JBMA_WebRep のすべての投稿

【インタビュー】リオパラリンピックを終えて

リオパラリンピック集合写真

 

 

岡村正広(第3位)

酷暑のレースとなったが、長年の経験を活かして、夏マラソンへの適応力、対応力を存分に発揮し、レース終盤も力強く走り通すことができた。
念願だったメダルを獲得することができ、素直に喜びたいです。
この4年間リオでのメダル獲得だけを目指し、全力で取り組んできました。今は何も考えられず、今後のことはお休みをいただきながら、決めていきたいと思います。

 

堀越信司(第4位)

想定していた通り、暑い中でのレースとなりましたが、自分の力不足からメダルを逃してしまい、悔しい気持ちしかありません。同じレースを走っている以上、他の選手も条件は同じなので、暑さも言い訳にはならないと思います。そしてメダリストに敬意を表します。
今後はマラソンの経験を積みながら、結果を出すことができるように頑張っていきたいと思います。
応援していただき、ありがとうございました。

 

和田伸也(第5位)

出場3種目ともに入賞でき、今持てる力をすべて発揮することができました。
トラック種目では特に、1500mで決勝に進めたのがよかったと思いますし、予選、決勝ともに日本記録を更新する最高の走りができたと思います。
マラソンでは、35℃の暑さの中、後半ハーフを1分以上あげ、他の選手が苦しむ中、順位をあげることができました。想定した通りのレースをすることができ、自分の持ち味を十分発揮できた走りだったと思います。それは、ガイドでともに闘っていただきました中田さん、行場君のおかげです。大変感謝しております。ありがとうございました。
 4年前と比べ、世界のライバルたちのレベルアップを痛感いたしました。私もこの4年で強化を進められたと思っていますが、それを上回るレベルで、今持てる力をすべて発揮しても、かなりの力の差を見せ付けられた大会となりました。
今後、その差をどう埋めていくのか、現状をすべて見つめ直して、どうしたら更に上のレベルの走力を身につけられるのか。その課題を克服していかなければ、世界と闘うには絶望的な状況にありますので、帰国して少しゆっくり考えて、早々に実行に移していかなければならないと考えています。

 

行場竹彦(和田 前半ガイド)

自身が伴走したのはマラソンのみでしたが、サポートしたトラック種目も含め、和田さんは3種目ともに力を出し切って良く戦ってくれました。
事前の合宿から頑張りをみてきただけに、この場で一緒に走れたことを嬉しく思いました。
レースの着順は相手がいることなので、こちらではどうしようもない部分もあります。いずれも狙ったレースをすることはできました。
今後に向けては個人としてはまだ課題がたくさんあるので、ひとりで練習するときも伴走の技術的なことを意識していきたい。
和田さんは2020東京大会も目指すので、そこへ向けての強化も話し合い、さらにお互い力を高め合いたいと思います。

 

中田崇志(和田 後半ガイド)

応援ありがとうございました。
和田選手、行場ガイドと共に3種目(マラソン、5000m、1500m)に挑み、全てで入賞することができました。2020東京で更に良い成績を出すべく、今後も全力で取り組んで参ります。

 

道下美里(第2位)

日本からたくさんの応援ありがとうございました。気温30度を上回り、過酷なレースでしたが、皆さんの応援のおかげで最後まであきらめず粘り、銀メダルを獲得することができました。同時に悔しさも課題も残るレースとなりました。年末の防府マラソンでは世界記録更新を目指して頑張ります。
ガイドの堀内くん、青山さんをはじめ、JBMA、チームスタッフの皆さん、応援いただいた皆様に心から感謝しています。
本当にありがとうございました。

 

青山由佳(道下 前半ガイド)

本当に多くの方に支えられながら走ることができ、ありがとうございました。
悔しい銀メダルですが、今出せる力は出し切れたと思います。今後もさらに上を目指して励んでいきますので、応援よろしくお願いします。

 

堀内規生(道下 後半ガイド)

想定していた暑さ、展開となり十分勝負できるものだと臨んだが、相手が強かった。最後まで何が起きるか分からないので、前を向き続けること、一つでも上の順位を獲得したい一心で後半の追い上げができた。
目標は金メダル。及ばなかった現実を受け止め分析し、今後のトレーニングにリンクさせたい。
競技力向上はもちろん、パラの世界の魅力を姿からも感じてもらえるような活動を行っていきたい。

 

近藤寛子(第5位)

世界の舞台で暑い熱いレースとなりました。
二人の伴走者に支えられて、そして多くの方々に支えられてこれまでの自分の死力を尽くして走ることができました。
心から感謝の気持ちで一杯です。
5位入賞。大きな自信にして2020東京に向けてスタートします。

