
第70回記念別府大分毎日マラソン:レース記事【男子】

2022年2月6日に開催された第70回記念別府大分毎日マラソンにおいて、歴代記録を更新する記録が3つ誕生しました。
男子T11クラス
和田 伸也 2時間26分17秒 世界記録 歴代1位
唐澤 剣也 2時間28分26秒 歴代2位
女子T12クラス
和木 茉奈海 3時間26分39秒 歴代8位
和田選手と唐澤選手はそれまでの世界記録2時間31分59秒を大幅に更新する見事な走りを披露してくれました。
なお、ハーフの通過記録の唐澤選手1時間12分30秒、和田選手1時間12分31秒もそれまでのハーフの世界記録を更新しており、マラソンと共に世界記録として申請中です。
歴代記録はこちらをご覧ください。http://jbma.or.jp/blind/record/
これからも、選手へのご声援よろしくお願い致します。
大分の地に2年ぶりに号砲が鳴り響く。新型コロナウイルスの影響により1年の延期を経て開催される、第70回記念別府大分毎日マラソン大会(別大マラソン)兼第22回日本視覚障がい男子マラソン選手権大会。感染拡大の煽りを受け、大会規模が一部縮小されたが、予定通り開催される視覚障がいの部には、男子7名、女子6名が出場する。
視覚障がい男子にとっては日本選手権と位置づけられる本大会では、史上最高レベルの頂上決戦が予想される。東京パラリンピックのマラソンで銅メダルを獲得した堀越信司選手(T12、NTT西日本)、同じくパラリンピック日本代表としてマラソンを走り、過去には別大マラソン連覇の経験もある熊谷豊選手(T12、三井住友海上)、昨年12月の防府読売マラソンで自己ベストでの優勝を飾った高井俊治選手(T13、D2C)での三つ巴での優勝争いとなるか。
しかし、上記3選手を追う選手も実力者揃いだ。スタートリストには、東京パラリンピック1500m、5000mで2つずつメダルを獲得したスピードを持つ和田伸也選手(T11、長瀬産業)、唐澤剣也選手(T11、群馬社福事業団)、東京大会ではトライアスロンに出場し銅メダルを獲得した米岡聡(T11、三井住友海上)の3名のパラリンピックメダリストに加え、2年前の本大会でT12クラス日本歴代4位の好記録を出している山下慎治選手(T12、コロプラ)が名を連ねており、勝負にも記録にも期待がかかる。
前日の記者会見に参加した堀越選手は、次のパリパラリンピックでの金メダル獲得を長期的な目標に掲げる中、「とにかく今回は世界を意識したペースで走っていくということを一つ大きなテーマ及び課題としている。3分20秒/km、16分40秒/5km前後のペースでいけるところまで行って、しっかり耐えて帰ってくるということができればいい。」と世界を意識した走りへの意欲を示した。
写真:大会に向けた意気込みを表す堀越選手と道下選手
一方の女子の部も、記録更新や若手の台頭に注目だ。東京パラリンピックのマラソンで金メダルを獲得し、名実共に世界のトップに立つ道下美里選手(T12、三井住友海上)は前日記者会見の場で、「この別大マラソンまでが私の東京大会の続きかなと思っている。自身の記録を更新できるようにしっかりと最後まで粘りきって走ってゴールを目指したい。」と自らの走りで、競技を支える人への感謝を示すことへの強い思いを語った。今回は一般選手の出場が制限されたこともあり、道下選手と近いタイムで走れる選手が少なく、単独走となることも予想されているが、「自分のペースで走れるのは利点」と前向きに捉え、4度目のフィニッシュテープを目指す。
道下選手を追うのは3時間10分台の記録を持つ、井内菜津美選手(T11、みずほFG)、近藤寛子選手(T11、滋賀銀行)、西村千春選手(T12、岸和田健康クラブ)、金野由美子選手(T11、JBMA)の4名だ。近い記録を持つ4選手でペースを作り、良いリズムで前を追ってもらいたい。T11クラスでは、東京パラリンピックで海外選手に塗り替えられた世界記録を再度日本勢で更新なるかにも注目だ。
さらに、昨年12月の防府読売マラソンで3時間30分を切る自己ベストを出し今大会の切符を掴み取った、若手成長株筆頭の和木茉奈海選手(T12、JBMA)も出場が予定されており、さらなる記録更新となるか、こちらも見どころの一つとなってくる。
本大会は別府湾沿いを走るコースだが、明日は北北東の風6mの強風が予報されており、スタートから10kmと、35km以降のラスト7kmで向かい風が想定される。冷たい海風に耐え、大分市営陸上競技場に一番に帰ってくるのは誰か。レースは2月6日12時スタートだ。
文責、写真:太田萌枝
