は東京パラリンピック最終選考レースということで、最後の1枠を勝ち取るため、周到な準備をしてレースに臨みました。
しかし、レースでは途中から膝が痛み出したことで大きく失速し、3時間10分32秒という結果に終わりました。
これで東京パラリンピック出場は断たれたことになります。精一杯やり切った上での結果ですので、悔いはありません。
なお、今回をもちまして強化指定選手として走る最後のレースとしたいと思います。これまで多くのご声援ありがとうございました。
 
写真1:記者会見に参加した選手たち。左から堀越選手、岡村選手、山下選手、道下選手、青木選手、近藤選手。 

道下美里 2:54:22 T12世界新記録 
いつも応援ありがとうございます。別大は昨年末の防府で果たせなかった自己記録更新を目標に走りました。
青山さんの盤石なガイドのおかげで序盤の人ごみでの接触もなくスムーズにペースにのることができました。
慎重にペースを刻み、後半の向かい風や傾斜のある路面も志田さんの安定した指示で集中して走れ、思い描いた通りのペースアップができました。
大きなプレッシャーの中で、しっかりイメージどおりの走りができたことが何よりの収穫でした。
大会参加にあたり支え協力いただきました皆様、本当にありがとうございました。
    
青木洋子 3:10:40 
別府大分マラソン、今回東京パラリンピック最終の推薦内が決まる大会でした。
2位以内でゴールすることが目標で、達成することができました。
いつも支えてくれるみ伴走者、会社の方々、家族、応援してくれる周りのみなさんがいるからです。
本当にありがとうございました。
大会関係者の方々など、関わっていただいたみなさまに感謝します。
これからもよろしくお願いします。
  
近藤寛子 3:12:08 自己ベスト
3時間12分08秒、自己新での3位入賞でしたが推薦枠にはひとつ及びませんでした。
これまでの人生と、これからの人生をかけて挑んだ試合。
自己ベストのうれしさより悔しさがこみあげてきますが、手術やケガで思うようにならない体を、2ヶ月足らずでここまで仕上げてくださった方々、支え応援くださった方々に感謝しかありません。
これからのことはまだわかりませんが、今回のレース展開から、まだまだ上げていけると感じました。
もっと強く、速く、楽しく!そんな、のびやか選手を目指していきたいと思います!
たくさんの応援を本当にありがとうございました!
   
井内菜津美 3:12:55 T11世界新記録 
別大で大幅な自己ベスト更新をして東京パラリンピックに出場する」という目標を持ってトレーニングしてきました。
その結果3時間12分55秒のt11世界新記録を出すことができました。
この記録は私一人のものではなく、日々サポートいただいている方々や応援してくださる方々がいてこそ出せたものです。
本当にありがとうございます。
この大会でのパラリンピック出場はなりませんでしたが、1500mでの出場を目指し、トレーニングを続けていきます。
この結果を自信に変えて頑張りますので引き続きよろしくお願いします。
   
藤井由美子 3:14:05 自己ベスト
3時間15分切りを目標にスタートしました。
周りのペースに惑わされ ハイペースになってしまい、30キロ過ぎてからは落とさないようにするのが精一杯でした。
応援してくださった方々の励ましを胸に 最後までで気を抜かず頑張ったつもりでしたがタイムは落ちるばかりでした。
自己ベストを出すことができましたが 順位は悪く複雑な心境です。
いつもながら 仲間や沿道で応援してくださった方々、お世話になった皆様 本当に ありがとうございました。
 
金野由美子 3:16:45 自己ベスト 
今回の目標は、ハイパフォーマンススタンダードの3時間15分29秒を切ることでした。
自分にとっては少し高い目標でしたが、当たって砕けろの気持ちで挑戦しました。
気合いが入り過ぎて序盤の入りが予定より早くなってしまい、結果最後まで苦しむレースになってしまいました。
それでも、これまで積み上げてきた練習の成果と、伴走者さんの的確なサポートのおかげで、最後まで気持ちを切らさず走り切ることができ、防府に続きベストを更新することができました。
パラの選考には入れず、悔しい気持ちもありますが、満足もしています。これからもあきらめず、自分への挑戦を続けたいと思います。
ありがとうございました。
 