 

日野未奈子(近藤 前半ガイド)

近藤さん、ガイド含めて初めての海外でのレースとなったが、「いつも通り」を心がけて万全の状態でレースに臨むことが出来たことが今回の結果につながったと思う。
今大会での経験を活かし、今後さらに飛躍できるよう、努力を続けていきます。
応援ありがとうございました。

 

川嶋久一(近藤 後半ガイド)

後半伴走を受けた時点で近藤さんに余裕があったので必ず、最後まで走り切れると思った。
別大マラソン以降、足底筋の故障、夏合宿中の体調を考えれば満足のいく結果であった。
トラック種目のスピードを強化して更なるレベルアップに努めてほしい。

 

西島 美保子(DNF)

リオに入り体調もよく暑い名でのレースも経験しているので絶対、良い形でゴールできると信じてスタートラインに立ちました。前半は設定タイムを守り、やや余力を残して後半の伴走者に変わりました。ところが、30k付近から身体の動きがおかしくなり、33k位で倒れてしまいました。気が付いた時は医務室のベッドの上でした。
北海道マラソンを走り、暑さは大丈夫と油断もあったかと思います。
給水はこまめに取っていましたが、もう少し水をかぶり身体を冷やす事も必要だったと思います。
大事なレースでゴールにたどりつけなかったのは、非常に残念です。
来年のロンドンマラソンの選考に向けて、防府マラソンで記録を残したいです。

 

溝渕 学(西島 前半ガイド)

設定タイム通り、後半に備えていい走りができた。
暑さ対策を行ってきたつもりだったが、まだ何か足りない部分があると思う。
もっと余力を持って走りきる力をつける必要がある。

 

鍵修一(西島 後半ガイド)

暑い中のレースになったが前半は合宿などの成果もあり、上手く走れていた。
ゴールできなかったことが残念で悔しい!
急なトラブルで対応ができなかった。
体力不足を考えて、更なる食事、練習内容の検討をしていく必要がある。

 

 

リオ パラリンピック 男女マラソン(広報インターン記事)

メダル獲得の道下選手と岡村選手                                                       日本盲人マラソン協会

 

リオデジャネイロパラリンピック、陸上競技の最終種目となったのは男女のマラソンだった。T11/12(視覚)クラスには、日本から男女合わせて6人のブラインドランナーが参戦。男子では岡村正広選手(千葉県立千葉盲学校)が銅メダル、女子では道下美里選手(三井住友海上)が銀メダルを獲得し、アベックで表彰台に立つという快挙を成し遂げた。

さすがは南米と言ったところか。スタートからすでに強い日差しが照りつける中で、レースが始まった。T12男子マラソンに出場したのは岡村選手、堀越信司選手(NTT西日本)、和田伸也選手(賀茂川パートナーズ)の3名。序盤は岡村選手と堀越信司選手が4位前後で並走し、和田伸也選手が後方から歩を進めるというレース展開に。「この4年間リオでのメダル獲得だけを目指し、全力で取り組んできた」という岡村選手は25キロをすぎて一人旅となったが、マラソンの鬼門と呼ばれる30キロ以降もペースを落とさずに走り続ける。「長年の経験を活かして、夏マラソンへの適応力、対応力を存分に発揮し、レース終盤も力強く走り通すことができた」と、酷暑の中のレースに対応し、見事3位で銅メダルを獲得。その後塵を拝し4位でフィニッシュとなった堀越選手はゴール後、悔しさをあらわにしながらも、「みんな同じ条件だから暑さは言い訳にならない。メダリストに敬意を表します」と、岡村選手らを讃えた。一方、後半から大幅なペースアップを図った和田選手は終盤に5位に浮上しゴール。今大会で1500メートル、5000メートル、そしてこのマラソンの3種目全てで入賞を果たすという離れ業をやってのけた。

今大会から初めて採用されたT12女子マラソンには道下選手、近藤寛子選手(滋賀銀行)、西島美保子選手(日本盲人マラソン協会)の3名が出場。道下選手は序盤、落ち着いたラップを刻みながらレースを進める。その軽快なピッチは距離を追っても落ちる気配はなく、30キロ付近で2位まで浮上。その時点で先頭との差は5分近く開いており、その背中に迫ることはできなかったものの、最後までペースを落とさず走りきり2位でフィニッシュした。自己ベストでは出場選手ランキングトップの記録を持っていただけに「悔しさも課題も残るレース」と語ったが、3時間06分52秒で見事銀メダルを獲得した。近藤選手は5位入賞を果たし、「大きな自信にして、2020東京に向けてスタートします」と語った。また、西島選手は30キロ過ぎにアクシデントがあり、途中棄権を余儀なくされ無念のリタイア。西島選手の後半ガイドランナーを務めた鍵修一氏は「更なる食事、練習内容の検討をしていく必要がある」と、次戦に向けトレーニングの見直しを視野に入れている様子だ。