2月23日に開催が予定されていました「第12回お台場駅伝競走大会」は、新型コロナ感染症の感染拡大のため中止になりましたので、お知らせいたします。
来年度開催できることをお祈りします。
第5回日本パラスポーツ賞(読売新聞社制定)の表彰式が19日、東京・虎ノ門のホテル「The Okura Tokyo」で行われ、マラソン金メダルの道下美里選手(協会強化指定選手)が大賞を受賞しました。
かすみがうらマラソン大会(4月17日)の視覚障がい専用電話エントリーが始まりました。
本日(17日)から21日(金)までとなっています。
電話番号;03-6869-1096
受付時間;10:00~17:00
高井俊治 男子1位 2:29:39 D2C 自己新
今回の防府読売マラソンに向けて8月から10月まで月800kの走り込みを実施してどのような状況でも自己記録の更新を確実に達成する強い覚悟でスタートラインに立ちました。
当日のコンディションは非常に厳しい強風が吹き荒れていましたが時より覗かせる太陽の陽射しが暖かく感じそこまで走りにくいとは感じませんでした。
私の選んだ集団も運が良く大集団となり設定していたタイムよりやや速くなりましたがそれでも準備してきた体力の範囲内で最後まで行けそうな感じでした。
32k で集団についていけなくなりましたが未知のペースにもかかわらず30kの壁もクリアし残りはただひたすらに競技場を目指しました。
後半10kは時計を見る事もなく身体と足を1秒でも速く動かすことを考えて走りました。結果は自己記録を1分以上更新しこれまで目標にしてきた2時間30分も突破出来ました。
これまで強化合宿、富津練習会にて愚直に走り込んできたことが表現出来たことを大変嬉しく思います。
ここからがマラソンのスタートラインだと思うので更に飛躍出来るよう精進致します。ご声援誠にありがとうございました。
山下慎治 男子2位 2:41:12 コロプラ 伴走者:山下克尚、山領駿
今シーズン最初の大会は強風に苦しんでしまい、目標としていていたタイムに届かない結果となってしまいました。
いま取り組んでいる体幹強化を引き続きおこない、今後は風に負けない身体作りをしていきます。
応援していただきました皆さま、ありがとうございました。
米岡聡 男子3位 2:48:23 三井住友海上 伴走者:柳澤威臣、山口遥
いつもたくさんのご支援、ご声援ありがとうございます。
久しぶりのマラソン、準備はしてまいりましたが、しっかりとマラソンの苦しさ、しんどさを感じるレースでした。
なかなか想定通りにはいかないところもありましたが、次に向けての課題も明確になりましたので、別大マラソンに向けて、
引き続き、一歩ずつ取り組んでまいりたいと思います。
今回もサポートいただいたガイドの二人、大会事務局の皆様、スタッフの皆様、誠にありがとうございました。
写真1:伴走者交代をする山下慎治選手と山領ガイド、山下克尚ガイド
道下美里 女子1位 2:54:13 三井住友海上 伴走者:北村拓也、河口恵
いつも応援ありがとうございます。本大会は,,十分な練習が出来ていない中で臨みましたが,次の大会にむけてレース感覚を取り戻すこと,
昨年失速したラスト向かい風区間をしっかり上げて終えることを目標に走りました
思い描いたとおりのペースで後半ペースアップできたことは,大会に参加されたランナーの皆様が道を譲ってくださったり,
伴走の二人が安心安全に最後までリードしてくれたこと,そして何より地元山口県の皆様をはじめ,たくさんの熱いエールをいただきながら走ることができたからだと思っています。
むかい風の中でもラストまで力むことなくリズムを維持できたことは自身の収穫でもありました。本年度はまだ慌ただしいスケジュールではありますが,
徐々に練習量を増やし,次の大きな大会に備えていきたいと思います。応援本当にありがとうございました。
近藤寛子 女子2位 3:15:10 滋賀銀行 金子太郎、川嶋久一
コロナ禍の中で開催いただいたこと、また一般の選手との接触もなく、レース前にもストレスなく過ごせるご配慮いただくななど、感謝の思い出す。ありがとうございます。
結果は女子の日本選手権2位。限りなく自己ベストに近づけたい思いはありましたが、思いの外きつい展開だったので、ここはあきらめずにしっかり自分の走りをすることに集中しました。
あきらめなくてよかったと思えたゴールでした。
年齢的な体調の変化もありましたが、夏から少しずつ積み上げて、まずはここに向けて仕上げてきました。ここをステップとして、次は相性のいい別大!しっかりと調整していきたいと思います!