西村千香 3:21:13 自己ベスト
今回は東京パラリンピックの最後の推薦内定がかかった大会だった事でしっかりと練習を積み納得のいく手応えを感じたまま挑んだレースでしたが結果を出す事はできませんでした。
前半の給水のアクシデントやペース配分などまだ経験のなさを痛感するところがたくさんあったレースでした。
これも今の自分自身の走りの全てだと思います。
今回たくさんの応援をくださいました皆様、日々の練習の伴走 支えになってくださった皆様、沿道よりたくさんの声援を送ってくださった皆様、本当にありがとうございました。
 
写真2:表彰式後の堀越選手と道下選手の男女優勝者。 
 

第69回別府大分毎日マラソン大会:メディア掲載記事まとめ

別府大分毎日マラソンの模様を多くのメディアにて紹介していただきました。
全文閲覧可能な記事をまとめました。

毎日新聞 掲載記事

道下が世界新2時間54分22秒 男子・堀越とアベック連覇 こちら

机に突っ込み転倒、諦めず優勝 堀越「今後につながる」 こちら
 
「ここで勝たなきゃ東京で勝てない」道下、耐えて世界新 こちら
 
青木、30キロで2位浮上 前回失速の終盤で成長 こちら
 
近藤さんパラ推薦枠逃す 昨年の乳がん手術から復帰 こちら
 
視覚障害二つの世界新 道下、井内「こんな私でも達成できた」 こちら
 
「見えないことを利用し集中力高める」 別大視覚障害者マラソン醍醐味と楽しみ こちら
 
写真特集 こちら

 

スポーツニッポン 掲載記事

道下美里 マラソン視覚障害女子で世界新!自らの記録を1分52秒更新「やりました!」 こちら

 

西日本スポーツ 掲載記事

3位山下慎治「自己ベスト出せたけど」東京内定ならず こちら 
 
世界記録1分52秒更新の道下美里「一年ずっとトンネル抜け出せず」 こちら
 
世界記録更新の道下美里、涙の理由 調整わずか1カ月…予定外の出走 こちら

 

第69回別府大分毎日マラソン大会 兼 第20回日本視覚障がい男子マラソン選手権大会 :リザルト

2月3日に開催された別府大分毎日マラソン、IPC登録の部のリザルトです。
左から順番に順位、記録、選手名、競技クラス、所属、都道府県、伴走者、備考となります。

男子
1 2:31:53 堀越信司  T12  NTT西日本        大阪 
2 2:33:37 高井俊治  T13  D2C           徳島  
3 2:34:05 山下慎治  T12  シーズアスリート    福岡   池澤暁   野本哲晃 
自己新
4 2:36:54 唐澤剣也  T11  群馬社福事業団     群馬   茂木洋晃  星野和昭 自己新
5 2:45:45 米岡聡   T11  三井住友海上      神奈川  柳澤威臣  宗形淳史 自己新
6 2:47:58 勝丸真至  T13  ウインドラン      東京
7 2:48:43 谷口真大  T11  ダイアログインザダーク 大阪   母原利之  横部貴之
8 2:54:02 加治佐博昭 T11  JBMA          栃木   豊島聡   北村拓也
9 3:10:32 岡村正広  T12  Run Web          千葉  
10 3:10:45 福原良英  T11  JBMA          東京   石川裕久
11 3:17:23 福永智洋  T12  長居わーわーず     大阪   久一清志  服部努
DNF  羽立祐人  T12  北極星AC         北海道  大槻学   青木健祐
 
女子
1 2:54:22 道下美里  T12  三井住友海上      福岡   青山由佳  志田淳 T12クラス世界新
2 3:10:40 青木洋子  T12  NTTクラルティ     東京   高田裕之  奥村直樹
3 3:12:08 近藤寛子  T12  滋賀銀行        滋賀   金子太郎  川嶋久一
 自己新
4 3:12:55 井内菜津美 T11  みずほFG         京都    澤田秀樹   鈴木洋平 T11クラス世界新
5 3:14:05 藤井由美子 T12  びわこタイマーズ    滋賀   上島学   武田浩志 自己新
6 3:16:45 金野由美子 T11  JBMA          東京   成田フサイ 落合新 自己新
7 3:21:13 西村千香  T12  岸和田健康クラブ    大阪   宮里康和  三野貴文 自己新
 