最終競技であるマラソンを終え、熱戦を繰り広げたリオオリンピック・パラリンピックがついに終幕を迎えた。次の舞台は2020東京オリンピック・パラリンピックだ。それまでに各々の選手はどれだけの成長を見せるのか。4年後には、表彰台の上でさらに多くの笑顔を見せて欲しい。

早稲田スポーツ新聞会 平野 紘揮

 

 

リオパラリンピック視覚障がい者マラソンの部でメダル2つ獲得!

メダル獲得の道下選手と岡村選手

9月18日に行われたリオパラリンピック視覚障がい者マラソンの部で、男子岡村正広選手が銅メダル、女子道下美里選手が銀メダルを獲得しました!

皆さまの力強いご声援ありがとうございました!
詳細は、帰国後のインタビューを楽しみにお待ち下さい。

男子マラソン(視覚障がいT11・T12混)

順位 氏名 タイム
1 EI Amin Chentouf (モロッコ) 2時間32分17
3 岡村正広 (日本) 2時間33分59銅メダル獲得
4 堀越信司 (日本) 2時間36分50
5 和田伸也 (日本) 2時間39分52

女子マラソン(視覚障がいT11・T12混)

順位 氏名 タイム
1 Elena Congost (スペイン) 3時間1分43
2 道下美里 (日本) 3時間6分52銀メダル獲得
5 近藤寛子 (日本) 3時間23分12
西島美保子 (日本) DNF(途中棄権)

和田選手2種目6位入賞、日本新記録更新!

和田伸也選手が、1500mと5000mの2種目で6位入賞いたしました。
1500mでは自身の持つ日本新記録を予選と決勝で更新!
たくさんの応援ありがとうございました。

また、いよいよフルマラソンが9月18日[日曜]9時(日本時間18日21時)にスタートします。
ご声援どうぞよろしくお願いします。

9月13日 男子1500m(視覚障害T11) 決勝結果

順位 氏名 タイム
1 Samwel Mushai Kimani (ケニア) 4分03秒25
2 Odair Santos (ブラジル) 4分03秒85
3 Semih Deniz (トルコ) 4分05秒42
6 和田伸也 (日本) 4分15秒62 日本新

9月11日 男子1500m(視覚障害T11) 予選2組結果

順位 氏名 タイム
1 Samwel Mushai Kimani (ケニア) 4分04秒50
2 Odair Santos (ブラジル) 4分05秒34
3 和田伸也 (日本) 4分16秒12 日本新

9月8日 男子5000m(視覚障害T11) 結果

順位 氏名 タイム
1 Samwel Mushai Kimani (ケニア) 15分16秒11
2 Odair Santos (ブラジル) 15分17秒55
3 Wilson Bii (ケニア) 15分22秒96
6 和田伸也 (日本) 16分02秒97

【ランナー便り】第2回 保科清さん

40代で走り始めアテネパラリンピック入賞。続けることが大事。

保科清さんは、長野県伊那市(旧高遠町)出身。高校生までは普通高校で学び、卒業。しかし、就職先は視力が弱いため、なかなか希望通りの所が見つからなかった。そこで、盲学校高等部で学び直し、鍼灸師の資格を取得する。小海赤十字病院に就職し、患者の立場になって、リハビリ等に専念。患者が一日も早く、復帰できるように治療にあたる。

43歳の時に、親族が亡くなる等から、自分自身の体力づくりと健康維持のためにジョッギングを始める。最初は、犬の散歩程度だったが、走る楽しさを知り、フルマラソンを目指して練習に取り組む。まだ、その頃は、一人でも走れ、病院までの通勤ラン等で月間400~500キロを走り込む。

アトランタパラリンピックを目指し、選考会に出場したが、参加照準記録に届ず、参加できなかった。シドニーパラリンピックには、出場できたが、ゴール手前80メートルで脱水症状になり、足がふらつき、腕をささえられゴールしたため、失格となってしまった。記録を残す最後の大会と決めていたが、記録が残らず「明日からまた、がんばる」「サポートしてくれた人の気持ちに応え、感謝の気持ちを表すために記録を残したい」と決意し、次のアテネパラリンピックを目指してトレーニングを始める。アテネパラリンピックでは、2時間56分30秒で5位入賞という輝かしい記録を残した。この大会の時には、視力が落ちB1、全盲クラスでの出場だった。