井内菜津美 女子3位 3:18:56 みずほFG 伴走者:桂聡史、鈴木洋平
更新されてしまったT11クラスの世界記録奪還をめざし、防府読売マラソンは3時間10分切りを目標にトレーニングを続けてきました。
レース前半は設定ペース通り走れていましたが、向かい風や寒さの影響を受けて体力が思った以上に消耗し、30km以降失速してしまったことで、
とても悔しいレースになりました。このレースで明らかになった課題を改善して次の別府大分毎日マラソンで自己記録更新を狙います。
今回もたくさんの方々の応援・サポートのおかげで最後まで諦めずに走ることができました。本当にありがとうございました。
そして新型コロナウイルス感染症への不安もある中で、万全な感染対策で大会を開催してくださったすべての関係者の皆さまに感謝いたします。
金野由美子 女子4位 3:23:15 JBMA 伴走者:松浦幸雄、落合新
東京パラ選考レースの後故障してしまい、ほぼ一年走れずにいました。
今年4月から練習を再開して、この大会を復帰レースとして目標に練習をしてきました。
今シーズンはトラック練習がほとんどできず、スピードにやや不安はありましたが、秋からの合宿にも参加し距離走などはできていたので、当日は自己ベストを目標にスタートしました。
しかしそう甘くなく、後半大失速してしまいました。
強風の影響もありましたが、やはりまだベストを狙うだけの脚ができていないことを痛感しました。
それでもラスト35キロ過ぎから、少しでもペースを取り戻してゴールできたことは、次の試合に繋げられるのではないかと思っています。
次の別台も頑張ります。
このコロナ禍の中で、大会を開催していただいたことに心から感謝いたします。
和木茉菜海 女子5位 2:28:51 出野ひろみ、丸一晃子 自己新
今回の大会ではコロナ禍ということもありフルマラソンを走るのが一昨年の防府マラソン以来と言うこともあり、スタート前は少し緊張していました。
スタートしてからは、自分のペースで走ることだけを心がけていました。
30キロ過ぎてからペースが落ち苦しい状況ではありましたが、沿道の方々や周りのランナーの方々による応援の言葉、今まで支えていただき走ってくださった伴走の方に励まされ無事ゴールをすることができました。
結果は、自己記録を16分6秒上回ることが出来、目標としていた3時間30分を切ることができました。
今回の結果に満足することなく、出場する大会では常に自己ベストを更新できる様、練習に励みたいと思います。
今後とも応援のほどよろしくお願いいたします。
西村千香 DNF 岸和田健康クラブ 伴走者:宮里康和、庄司彰義
今回怪我をした脚の調子により途中棄権という経験をしました。その選択をしたのは自分自身なので数少ない残りのレースとなりますが地道に積み重ね結果を出したいと思っています。
日々の練習にご協力くださる伴走者と応援してくださる皆様本当にありがとうございました。また今大会を万全なコロナ対策で開催してくださいました大会関係者様、スタッフの皆様に心から感謝いたします。
写真2:手渡しによる給水を受け取る金子ガイドと近藤選手
1月16日(日)に、東京クラブ様と合同での開催を予定しておりました「JBMA代々木公園練習会」は、新型コロナウイルス感染症の感染状況悪化のため、中止いたします。
大変残念ですが、ご理解いただけますようお願いいたします。
2022年1月7日 特定非営利活動法人日本ブラインドマラソン協会事務局
毎回、視覚障がいの部を設けていただいている「第12回お台場駅伝大会」の
要項が発表されましたので、ご案内します。
開催日;令和4年2月23日(水・祝)
会場;お台場シンボルプロムナード公園(東京都江東区青海1-3ー12)
種目;1区間2.6㎞×5区間、13㎞
エントリー受付期間;1月5日~1月26日