写真:女子T12クラスで世界新記録をマークした道下選手と伴走者の志田さん
写真提供・毎日新聞社
 

北海道マラソン2020 休止のお知らせ

2018年大会から視覚障がい者の部が設置いただき、開催されてきた『北海道マラソン』の2020年大会の休止が発表されました。
夏に開催されるマラソン大会は貴重であり、参加を楽しみにされていた方も多いかと思います。

 
2021年の夏には東京2020オリンピックのマラソンや競歩で使用されたコースを一部利用して開催されることになります。
一層魅力が増す『北海道マラソン』の開催を期待しましょう。
大会休止の理由など、詳細は大会HPをご覧ください。こちら
 

 

神宮外苑チャレンジフェスティバルPART2(広報インターン記事)

JBMAユニファイドラン開催 参加者笑顔で走りきる!!
鮮やかな黄色に染まった銀杏並木の下、走者たちが汗を流した。12月8日、第37回神宮外苑チャレンジフェスティバルJBMAユニファイドランが明治神宮野球場及び神宮外苑周回道路で行われた。日本ブラインドマラソン協会(JBMA)が主催するため、視覚障がい者が参加しやすい大会であるのが特徴だ。視覚障がい者の部、知的障がい者の部、一般の部でそれぞれ5kmウォーク、5kmマラソン、10kmマラソンが行われた。ゲスト走者としてはアテネ五輪女子マラソン日本代表の坂本直子さん、2019年のドーハ世界陸上50km競歩金メダリストの鈴木雄介、アトランタパラリンピック金メダリストの柳川春己さん、20年の東京パラリンピック出場内定選手の堀越信司、ヘルシンキ世界陸上マラソン代表の原由美子さんが参加した。
 

写真1 ゲストランナーの坂本直子さんに励まされ、笑顔をみせる走者
 
最高気温13℃と走りやすい気候と大勢の沿道の方々の応援がランナーの背中を押した。大会後は伴走教室が行われ、参加者らが実際に伴走者の実習を行い、ブラインドマラソンを体験した。
 
写真2:鮮やかな銀杏並木の下大会は行われた

村上 10kmマラソン優勝!! “拓也”コンビで難コースを乗り切る!!
 「優勝できたことは嬉しかった」と村上拓也(36)は笑顔をみせた。「10km視覚障がいの部男子39歳以下伴走あり」の部門で村上は1位でゴールテープを切った。伴走者の阿部拓也(48)のサポートもあり、見事栄冠を勝ち取った。伴走者の阿部は「声をかけてサポートできた」と振り返った。
村上が競技を始めたのは2年前。イベントでブラインドマラソン協会の職員に声をかけられたことがきっかけだった。練習で磨きをかけたスピードある走りで大会を制した。
ただ、決して村上に満足の表情はなかった。「本当は42分を切りたかった」。43分49秒に悔しさをみせた。今大会のコースは周回であるため、カーブやターンが多い。記録を出すのが難しいコースだ。「前回大会はターンの時に転んでしまった。今大会は転ばなくてよかった」と阿部もこのコースの難しさを語った。
目標は24年のパリパラリンピック出場だ。課題は「スタミナ強化」と村上は分析した。「フルマラソンでは後半ペースが落ちてしまう。まだまだ不十分」と今後さらなる強化を目指す。次に出場する大会は2020年2月の延岡西日本マラソンの予定だ。村上は「パリパラリンピックに出られるように日本代表にまずは入れるように」と意気込んだ。阿部は「僕一人じゃ日常的に練習することは難しい。いろんな人に声をかけて、村上さんをサポートして、一体感を持ってチーム作りをやっていきたい」と力を込めた。“拓也”コンビが進化した走りでさらなる高みを目指す。
 