保科さんの写真

平成11年には長野県視覚障がい者マラソン協会を仲間と立ち上げ、副会長に就く。平成16年からは会長を引き受け、現在に至っている。会長として、長野マラソンに「視覚障がい者の部」を新設して、招待選手と全国各地から視覚障がい者を受け入れ、視覚障がい者が活躍する場を創った。トップ選手としての活動が終わっても、フルマラソン、100キロウルトラマラソン等に出場を続け、伴走者の育成も続けている。県内各地の小学校で長野県視覚障がい者マラソン協会長として、伴走体験を実施したり「夢を追う」という演題で、小学生に「続けることが大事(継続は力なり)」という内容を話し、感動をあたえている。

日本盲人マラソン協会の理事として、競技者の立場から協会の発展に寄与している。「生涯現役」という言葉が好きな通り、これからも益々、活躍することと思う。

長野県視覚障がい者マラソン協会 宮澤 武弘

リオ2016パラリンピック 和田 伸也 選手インタビュー

和田選手写真
– パラリンピック出場が決まっての率直なお気持ちを教えてください
和田二回目なので前回の経験を生かして、前回以上の結果を出すために頑張りたいなと身が引き締まる思いです。
– 出場が決まって、周りの方々から何かお言葉はありましたか
和田私は京都の鴨川パートナーズというブラインドのチームに所属しているのですが、ロンドンパラリンピック以降その応援の輪がだいぶ大きくなってきています。二大会連続出場が決まったということで、この前も壮行会を開いてもらって応援してもらいました。期待が大きいなと思います。
– プレッシャーを感じる部分もありますか
和田そうですね。みんなメダルを期待してくれていますけども、それを良い意味でプラスに変えて自分が頑張る原動力にしていけたらなと思っています。
– もともとはトラック競技をやられていたのですか
和田それよりも前はマラソンをやっていました。マラソンをやっていて、2009年に盲人マラソン協会の強化指定選手に指名していただいてそこからトラック競技を始めました。その後の2010年のアジア大会では800メートル、1500メートル、5000メートルで三冠を達成することができました。
– トラック競技の練習がマラソンに生きてくることもありますか
和田ありますね。特に5000メートルの力をしっかり上げることはマラソンにつながります。ロンドンも今回もそうですが、マラソンはT12という弱視クラスに私たちのようなT11の全盲クラスの選手が食い込んでいかないといけないので、T11だけで開催されるトラック競技とは違って非常に不利な種目に取り組む上でもトラックの練習は生きていると思います。
– 暑さ対策は何かされていますか
和田暑いのは好きな方で、それほどコンディションを崩さずトレーニングできる方なので、暑さに弱い選手を食っていければと思います。
– 現在の調子はいかがですか
和田協会の合宿をたくさんやっていただいているお陰で良いトレーニングを積めています。地元でもしっかりトレーニングできているので、本番に向けてピークを合わせていけるのではないかなと思います。
– リオで何か楽しみなことはありますか
和田T11クラスの5000メートルのレースが初日でマラソンが最終日なので、大会を通じて良い緊張感の中レースが楽しめるなと思いますし、選手村での食事なども楽しみにしています。
– パラリンピックでの目標を教えてください
和田ロンドンでは5000メートルで銅メダルを獲ったので、それ以上の結果を目指して頑張りたいなと思います。