問い合わせ先;Kissポート財団スポーツ事業課
(℡;03-5439-6201 e-mail;sportsjigyo@kissport.or.jp)
詳細は、以下のHPをご覧ください。
https://runnet.jp/entry/runtes/user/pc/competitionDetailAction.do?raceId=292634&div=1
「防府は私をマラソン選手として育ててくれたレース。」(道下美里選手、T12、三井住友海上)地元への感謝の気持ちを胸に挑んだ凱旋レースは、充実の内容となった。視覚障がい女子の部において日本選手権ともなる第52回防府読売マラソンは、東京パラリンピック覇者の道下選手が2時間58分06秒で圧巻の5連覇。3時間切りの好タイムでパラリンピックイヤーを締めくくった。また、同T12クラス期待の若手、和木茉奈海選手(T12、大阪陸協)は自己新記録を樹立。今後の課題と次の目標を見つけた、実り多き大会となった。
視覚障がい女子の部には、2人の他、近藤寛子選手(T11、滋賀銀行)、井内菜津美選手(T11、みずほFG)、金野由美子選手(T11、JBMA)、西村千春選手(T12、岸和田健康クラブ)の計6名が出場し、伝統ある大会で日本一の座を争った。
昨年にはT12クラスの世界記録を樹立するなど、コースのことは知り尽くしている道下選手。スタート後約3km続く直線コースを含む最初の5kmは、向かい風の影響もあり、21分32秒と落ち着いた入りとなったが、その後は徐々にペースを上げていく。「後半上げていくような走りをしたいと思っていた」という言葉どおり、中間点を通過したあとは5kmあたりのラップタイムを20分50秒台までビルドアップ。25km地点を超えてから待ち構える二度のアップダウンももろともせず、スピードを維持したまま競技場へ姿を見せると、2時間台で五度目のフィニッシュテープを切った。
写真1 堂々の優勝を飾った道下選手と河口ガイド
今大会は、小柄な女子選手にとっては特に過酷な条件に思える、強風を伴うコンディションとなった。そんな中でも、見事思い描いた通りのレースを展開して見せた道下選手。その要因は今夏の東京パラリンピックに向けて積んできたトレーニングによって作られた強いフィジカルにあった。「腰と背中とお尻の動きが繋がってきた感じがする」と自身でも振り返った通り、体幹が強化されたことで腰が落ちにくくなり、レース後半にもストライドを保つことが可能になった。自らの目標に向かい、常に進化をし続けるトップアスリートが次に目指す場所とは。強い絆で結ばれた伴走者や、たくさんの声援を背に輝きを増す姿から目が離せない。
自身初の3時間30分切りとなる、3時間28分51秒で5位入賞を果たした和木選手は前半から積極的に入り、5kmあたり24分20〜30秒前後のラップを維持しながらレースを進める。コースの起伏や向かい風の影響も受ける後半はペースを落としたものの、伴走者の声掛けに力をもらいながら、ゴールラインまで全力で駆け抜けた。「前半貯めた分を後半に使ってしまった。後半もっと粘っていけたら(3時間)25分を切るようなところも目指せるかな。」(和木選手)自身のレースをそう振り返った和木選手。その心はすでに、今回自ら切符を掴み取った別府大分毎日マラソンに向いていた。来年2月、どんな走りを見せてくれるのか。今後の活躍が楽しみだ。
写真2 自己ベストをマークした和木選手と丸一ガイド
文責・写真:太田 萌枝
2022年3月5日(土)に開催が予定されていました「第11回日産ふれあいロードレース大会」は、残念ながら中止となりました。
詳細は、以下をご確認ください。
Copyright © Japan Blind Marathon Association. All Rights Reserved.