写真3 「10km視覚障がいの部男子39歳以下伴走あり」で優勝した村上(右)と伴走者の阿部
 
ブラインドマラソンが人生を変えた 北牧 苦難乗り越え優勝!!
「10km視覚障がいの部女子40・50歳代伴走あり」で北牧希羊子(46)が53分02秒で優勝した。前回大会は故障のため出場できなかったが、見事今大会で栄光を勝ち取った。「優勝できたことは素直にうれしいし、光栄です」と語った。
ただ、記録には「納得していない」と話す。「本当は50分を切りたかった。このレースは走りやすいと思っていたが、想像とは少し違った」と振り返った。スタートの神宮球場には多くのランナーがコースを埋め、なかなかスタートから前に出ることができなかった。その遅れが記録に影響した。伴走者の杉山隆(59)は「ちょっとスタートが狭くて、前に出られなかった」と悔しさをみせた一方、「中盤の粘り強い走りは素晴らしかった」と褒めたたえた。
競技を始めたきっかけは大切な存在との突然の別れだった。北牧の祖母、姉、さらに「息子のような存在」と語るペットが1年のうちに相次いで他界した。つらい出来事が続き「正直、死のうと思った時期もあった」と涙を流した。だが、「それじゃいけない」と奮起し、走り始めた。運動が苦手な北牧は健康を手に入れるだけでなく、ブラインドマラソンが人生の支えになっている。
杉山とペアを組んで8年。お互いに言いたいことを言い合える関係になるまでの絆が生まれた。「尊敬も期待も信頼もしている」と北牧が語れば、杉山も「本当に粘り強い選手です。性別の違いはあるがレースの運びは本当にお手本にしている」と北牧をリスペクトする。
北牧は今後の目標に具体的な大会を述べることはなかった。「普段走ることを許してくれている家族、練習や試合に付き合ってくれる伴走者の人たちなど、支えてもらっている人たちに報いる走りをしたい。がっかりさせないように喜んでもらいたい。そのためにいつもベストをつくしていきたい」と北牧は力強く語った。
 

写真4:表彰式で北牧(右から4人目)と伴走者の杉山(右から3人目)は笑顔を見せる
 
JBMA主催ならでは!! 大会を支える人々たち
大いに盛り上がった今大会だが、視覚障がいの参加者に寄り添った姿勢がみられた。ゴール付近には記録証に点字を打つブースがあった。日本点字図書館の職員たちが協力し、手際よくかつ正確に点字を打ち込んでいた。「記録証」、「名前」、「種目」、「順位」、「記録」の5種目に点字を入れる。日本点字図書館の元職員の小野俊己さんによると第3回大会から点字を打つサービスを始めたという。重要なのは間違えがないようにすること。まず、名前の読みを確認し点字を入れ、さらに入れ終わったあとも、参加者に確認してもらうのだ。点字を入れていた日本点字図書館庶務課の片桐麻優さんは「記録証は一個しかないので、限られた時間内で、間違えないよう仕事をしなければならないところが気を遣いますね」と語る。走った証を肌で感じることができる点字。だが、小野さんは「近年点字の利用者が減ってきている」と語る。点字の習得には1から2年かかることや、音声により本を読める機能やパソコンの音声機能などの普及などが点字利用者の減少の理由だという。点字普及のためにも小野さんは「点字を学べる場がより身近にあるように増えてほしい」と願った。日本点字図書館は視覚障がい者が社会で自立できるように様々な情報、サービスを提供している。これからも点字を通してブラインドマラソン、視覚障がい者を支えていく。
 

写真5 記録証に点字を入れていくスタッフの方々
 
さらにJBMA主催ならではの取り組みはレース後にもあった。全てのレースが終了した後、伴走者研修が行われた。実際にアイマスクを着用し、階段を昇り降りする人をサポートする体験や、伴走体験が実施された。一般の部で5kmマラソンに参加後、伴走者研修に参加した高淑釧(こう・しゅくせん、49)さんは「選手を引っ張るのではなく合わせるというのが大事ということを聞けて良かった」と充実した表情を浮かべた。
高さんが印象に残ったのは、実際に視覚障がいの選手と走った際に言われたことだった。走った場所は神宮球場のグラウンドで、特に障害物もカーブもなく、平坦な道だった。高さんは何も選手に伝えずに走らなかった。だが、選手は高さんに「障害物ないですよね?」と声をかけた。高さんは「見えないから心配なんだという理解が足りなかった。『障害物ないですよ』とか『まっすぐ行きましょう』とか言えばよかった。自分が何もないから大丈夫と思っても、本人は心配。そういう気づかいが足りなかったと思った」とハッとさせられた。
ただ選手を走らせる、歩かせるのではなく、安心させることが大事という講師からの話に、参加者らは真剣な表情で耳を傾けていた。
 

伴走体験をする高さん(右)
 