他のリオ代表選手のインタビューを読む

リオパラリンピック競技日程はこちら

リオ2016パラリンピック 堀越信司選手インタビュー

堀越選手写真
– パラリンピック出場が決まった時のお気持ちを教えてください
堀越
去年の4月に推薦の第一位ということが決まっていたのですが、それから1年数か月の空白期間があったのでようやく決まってよかったなというのが一番大きなところですね。
– リオで楽しみなことはありますか
堀越走るのが一番楽しみです。
– 暑さ対策などは何か考えていますか
堀越リオに向けて暑い中走るなど特別なことは特にやっていなくて、現地に入って気象状況をうまく把握していって自分なりに何か対策を立てていくしかないのかなと思っています。情報がなさすぎてわからないですね。この前の代表合宿中にも気象の話にはなったのですが、去年の9月18日の気温が38度ということや一方で雨が降ったら寒いということを聞きました。当日どうなるかは本当にわからないので、今から対策となると逆に難しいのかなと思いますね。暑いと思って暑い中で練習しすぎても駄目ですし、逆に涼しいことを想定して涼しい場所ばかりで練習しても現地に行って疲労が出てしまうことがあるので、特に気候のことは考えずにオーソドックスな練習を淡々と重ねています。
– 開幕まで1か月となりましたがいまの調子はいかがですか
堀越いまは一番疲れている時期で練習をしていても全然走れず、ゆっくり走るのもきつい状況なのですが、いまはこれでいいとある程度割り切ってやっています。本番に向けて、現地に入ってから調整をしていけば確実にメダルが狙えると思っています。そこは自信を持っているので調子が良いか悪いかで言えば悪い状態ですが、ここから上げていきたいと思います。自信は持っているので心配はしていないです。
– パラリンピック出場が決まって、ご家族や周りの方々の反応はいかがでしたか
堀越家族は毎回見に来てくれるのですが、去年の段階から絶対見に行くからと言ってくれていたので決まったから特別何かということはありませんでした。所属先のNTT西日本陸上部の周りの選手たちは、正式に決定したという報告をしたときによかったと言ってくれたのですごく嬉しかったです。そういった気持ちにはやはり結果で応えたいなという思いもあるので、しっかり自覚をもって走りたいと思います。
– パラリンピックでの目標を教えてください
堀越まずは東京大会につながる走りをするというのが一番です。最終的な目標は東京パラリンピックのマラソンでメダルを獲ることなので、それにつながる走りをしたいです。そのためにはやはり世界でメダル争いをする、メダルに絡むというのが大事になってくると思うので、メダル争いに絡んでいってチャンスがあれば貪欲にメダルを狙っていこうと思っています。

他のリオ代表選手のインタビューを読む

リオパラリンピック競技日程はこちら

リオ2016パラリンピック 岡村 正広 選手インタビュー

岡村選手写真
– パラリンピック出場が決まっての率直なお気持ちを教えてください
岡村ようやく決まって安心しました。ホッとしました。
– 出場が決まって周りの方々から何かお言葉はありましたか
岡村大勢の方からたくさんの声援をいただいて励みになっています。
– 前回のロンドン大会では4位入賞という結果を残されていますが、今大会はどのような意気込みで臨まれますか
岡村前回4位でメダルにあと一歩届かなかったという悔しさをバネに、ぜひメダルを目指したいと思います。
– 現在の調子はいかがですか
岡村合宿の練習メニューなども順調にこなして、非常に良い流れできていますのでいまのところ絶好調です。
– リオで楽しみにしていることはありますか
岡村とにかく競技に集中して自分の力を全部出し切ることだけを考えています。
– 暑さ対策など考えていることはありますか
岡村去年の北海道マラソンで暑い経験があるので、その時に心がけたことを忠実にリオでも実践して暑さに打ち勝ちたいですね。
– パラリンピックに向けた意気込みを改めてお願いします
岡村メダルはぜひ目標にしたいところですから、そのために残りの期間精一杯できる限りのことをやって、本番ではしっかり悔いの残らないような走りをしたいと思います。

他のリオ代表選手のインタビューを読む

リオパラリンピック競技日程はこちら

リオ2016パラリンピック 道下 美里 選手インタビュー

道下選手写真
– パラリンピックが決まっての率直なお気持ちを教えてください
道下10年越しの夢なので、ものすごい夢の舞台に近づいているなと、いま感じています。
– 道下選手はロンドンマラソンで出場がほぼ確実となりましたが、実際に決定の知らせを受けていかがでしたか
道下内定が出るまで日にちがありましたが、私はもう出場するという気持ちでトレーニングを続けていました。改めて出場決定の通知を受けた時は、あぁやっとあの舞台に立てるんだという思いが溢れました。スタートラインに万全な状態で立てるように着々と準備を進めていきたいと思います。
– 女子のマラソンは今大会から正式種目となり、周りからの期待も大きいと思いますがプレッシャーに感じることはありますか
道下いま現在はあまりないですね。プレッシャーという言葉が自分自身あまり好きな言葉ではないので、期待を力に変えてそれも楽しんでいきたいなと思っています。初めてで、レースがどうなるのか誰もわからないと思うので自分のレースをしっかりしたいと思います。
– パラリンピック出場が決まって、ご家族や周りの方々の反応はいかがでしたか
道下身近な主人や家族は夢が叶っても叶わなくてもそのままでいてねって言ってくれて側にいてくれる温かい存在ですね。仲間も結果がどうこうというより、そこに立てることが喜ばしいと思ってくれています。本当に「いま」という瞬間を楽しみたいなと。でも日の丸を背負って立つので、その辺は自覚をしっかり持ちたいです。こんな機会一生に一度か二度で、本当にその瞬間は二度とやって来ないので、その瞬間瞬間を自分の宝物にできるように過ごしていきたいと思います。
– リオで楽しみにしていることはありますか
道下うーんなんだろう(笑)。メダルをもらう瞬間かな。もうもらえると思っているので、そこに向かっていきたいと思います。
– 暑さ対策は何かしていますか
道下いま私は福岡に練習拠点を置いているのですが、暑い時間にもゆっくり走ったり、日中外に出るようにしたりしています。あとは首にアイシングを巻いて走ったり、帽子に日よけを付けたり、給水も暑い中でしっかり対応できるように塩分や栄養分を考えたりしています。給水のスポンジなども準備できるものは準備していきたいと思います。
– 現在の調子はいかがですか
道下ものすごく順調に来ています。毎回の合宿で距離も伸びてきていますし、足作りはしっかりできているので、あとはどれだけ本番前にスピード練習を入れてキレを出していけるかというところですね。
– リオでの目標を教えてください
道下金メダルを持って帰って来たいですね。女子マラソンは初めてなので、初代女王目指して頑張ります。