取材後記
記者は今まで北海道マラソン等、記録や順位が重要視される大会を取材してきた。だが、今大会は『ユニファイドラン』とうたわれているように、「走ることを楽しむ」ことに重点が置かれたようだった。また、JBMAが主催する大会とあり、レース後は伴走者研修が行われたことや、記録証に点字を入れるブースがあるなど、視覚障がい者の選手に優しい大会だった。
だが、伴走者研修の参加人数が数十人程度ということだったという寂しい風景も見た。一般の部に参加した選手たちはレースが終わると、そのまま帰路につく人が多かった。「平坦で安全な道でも声をかけてもらわなければ、視覚障がいの方々は不安なんだ」という高さんの学びは記者も大変参考になった。
次大会は今大会よりさらに多くの人が研修に参加する。そんな光景が広がっていることを願ってやまない。
 
講師の指導を聞く伴走研修参加者たち
 
記事・写真 法政大学 藤原陸人
 

神宮外苑チャレンジフェスティバルPART1(広報インターン記事)

2019年12月8日(日)、早朝は肌寒かったが一日通して晴天に恵まれ、10AM頃からは心地よい気温となりランナーにとっては走りやすい気候であったのではないだろうか。そんな中行われたのが「神宮外苑チャレンジフェスティバル第37回JBMAユニファイドラン」だ。この大会は障がいがあるランナーと一般ランナーが同じコースを同じ時間にスタートしてすべてのランナーが楽しくマラソンという競技を楽しむことをコンセプトとしている。
会場は神宮球場および神宮外苑周回道路で10㎞、5㎞、5㎞ウォーキングの3つの部が設けられていた。ゲストランナーも豊富であった。2019世界陸上ドーハ大会の50km競歩の優勝者であり、20㎞競歩世界記録保持者の鈴木雄介選手、2004年アテネオリンピック女子マラソン日本代表・7位入賞の実績を持つ坂本直子さん。アトランタパラリンピックでブラインドマラソンとして日本人初となる金メダルを獲得した柳川春己さん。4種目でアジア記録を持ち、東京2020パラリンピックでのメダル獲得を目指しトレーニングを積んでいる堀越信司選手。そして2005世界陸上ヘルシンキ大会女子マラソン6位の原由美子さんも参加していた。このような陸上界を長年引っ張り、実績を上げてきた選手が今大会をさらに盛り上げた。
 
写真1 堀越選手(前列左から2番目)、鈴木選手(前列左から3番目)と共に一般ランナー、障がい者ランナー同時にスタート 
 
今回の取材で注目した点は、障がい者(今大会では視覚障がい者と知的障がい者の方が参加していた)のスポーツへの取り組み方からくる健常者との繋がりである。今大会は、誰もがスポーツを楽しむことを第一に掲げており、パラリンピックなどの本格的な競技として取り組むことを目指すという大会ではない。あくまでもスポーツは障がいを持っていたとしても気軽に行え、生活の質を豊かにすることができるというメッセージを持った大会ではないのかと感じた。
しかし、視覚障がい者の場合、一人で走ることが難しい人もいるだろう。そのような人の手助けとなるのが伴走者だ。伴走者とは視覚障がい者が一人で走ることが困難な場合、お互いにロープをもって一緒に走り、視覚障がい者の走行をリードする役割を持つ。伴走者は一緒に走る際に方向指示、路面の変化・状態などを声に出して的確に伝え、視覚障がい者のペースに合わせながら走っている。その結果2人の足は常に揃い、息の合った足運びで駆け抜けている。
 
写真2 阿吽の呼吸で駆け抜けるランナー

また、今大会を支えるスタッフにも注目したい。スタート、ゴール地点となった明治神宮野球場内外にはたくさんのテントが設置されており、そこには多くの障がい者を支える団体がサポートを行っていた。例えば完走証への点字入力サポートなどがなされていた。特に特徴的だったのが、日本の風物詩ともいえるであろう箱根駅伝に出場するような大学などの陸上部員が今大会にボランティアとして参加していた。給水所ではその学生たちが元気に声を出しながらランナーをサポートする姿がうかがえた。
 
写真3 ランナーに給水を渡す大学の陸上部員
 
学生たちは大会終了後にブラインドマラソン協会役員の鈴木邦雄さんから伴走講習を受けており、自分たちがこれまでやってきた陸上競技で障がい者の支援につながることを認識できたのではないかと思う。学生の一人に話を伺ったところ「まだまだ障がい者の支援(日常生活を含め)について知識がなく自分ができるのか不安ではあるが、まずは自分がやってきた陸上競技を活かして伴走者をやってみたい。」と語ってくれた。

写真4 大会後、伴走研修を行う鈴木邦雄さん
 
今大会はスポーツとは記録を狙うだけでなく誰もが出来て、生活の質を向上するために必要なことであること。また障がい者が支援を求める場合その支援は今からでもでき、それは自分の身近なことからスタートすることができることを教えてくれたのではないかと思う。私たちのような若い世代が助け合うというマインドセットを日ごろからやっておくことは重要なことであろう。
 
写真・記事 杏林大学 船越卓人

第69回別府大分毎日マラソン大会 兼 第20回日本視覚障がい男子マラソン選手権大会 :エントリーリスト

2月2日に行われる別府大分毎日マラソンに参加するIPC登録選手のエントリーリストです。
左から順番にNo、選手名、競技クラス、所属、都道府県、伴走者となります。

51 堀越信司  T12  NTT西日本        大阪 
52 岡村正広  T12  Run Web          千葉  
53 高井俊治  T13  D2C           徳島  
55 山下慎治  T12  シーズアスリート    福岡   池澤暁   野本哲晃
56 谷口真大  T11  ダイアログインザダーク 大阪   母原利之  横部貴之
57 勝丸真至  T13  ウインドラン      東京  
58 米岡聡   T11  三井住友海上      神奈川  柳澤威臣  宗形淳史
59 羽立祐人  T12  北極星AC         北海道  大槻学   青木健祐
61 唐澤剣也  T11  群馬社福事業団     群馬   茂木洋晃  星野和昭
62 加治佐博昭 T11  JBMA          栃木   豊島聡   北村拓也
63 福原良英  T11  JBMA          東京   石川裕久 
64 福永智洋  T12  長居わーわーず     大阪   久一清志  服部努
71 道下美里  T12  三井住友海上      福岡   青山由佳  志田淳
72 青木洋子  T12  NTTクラルティ     東京   高田裕之  奥村直樹
74 近藤寛子  T12  滋賀銀行        滋賀   金子太郎  川嶋久一
75 藤井由美子 T12  びわこタイマーズ    滋賀   上島学   武田浩志
76 金野由美子 T11  JBMA          東京   成田フサイ 落合新
77 西村千香  T12  岸和田健康クラブ    大阪   宮里康和  三野貴文
78 井内菜津美 T11  みずほFG         京都    澤田秀樹   鈴木洋平
 
大会公式HPはこちらとなります。
 

東京パラ:「パラリンピックマラソン」PRリーフレット完成

東京都作成による「パラリンピックマラソン」PRリーフレットが完成しました。
9月6日(日)に行われるパラリンピックマラソンを広く周知し、気運の盛り上げを図るとともに、
オリンピックスタジアムや沿道での観戦を促進するためのリーフレットとなります。
 
今後、パラスポーツ関連イベントや、都庁など関連施設で配布されます。
事前の情報収集や観戦のお供にご活用ください。

詳細は東京都オリンピック・パラリンピック準備局のHPをご覧ください。こちら

 

ブラインドマラソン歴代記録の更新

12月に開催された二つの大会で歴代記録を更新する記録が誕生しています。

12月8日 第5回さいたま国際マラソン 
女子T11クラス 水野麻美さん 3時間28分19秒 歴代5位

12月15日 第50回防府読売マラソン
男子T12クラス 山下慎治選手 2時間39分13秒 歴代4位
男子T13クラス 勝丸真至選手 2時間44分20秒 歴代5位 

女子T11クラス 金野由美子選手 3時間17分20秒 日本新
女子T12クラス 青木洋子選手 3時間09分55秒 歴代2位


歴代記録はこちらをご覧ください。http://jbma.or.jp/blind/record/

 

メディア掲載情報:ゆうゆうゆう 青木洋子選手「駆け抜けるゴールへ、未来へ」<前編>

ゆうゆうゆうに青木洋子選手とオリンピック2大会連続のメダリストの有森裕子さんの対談前編が掲載されています。
5年前にも青木選手と有森さんの対談外行われており、青木選手がアスリートとして変わるきっかけになったそうです。
競技を続けていく中での、モチベーション維持、やる気が沸く瞬間などについて語られています。
記事はこちらのゆうゆうゆうのHPをご覧ください。後編もお楽しみに。