他のリオ代表選手のインタビューを読む

リオパラリンピック競技日程はこちら

リオ2016パラリンピック 西島 美保子 選手インタビュー

西島選手写真
– パラリンピック出場が決まっての率直なお気持ちを教えてください
西島ずっと夢だったことが現実になってとても嬉しいです。
伴走選考レースで失敗しまこともあったので、まずはホッとしました。女子視覚障がい者のマラソンの第一人者としてずっと頑張ってきていただいた西島さんが出場できて本当によかったなと思います。
伴走一番頑張って来られた方なので出場が決まって本当に喜んでおります。
– 女子のマラソンは今大会から正式種目となりますが、周りからの期待などを感じる部分はありますか
西島期待されていますが、とにかく自分がいままでやってきたことを悔いのないようにやれたらいいなと思っています。
– 出場が決まってご家族や周りの方々から何かお言葉はありましたか
西島いままであまり連絡がなかった人も含めて、たくさんの私に関わってくれた方がメールをくださったり、お電話でおめでとうって言ってくださったりしてあぁこんなに期待されているんだって改めて思いました。
– 暑さ対策として特別に考えていることはありますか
西島暑いのは苦手なのですが、日本にいる間はなるべく冷房を使わずに暑さに慣れるようにしています。
伴走練習を一番暑い時間帯のお昼にやっています。
– リオで何か楽しみなことはありますか
西島初めての経験で、見るもの聞くもの全てが新鮮なので、何がという特別なものは特にありませんがとにかく楽しんできたいと思います。
– パラリンピックでの目標を教えてください
西島最後まで自分のペースを守って、少なくともメダルに絡めるレースができたらいいなと思います。

他のリオ代表選手のインタビューを読む

リオパラリンピック競技日程はこちら

リオ2016パラリンピック 近藤 寛子選手インタビュー

近藤選手写真
– パラリンピック出場が決まっての率直なお気持ちを教えてください
近藤2年前に主人を亡くすなど、私自身いままで色々なことがあったあとに女子マラソンが正式種目に決まって、協会の方はじめ伴走者のみなさんや仲間のみなさんにたくさん支えていただいて私もリオに行きたいと夢をもってきました。その夢が叶ってマラソンを続けてきて本当によかった、諦めなくてよかったと思いました。
– 周りで支えてくださった方から何か言葉はありましたか
近藤亡くなった主人はもともと旅行が好きな人だったのですが、私が競技を始めてからあまり旅行にも連れて行ってあげられない状況の中で、家族をリオに連れて行ってくれたらいいよと普段の会話の中で伝えてくれていたので、そういう何気ない会話ですが家族の思いを果たせてことはよかったなと思いました。
– 何か暑さ対策はされていますか
近藤私は滋賀県に住んでいて練習も琵琶湖などですることが多いのですが、そのあたりは最近では40度くらいまで上がるんです。なので真夏に普段は走らないところも根性出して走っています。この暑さの中走れたということを自信に、リオでも走りたいと思います。
– リオで楽しみなことはありますか
近藤私は本当によく食べるし、食べるのが大好きなので各国の料理を楽しみにしています。
– 女子マラソンは今大会から正式種目となりましたが、周りからの期待やプレッシャーを感じることはありますか
近藤普段の生活や練習を本番まで大切にしていけば、いままでやってきたことが自信になると思うので、やってきたことを信じていくことがプレッシャーを良い方向、やる気に変えていくために必要だと思います。あとは支えてくれる人、期待してくれる人がたくさんいることを大きな力にして、頑張りたいなと思っています。
– 現在の調子はいかがですか
近藤7月末から体調が少し悪くて練習がうまくいかず。そこで少し焦りや不安が出てきましたが、ここからの一か月で本番に万全な状態で臨むためにはどうすればいいかをもう一度見つめなおして、これから過ごしていきたいと思います。
– パラリンピックでの目標を教えてください
近藤協会からも全員が入賞(を目指す)と言われているので、やはり入賞、願わくばメダルを狙います。ゴールは笑顔でしたいと思います!

他のリオ代表選手のインタビューを読む

リオパラリンピック競技日程はこちら

リオ2016パラリンピック まもなく開幕(広報インターン記事)

リオパラリンピック代表選手の写真

オリンピアンが熱い戦いを繰り広げた地、リオデジャネイロでまもなくパラリンピックが開幕する。盲人マラソンには堀越信司選手(NTT西日本)、和田伸也選手(賀茂川パートナーズ)、岡村正広選手(千葉県立千葉盲学校)の男子3名、道下美里選手(三井住友海上)、西島美保子選手(日本盲人マラソン協会)、近藤寛子選手(滋賀銀行)の女子3名、計6名の選手が出場。いずれもメダルの有力候補だ。

男子選手三名はパラリンピックをすでに経験しており、今大会ではそれぞれの経験を生かし、より上のレベルを見据える。パラ陸上の長距離選手として唯一実業団チームに所属している堀越選手は、「実業団のチームメートにパラリンピック出場を報告した際、喜んでくれたことがとても嬉しかった。そういった思いに結果で応えたい。」と仲間の応援と期待を背にレースに臨む。また、自身最大の目標を東京パラリンピックでのメダル獲得に定めており、リオでは4年後につながる走りのためにメダル争いに絡んでいきたいと、レースの目的を明確に掲げた。ロンドン大会では5000メートルで銅メダルを獲得するなど、トラック競技では数々の好成績を残している和田選手は、マラソンでのメダル獲得にも意欲を示す。T12の弱視クラスとT11の全盲クラスの区別がないマラソン競技は、全盲クラスの選手にとって非常に不利であると言われている。和田選手はT11クラスで競技に取り組むが、そういった不利な状況でも上位争いに食い込んでいく上で、トラック競技で得た経験が生きてくると言う。自ら手にしてきた豊富な経験と実績を糧にスタートラインへ。「ロンドン大会以降、応援の輪が大きくなっている。周りからの期待をプラスに変えて、自分の原動力にしていきたい。」と笑顔を見せた。前回大会4位と、メダルまであと一歩だった岡村選手はその悔しさをバネにリオへと向かう。合宿のメニューも順調にこなし、絶好調だと語る落ち着いた表情からはその調子の良さをうかがうことができた。「目標とするメダル獲得のために、残りの期間精一杯できることをして、悔いの残らない走りをしたい」(岡村)。悲願のメダル獲得へ、静かに闘志を燃やす。

女子視覚障がいマラソンは今大会からパラリンピック正式種目に採用され、選手たちが懸ける思いもひとしおだ。4月のロンドンマラソンでいち早くパラリンピックへの切符を手に入れたのは道下選手。「パラリンピックは10年越しの夢。日の丸を背負う自覚は持ちつつ、その一瞬一瞬を楽しんで自分の宝物にしたい。」と思いを述べる。「メダルをもらう瞬間が楽しみ。金メダルを持って帰ってきたい。」と初代女王への意気込みも十分だ。表彰台の一番高い場所でとっておきの笑顔を期待したい。女子視覚障がいマラソンの第一人者として活躍し続ける西島選手は「ずっと夢だったことが現実になってとても嬉しい。何もかも初めての経験なのでとにかく楽しみたい。」と夢の舞台へ胸を高鳴らせた。人一倍積み重ねてきた努力を自信に変えて、悔いのないレースでメダルを狙う。家族をリオに連れていく、と亡くなったご主人と約束していたという近藤選手。家族の思いを果たしブラジルへと向かう。「たくさんの方に支えられながらリオ行きの夢を持ち続けてきた。その夢が叶って、マラソンを続けてきて本当によかった、諦めなくてよかったと思った。」と胸に秘めた思いを明かしてくれた。夢の実現を後押ししてくれたすべての人への感謝を胸に、背負って立つ期待を力に、笑顔でのゴールを目指す。

複数回合宿を実施するなど、強化にも力が入る今大会。女子選手も参加可能となり、男女ともにメダルの獲得が期待されている。それぞれの思いを抱いて、42.195キロのスタートラインに立つ選手たち。陽気な国でたくさんの笑顔が咲き誇るように、日本からエールを届けよう。

早稲田スポーツ新聞会 太田 萌枝

リオパラリンピック競技日程はこちら

リオパラリンピック参加競技日程

9月7日から開催されるリオパラリンピックに、JBMA強化選手が下記日程で競技に参加いたします。
応援のほど宜しくお願いいたします。

男子5000メートル決勝(クラスT11)

9月8日(木曜) 10:00(日本時間:9月8日(木曜) 22:00)

選手名 伴走者
和田 伸也 中田 崇志/行場 竹彦

男子1500メートル予選(クラスT11)

9月11日(日曜) 11:52(日本時間:9月11日(日曜) 23:52)

選手名 伴走者
和田 伸也 中田 崇志/行場 竹彦

男子1500メートル決勝(クラスT11)

9月13日(火曜) 18:07(日本時間:9月14日(水曜) 6:07)

選手名 伴走者
和田 伸也 中田 崇志/行場 竹彦

男子マラソン決勝(T11・T12混)
女子マラソン決勝(T11・T12混)

9月18日(日曜) 9:00 (日本時間:9月18日(日曜) 21:00)

選手名 伴走者
堀越 信司
岡村 正広
和田 伸也 中田 崇志/行場 竹彦
選手名 伴走者
道下 美里 堀内 規生/青山 由佳
近藤 寛子 日野 未奈子/川嶋 久一
西島 美保子 溝渕 学 /鍵 修一

【ランナー便り】第1回 八木陽平さん(広報インターン記事)

視覚障がい者の生活の楽しみとして盲人マラソンをもっと広めたい

目が見えにくくなったのは3歳のとき。年を重ねるにつれて徐々に視力が奪われていったという。緑内障を発症した原因は不明だが、自身はそのことについてあまり悲観していなかったと振り返る。高校野球の実況中継をラジオで聴くことやグランドソフトボールに熱中し、楽しい学生時代を過ごした。大学では全盲の学生として日本で初めて物理学を専攻。実験や講義など、目が見えない故の苦労は多かったが、持ち前の朗らかな性格と周囲の助けにより学問を修めた。その後アメリカの大学院に進学。「例え障がいがあっても能力があれば誰でも上にいける。これが個人主義の国」と実感したと語る。サポート体制も整っており、受験の段階で可能性が狭まる日本との違いを肌で感じた。

マラソンとの出会いは日本への帰国後。「日本の食べ物は美味しいから、太ってしまって」と、はにかみながら話す。ダイエット目的で、ホノルルマラソンを目標に兄と走り始めマラソンに魅了された。その後、代々木公園で行われている練習会の存在を知った。競技志向が強く、1秒でも速くなるために自身の走りを追求。フルマラソンでは3時間を目標に練習を積み重ねた。「1回だけ目標を達成できたのがマラソン人生で最大の出来事」と顔をほころばせる。練習は苦しいことも多かったが、「走ることは生活の一部」と力強く話す。最近は、年齢を重ねたため競技会に選手として参加することは少なくなったものの、今も走ることはやめていない。

八木さんの写真

現在は、盲人マラソン協会(JBMA)で常務理事を務める。自身は競技としてのマラソンに打ち込んできたが、伴走者と2人で楽しく走るジョギングは、健康維持の一助となる。理事に就任してからこれまでとは異なる魅力に気付いたという。八木氏が望むのは視覚障がい者の生活の楽しみとして、盲人マラソンの普及。東京などの都会ではマラソンを楽しむ機会が増えたものの、地方ではまだまだ遅れているのが現状だ。JBMAが主催する駅伝などを通してより多くのランナーと交流し、一緒に走る楽しさを広めている。「競技はある程度のところで頭打ちになるが、ジョギングはいつまでも続けられる。ぜひ楽しんで、長く続けてほしい」とその願いを語った。

盲人マラソンにとって欠かせないのが伴走者(ガイドランナー)の存在。人手不足が嘆かれているが、近年学生の参加が増えている。八木氏は「競技引退後も能力を生かして、健康維持と社会貢献に役立ててほしい」と期待をかけた。リオパラリンピックを目前に控え、「(日本代表選手には)頑張って、メダルをとってきてほしい」と声援を送る。東京パラリンピックに向けて弾みをつけるためにも、そして盲人マラソンをより多くの人に楽しんでもらうためにも、選手たちには最大限の力を発揮してほしい。穏やかな笑顔から、盲人マラソンへの熱い想いがあふれた。

早稲田スポーツ新聞会 榎本 透子